衛星画像とブロックチェーンでナイジェリアの小規模農家を支援する取り組みがスタート

衛星データ解析システムの開発を手がける株式会社スペースシフトとブロックチェーン技術を活用した貿易総合プラットフォームを展開する株式会社STANDAGEは、農地衛星画像とブロックチェーン技術を活用して、ナイジェリア連邦共和国の小規模農家のマイクロファイナンスを支援する新たな取り組みを開始した。

アフリカ農業のDX化を推進


マイクロファイナンスとは、開発途上国の貧困層を対象に、小口の融資や貯蓄等の金融サービスの提供をして、貧困の緩和に必要な経済的支援を実施する仕組みのことである。

ナイジェリア連邦共和国は、アフリカ有数の農業国として知られているが、小規模農家が全体の約99%を占めるため、農業生産の効率化に必要な農業資材や農業機械を購入するための費用を準備することができない状況という。

取り組みでは、スペースシフトが提供する農地衛星画像とSTANDAGEが提供するブロックチェーン技術を組み合わせてナイジェリアの農家の与信管理と審査を実施するマイクロファイナンスサービスを構築。与信審査を通過した農家を対象に、農業生産の効率化に必要な農業資材や農業機械を提供して、実績のあった農家から順に資金の融資を開始していく。

両社が構築を目指すマイクロファイナンスサービスを活用したビジネスモデル図
取り組みにおける2社の役割は以下の通り。

スペースシフト
AI技術を活用して地上観測衛星で得た農地画像を解析。
ナイジェリアの農家の作業進捗や農作物の生育状況をデータ化する。

STANDAGE
スペースシフトがデータ化した情報を基に農家の信用スコアを作成。
ブロックチェーン技術を活用した与信管理と与信審査を実施する。

200万世帯への導入を目指す


両社が構築を目指すマイクロファイナンスサービスは、独立行政法人国際協力機構(JICA)が実施する「途上国ニーズと民間技術マッチングに係る情報収集・確認調査」の調査事業の採択も受けており、取り組みではサービスを提供していく上で必要な情報収集や現地調査、仮説設定、課題特定も行っていく予定とのこと。

両社は、ナイジェリアの小規模農家2000万世帯の10%に当たる200万世帯への導入を目標に、2021年度内のサービス構築を目指す考えだ。


株式会社スペースシフト
https://www.spcsft.com/
株式会社STANDAGE
https://standage.co.jp/ja
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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