mino-lio、再生重油を加温燃料に利用するいちご農園の建設をスタート

株式会社mino-lio(ミノリオ)は、群馬県高崎市で、再生重油を活用してビニールハウス内の温度を加温する農業施設の建設に着手した。これまで農業ではほとんど利用されていなかった再生重油を加温燃料として利用し、いちごの栽培を行っていく。


再生重油とは、自動車やトラックの定期点検時に排出された廃エンジンオイルなどをろ過した燃料油である。ガソリンや軽油、灯油など従来の化石燃料と比較して安価に供給できる。

また、「エネルギーの使用の合理化および非化石エネルギーへの転換等に関する法律(省エネ法)」上、「非化石燃料」に分類されるため、燃焼時のCO2排出が「実質ゼロ」でカウントされる。

環境対策重視のいちご栽培を計画


mino-lioは、群馬県前橋市を本拠に自動車販売等の事業を展開するGNホールディングス株式会社が、高崎市農政部の指導と支援の下設立した新規農業法人である。

日本の施設園芸の現場では、A重油と呼ばれる燃料を使用してハウス内を加温している。しかし、現在は国際情勢の影響などを理由に供給が逼迫し、販売価格の高騰が続き農業経営の大きな負担になっているという。

一方、GNホールディングスでは、自動車やトラックの定期点検時等で年間約44万リットル(※2022年度実績)の大量のエンジンオイルが交換・排出されるが、この廃オイルは不純物をろ過すれば、再生重油として新たなエネルギー源に生まれ変わることが可能だ。

今回建設を進めるのは、この再生重油を活用して加温する、いちご栽培向けの農業施設だ。


今年度は、高崎市中尾町に園芸用ビニールハウスと、再生重油を燃料とする加温設備を導入したいちご農園を建設。栽培技術については、カネコ種苗株式会社の全面的なサポートの下、環境対策重視のいちごの水耕栽培を計画している。

また、将来的には群馬県内のビニールハウス園芸農家らを対象に、再生重油を安価にかつ安定的に供給できる体制を構築し、農業経営の安定化と地球温暖化対策への貢献を目指していくという。


GNホールディングス株式会社
https://www.gnhd.co.jp/
株式会社mino-lio(ミノリオ)
https://mino-lio.co.jp/
カネコ種苗株式会社
https://www.kanekoseeds.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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