気象IoTセンサー「ソラテナ」に新機能 九条ねぎ栽培に活用

天気予報アプリ「ウェザーニュース」を提供する株式会社ウェザーニューズは、法人向けに販売している高性能気象IoTセンサー「ソラテナ」に新機能を追加した。

1日ごとの観測データをグラフ化する機能や設置場所周辺の天気予報を1kmメッシュで確認する機能などが追加されている。

高性能気象IoTセンサー「ソラテナ」

観測データのグラフ化などに対応


「ソラテナ」は、気温・風速・雨量など8つの気象要素の変化を1分ごとに観測する高性能な小型気象センサー。農業分野では「農作物の生育管理に必要な気象情報をピンポイントで把握できる」として露地栽培を中心に導入が進んでいる。

今回の新機能追加は、京都府で「ソラテナ」を活用した九条ねぎ生産に取り組む株式会社あぐり翔之屋から寄せられた要望を反映したもの。「積算雨量等の観測データを1日ごとに確認したい」ということで、1日ごとの観測データをグラフ化する機能や設置場所周辺の天気予報を1kmメッシュで確認する機能などが追加されている。

あぐり翔之屋の農場に設置されている「ソラテナ」
スタッフが観測データを確認する様子
京都の伝統野菜である九条ねぎは、夏に雨が多く降ると土壌の酸素が不足して、根腐れを引き起してしまう恐れがある。そのため、根腐れリスクが高まる積算雨量を分析して、酸素供給剤を散布する必要がある。

また、他のネギと比べて風に弱いという特徴があるため、トンネルでの保護が欠かせない。しかし、風速8m/s以上になるとトンネルが吹き飛ばされてしまう。今回の新機能により、台風接近時などはソラテナを活用して風速のデータを確認することで、作物にダメージを受ける前に適切な対策を行うことも可能になった。

今後は、屋外カメラを利用して農作物の生育状況を監視するサービスや観測データを反映した高精度な天気予報を提供していく予定とのこと。


株式会社ウェザーニューズ
https://jp.weathernews.com/
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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