タカミヤとマクニカ、環境制御型農業の技術開発やアグリプラットフォームの構築に向け協業開始

株式会社タカミヤは、2024年5月16日に、持続可能な農業を実現するため株式会社マクニカと農業分野における業務提携を行うことに合意し、協業を開始することを発表した。環境制御型農業の技術開発・実装やアグリプラットフォームの構築を推進していく。


異業種の2社が農業分野における協業を開始


タカミヤは、足場をはじめとする仮設機材の総合プラットフォーマーとして、建設業界を支えるソリューションを提供する企業だ。

農業分野においては、後継者不足や人材教育問題の解決を目指すべく、2024年4月に「TAKAMIYA AGRIBUSINESS PARK」を設立。農業におけるすべてがわかる総合農業パークとして、新しい技術・商品の開発、農業予備校としてのトレーニングファーム、ダイバーシティマネジメントなど、各業界のパートナー企業や大学研究機関が集結し、就農とイノベーションを促進する拠点となっている。

マクニカは、半導体、サイバーセキュリティを軸に、最新のテクノロジーをトータルに取り扱う企業。世界26カ国で事業を展開し、AIやIoT自動運転など最先端技術の発掘・提案・実装を手がけている。

また、フード・アグリテック事業にて、日本の食文化を守り継承する植物工場社会実装に取り組み、オープンイノベーション拠点である「Food Agri Tech Incubation Base」を設立し、再現性の高い農業を実現する環境制御型農業のサービス開発を推進している。

今後、世界人口が増加し十分な量の食料調達が困難になっていくことが想定される中で、食料生産に必要な水や土地などの資源不足、農業就業人口の減少と高齢化といった問題が顕在化するほか、地球温暖化による異常気象や自然災害も重なり、生産基盤の維持が難しくなっていくと考えられている。

こうした課題を解決するため、持続可能な農業の実現に向け、先端技術を用いて食と農の記憶を未来へつなげていきたいというマクニカと、日本の農業を強くしていきたいというタカミヤが協業を開始した。

具体的には、TAKAMIYA AGRIBUSINESS PARKに次世代植物工場コンテナを導入し、タカミヤが運営と情報発信を行っていく。マクニカは、CPS(サイバーフィジカルシステム)を活用した環境制御型農業の技術開発・実装に協力し、TAKAMIYA AGRIBUSINESS PARKに参画するパートナー企業と共に、アグリプラットフォームの構築を推進する。


タカミヤアグリ事業部長 岡本裕之氏のコメント
今回のマクニカ様との協業は、「日本の農業を強くしたい」「日本品質の農業を世界へ」を標榜する当社のアグリ事業の想いを大きく加速させるものであり、TAKAMIYA AGRIBUSINESS PARKを、両社のリソースを化学反応させるラボとしての位置づけとし、世界の農業に「驚きと感動」を継続的に届けていきたいと考えています。 我々2社が世界の農業の中心に存在し、色んな人や企業が参加できるようなプラットフォームになっていけるよう進めてまいります。
マクニカテクスターカンパニープレジデント 千賀航二氏のコメント
今回のタカミヤ様との共創により、未来の子どもたちが安心して暮らせる持続性のある社会の実現に向け、マクニカの最先端テクノロジーを活用したサービス・ソリューションの社会実装を大きく進める事ができると期待しています。 また、両社のグローバルフットプリントを活用した海外展開を積極的に進め、日本の農産物およびアグリテックソリューションをパッケージとして、旺盛な海外需要を取り込んでいきたいと考えています。

タカミヤとマクニカは、それぞれのエコシステムを連携・連動させ、互いに発展し合うことで「かっこいい、感動、稼げる」農業のイメージを定着させ、農業課題の根本的な課題解決を目指すとしている。


株式会社マクニカ
http://www.macnica.co.jp
株式会社タカミヤ
https://corp.takamiya.co/ 
SHARE

最新の記事をFacebook・メールで
簡単に読むことが出来ます。

RANKING

WRITER LIST

  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
パックごはん定期便