福島県の耕作放棄地を太陽光発電に活用する「非FIT太陽光発電事業」がスタート

産業用太陽光発電所の設計・販売・施工等を手がける株式会社ギガソーラーは、FIT制度(固定価格買取制度)に頼らず自社で発電した電力を届ける太陽光発電事業を福島県で開始する。除染済みだが農業を再開できない耕作放棄地を、太陽光パネルを設置することで再生可能エネルギーに転換する。

太陽光発電設備のイメージ

FIT制度とは、再生可能エネルギーで発電した電力を一定の期間・価格で電力会社が買い取ることを国が約束する制度のことである。

固定価格による買い取りを保証してくれるため、収支の計画が立てやすく、高額な初期投資が必要な再生可能エネルギー事業への参入を後押しするなどのメリットがある。

しかし、電力会社が買い取る際に発生する費用の一部を再エネ賦課金という形で国民に負担を強いていることから、「再生可能エネルギー由来100%の電力としては認められない」との指摘も受けてきた。

福島県の耕作放棄地を活用


同社が開始する発電事業は、2030年度の温室効果ガス46%削減に向け、再生可能エネルギーの構成比を現在の19.8%から36%~38%に高めること目標に掲げる「2022年度エネルギーミックス改訂」を受けてのもの。

事業では、東日本大震災による原発事故の影響で、除染が完了した今も農業を再開できないでいる福島県の耕作放棄地(遊休・荒廃農地)に太陽光発電設備を建設して、増加する再生可能エネルギー需要に対応していく。

太陽光発電設備の建設が予定されている耕作放棄地

同社は、今回の事業を通じ、東日本大震災の影響が強く残る福島県の地域振興に役立ちたい考えだ。


株式会社ギガソーラー
https://gigasolar.co.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
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    北島芙有子
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    川島礼二郎
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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