コシヒカリのおいしさをそのままに低糖質な米の栽培手法を確立、ジェイフロンティアと東京農大

ジェイフロンティア株式会社は、東京農業大学農学部の上地由朗教授と共同で進めていた「低糖質米開発プロジェクト」において、コシヒカリを用いたおいしい低糖質米を「栽培法×選別法×おいしい品種/コシヒカリ×おいしくて低糖質」で特許出願した。


おいしさをそのままに糖質を抑えた米を栽培


ジェイフロンティアは「人と社会を健康に美しく」を経営理念に掲げ、自社オリジナルの医薬品・健康食品・化粧品を扱うEC事業・通販事業を展開する企業。世界市場で健康志向が高まっている中で、日本の主食である米に焦点を当て、糖質を減らしても米の味と食感を保つことで、美味しさと健康を両立させることを目指している。

一般的に良食味米は、米でんぷんの一つであるアミロース含量が低いため、糖質が吸収されやすいことが明らかになっているという。糖質の吸収を抑えるには、糖質の分解スピードがゆるやかな高アミロース品種の開発や他穀物とのミックス食品の開発・提供が行われているが、健康志向が高い人や糖質制限が必要な人が良食味米を食事に取り入れる場合には、摂取タイミング・摂取量を制限しなければならない現状がある。

ジェイフロンティアと東京農業大学の上地由朗教授が2018年から共同で行ってきた「低糖質米開発プロジェクト」では、高アミロースの新たな米を開発するのではなく、古くから日本人に愛されている「コシヒカリ」のおいしさを損なわずにアミロース含量を上昇させる手法の確立に取り組んできた。

タンパク含量を抑え、アミロース含量が高い米を作るための栽培条件や各種要因などを検証した結果、おいしさをそのままに糖質を抑えた米を生産栽培する手法を見い出し、「栽培法×選別法×おいしい品種/コシヒカリ×おいしくて低糖質」で特許出願を行った。

※試験機関:ユーロフィンQKEN株式会社 2023年3月。
本検査結果は、受領した試料について当社の保有する機器で検査した結果であり、当該試料の母集団を保証するものではありません

開発されたSOKUYAKU低糖質米は、高アミロースで胃腸に負担がかかりにくく、アレルゲンにもなりにくいという。また、粒が大きいため歯ごたえや甘みを感じやすく、少量でも満腹感得られるのが特徴だ。

東京農業大学農学部教授 上地 由朗氏のコメント
コシヒカリを用いて、生育時期の気温、日射環境、栽植密度、窒素施肥、収穫時期などの条件を異にした試験設定を行い、食味関連形質に及ぼす要因とその程度について、調査、解析をすすめました。そのなかで確実にわかったのは、登熟期の日射環境が良好であれば、粒が大きく、高いアミロース含量を保有する米になることです。このように良食味米のアミロース含量を高めるための近道を探るのはもちろんですが、アミロース含量が元来高い人気品種については、その復興も大きな目的の一つです。コンビニの商品棚には『おいしい低糖米おにぎり』、イネ生産地には『低糖質米栽培圃場』も文字がみられる日を楽しみにしています。


東京農業大学
https://www.nodai.ac.jp/
ジェイフロンティア株式会社
https://jfrontier.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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