川崎水族館、動物の排泄物を利用した「循環型水耕栽培」を展示

株式会社ティエラポニカは、動物の排泄物を利用した「循環型水耕栽培」の展示を神奈川県川崎市にあるカワスイ川崎水族館で開始した。


ティエラポニカは、日本と東南アジアを中心に活動するバイオベンチャー企業群ちとせグループに所属する企業。
「植物と微生物の相互作用を科学する」をスローガンに、廃棄有機物を活用した有機水耕栽培の応用研究・事業開発を行っている。

カピバラの排泄物を利用して有機養液を製造


カワスイ川崎水族館は、世界の美しい水辺をテーマにした新感覚のネイチャーエンターテインメント水族館。
照明や音響など最先端の技術を活用した展示ブースが特長で、多摩川ゾーン、アジア・オセアニアゾーン、南アメリカゾーン、アフリカゾーン、アマゾンゾーン、パノラマスクリーンゾーンの6つのエリアがある。

出典:https://kawa-sui.com/
ティエラポニカが展示を開始した「循環型水耕栽培」は、農研機構が特許を取得する有機養液栽培技術を応用したもの。有機養液栽培とは、微生物など生物由来の資源を原料に作製した養液を用いて農作物を栽培する方法のことを指す。

今回の展示では、南アメリカゾーンの中にあるアグア・ラボエリアに新設したブースを使用して、カピバラの排泄物を利用した有機養液栽培を実施。「水耕栽培に必要な養液の製造」・「水耕栽培による野菜の栽培」・ 「動物による消費」の3つを館内で完結する「循環型水耕栽培」の様子を紹介していく。

館内に設置された「循環型水耕栽培」の紹介図
「循環型水耕栽培」の展示は、川崎市環境総合研究所が実施する産学公民連携事業の1つである「脱炭素社会の実現」の研究課題に向けたもの。ティエラポニカとカワスイ川崎水族館は、今回の展示を通じて動物の排泄物処理で発生する亜酸化窒素の削減を目指すことで、環境と調和した市民生活を考える機会を提供したい考えだ。


株式会社ティエラポニカ
https://chitose-bio.com/jp/business/tierraponica/
カワスイ川崎水族館
https://kawa-sui.com/
SHARE

最新の記事をFacebook・メールで
簡単に読むことが出来ます。

RANKING

WRITER LIST

  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
  4. 鈴木かゆ
    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
  5. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
パックごはん定期便