キーストーンテクノロジー、省エネと生産量増加を両立する植物工場向け「栽培照明最適化技術」を発表

LED植物工場用栽培システムの開発・製造・販売および機能性野菜の生産技術コンサルティングを手がける株式会社キーストーンテクノロジーは、植物工場向けの栽培照明最適化技術「エコブーストLEDソリューション」を発表した。

省エネと生産量の増加を同時に実現


「エコブーストLEDソリューション」は、同社がリーフレタス(ファンシーグリーン)を対象に実施したLED栽培照明の最適化技術研究実験の結果を基に開発した新技術。

実験では、RGB独立調光型LED植物栽培装置「AGRI-Oh!(アグリ王)シリーズ」に内蔵された3色(赤・緑・青)の植物栽培用のRGB光LEDの光照射条件を最適化。その結果、消費電力を約25%以上削減し、生産量を約1.5倍増加させることに成功したという。

RGB独立調光型LED植物栽培装置「AGRI-Oh!(アグリ王)シリーズ」

植物栽培用RGB光LED

専用のLEDコントローラー

RGB光LEDスペクトル分布

実験で示された主なデータは以下の通り。

1.光照射パターンの操作がリーフレタスの生産効率に大きく影響していることが示唆されている。特に、「エコブーストLEDソリューション」(LP4)を使用した光照射パターンでは、消費電力が最も低いにも係わらず、可食部新鮮重量と生産効率の増加がみられた。

2.光質条件の切り替えがリーフレタスの成長に影響を与えることが示唆されている。特に、「エコブーストLEDソリューション」(LP4)では、RとBの明期が交互に設定されており、これが植物の成長に有益な影響を与えている可能性がある。

光照射パターンごとの可食部新鮮重量比と生産効率

光照射パターンごとのDLIあたりの可食部新鮮重量と1kWあたり期待可食部FW

なお、2023年6月末までに、RGB独立調光型LED植物栽培装置「AGRI-Oh!シリーズ」を成約すれば、「エコブーストLEDソリューション」の“LED栽培照明の最適化レシピ”が無料で提供されるとのこと。

同社は、「エコブーストLEDソリューション」の提供を通じ、電気料金値上げの影響を受ける植物工場の生産コストを軽減したいとしている。


株式会社キーストーンテクノロジー
https://www.keystone-tech.co.jp/
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  1. 加藤拓
    加藤拓
    筑波大学大学院生命環境科学研究科にて博士課程を修了。在学時、火山噴火後に徐々に森が形成されていくにつれて土壌がどうやってできてくるのかについて研究し、修了後は茨城県農業総合センター農業研究所、帯広畜産大学での研究を経て、神戸大学、東京農業大学へ。農業を行う上で土壌をいかに科学的根拠に基づいて持続的に利用できるかに関心を持って研究を行っている。
  2. 槇 紗加
    槇 紗加
    1998年生まれ。日本女子大卒。レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原に移住し修行を始める。在学中は、食べチョクなど数社でマーケティングや営業を経験。その経験を活かして、農園のHPを作ったりオンライン販売を強化したりしています。将来は、レモンサワー農園を開きたい。
  3. 沖貴雄
    沖貴雄
    1991年広島県安芸太田町生まれ。広島県立農業技術大学校卒業後、県内外の農家にて研修を受ける。2014年に安芸太田町で就農し2018年から合同会社穴ファームOKIを経営。ほうれんそうを主軸にスイートコーン、白菜、キャベツを生産。記録を分析し効率の良い経営を模索中。食卓にわくわくを地域にウハウハを目指し明るい農園をつくりたい。
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  5. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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