青果流通のファーマインド、省力化栽培「ジョイントV字樹形」を採用した和ナシ生産に参入

東京都千代田区を本拠に青果の総合流通事業を展開する株式会社ファーマインドは、株式会社ファーマインド茨城農園を設立した。

国内果樹生産の大規模化と省力化を推進


現在、日本の果樹生産の現場では、農業人口の減少や高齢化、担い手不足、栽培面積の減少等の課題を背景に、新規就農の促進など需給バランスの安定化に向けたさまざまな取り組みが進められている。

しかし、定植から収穫まで多くの年数を要するなど、収益化に至るプロセスが他の農作物と比較して長いため、新規参入を検討する個人や事業者が少ない状況にあるという。

ファーマインド茨城農園は、国内果樹生産の大規模化と省力化を目的に設立された農業生産法人で、和ナシ(幸水、豊水、あきづき等)の早期成園化を促すジョイントV字樹形を導入した栽培や、全国14カ所にある青果センターを中心とした青果の総合流通プラットフォームを活用した輸送を行っていく方針を固めている。

農園を開設するのは、果樹の苗木生産が盛んな茨城県かすみがうら市で、廃校など県内にある遊休地を農業機械の保管所や青果物のパッキング場として活用する計画や、全国のJAグループと連携して青果の総合流通プラットフォームを拡大する計画も進めていく予定とのこと。

関係者らによる記念撮影。ファーマインド社長の堀内達生氏(中央左)と茨城県知事の大井川和彦氏(中央右)

同社は、ファーマインド茨城農園を通じ、高品質な青果を効率的かつ持続的に生産できる農事業モデルを構築していく構えだ。


株式会社ファーマインド
https://www.farmind.co.jp/
SHARE

最新の記事をFacebook・メールで
簡単に読むことが出来ます。

WRITER LIST

  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
パックごはん定期便