消化に優しく低カロリー!今注目したい「お粥」習慣、作り方も

管理栄養士の大槻万須美です。

お粥は離乳食や介護食、病気のときの食事だと思っていませんか? お粥は種類もさまざまで、利点もたくさんあります。特別な時だけでなく普段から手軽にお粥を楽しんでみませんか。


お粥のメリット


お粥は胃腸の負担が少なく、消化によい食事として、消化機能が未発達な乳児の離乳食や、噛む力の弱まっている高齢者などの介護食、病気のときの食事、といったイメージがありますが、健康に対する意識の高い人にも注目されています。

100gあたりのお粥(全粥)とごはんを比較してみると、ごはん156kcalに対してお粥は65kcal。お粥のエネルギーはごはんの半分ほどになる割には満足感も高く、ダイエット食としても人気を集めています。

内臓に負担をかけずにエネルギーを摂取でき、無理なく内臓を温めて全身の血行もよくする効果が期待できるだけでなく、具材を加えたり、最後にトッピングをしたり、だしを変えたり、味付けをしたりと、バリエーションも豊富で、栄養バランスも取りやすいという利点もあります。

水分量を増やせばさらさらっと食べられ、食欲のわかない朝や、夜遅くになってしまった夕食時にもおすすめです。消化が良く、効率よく栄養補給ができるため、疲労回復にも役立ち、朝の食欲に響くことが少ないといえます。

冷凍保存もできるので、一食ずつに小分けしておき、野菜などを加えて電子レンジで温めればOKなのもうれしいですね。

お粥の種類(全粥・五分粥・七分粥・三分粥など)


ひとくちにお粥といっても、作り方や水分量によってさまざまな種類があります。

お粥はお米から炊く「炊き粥」と、お鍋などでごはんからお粥にする「入れ粥」の2通りの作り方があり、炊き粥はお米の風味を味わえ、入れ粥は短時間で調理ができる特徴があります。

また、水分量によっても特徴や呼び名に違いがあります。

○分粥」は全粥を基準とした米と水の割合を表していて、数字が小さくなるほど水分量が多くなり、「○倍粥」は米に対する水の割合を表しており、数字が大きくなると水分量が多くなります。


お粥の種類と特徴や水分量の違い


お粥の作り方(鍋)



炊き粥の作り方


1.米を洗い、分量の水と一緒に厚手の鍋に入れて浸水させる(夏は30分、冬は1時間)。

2.鍋を強火にかけ、沸騰したら火を弱め、ふたを少しずらしてふきこぼれないように注意しながら30分~40分ほど炊いて火を止める。ふたを閉め、10分ほど蒸らす。


入れ粥の作り方


1.ごはんを厚手の鍋に入れて水を注ぎ、ごはんをほぐす。

2.ふたをして火にかけ、沸騰したら、ふたをずらして弱火にし、様子を見ながら20~30分ほど煮て、10分ほど蒸らす。必要に応じて水分量を調節する。


お粥は「炊飯器」でも炊ける! ポイントや注意点


炊き粥はお鍋でも作れますが、炊飯器の「お粥モード」を使うと簡単に炊くことができます。

炊飯器でお粥を炊くときにはいくつかポイントや注意点があります。

お粥モードを使うと安心


お粥は、「お粥モード」がある機種が安心です。内釜に「おかゆ」の水位目盛りがあり、多くの場合は全粥の水分量に設定されています。

米の量は規定量より多くしない


炊飯器の機種にもよりますが、5.5合炊きの場合0.5合から1.5合分の米でお粥を炊くことができます。

一度にたくさんのお粥を炊きたいからと、規定量よりも多い分量で炊いたり、お粥モード以外のコースで炊いたりすると、多量に吹きこぼれ、危険なので注意しましょう。

水分量の多いお粥を作るときはお米の量を少なめに


水分量を全粥よりも多くしたいときは、米の量は0.5合までにして水分を計量しましょう。0.5合のお米で、お粥の1合の水位線に合わせると5分粥になります。

全粥よりも水分量が多いお粥は、炊き立て時の重湯(ごはんが溶けた汁)はさらっとしていますが、炊き上がり後に底からよくかき混ぜ、ふたを閉めて数分間余熱で蒸らしておくと、重湯のとろみが増します(重湯はごはんに吸収されて水分が残らないこともあります)。

お粥を炊いたあとは保温せずに内釜や部品などをすぐに洗う


お粥の粘り気のある汚れがついたまま放置すると、においが発生したり、腐敗や錆、べたつきなどの原因になったりすることも。

お粥は炊き上がって粗熱がとれたら冷蔵か冷凍保存しておくとともに、炊飯器は内釜だけではなく、蒸気の吹き出し口などをふき取ったり、取り外し可能な部品を洗ったりして、衛生面に気をつけましょう。

お粥に適したお米の銘柄


お粥は使用したお米の性質によって仕上がりに違いが生まれます。好みの食感に合わせてお米を選んだり食べ比べてみたりしてもいいですね。

  • お粥をさらっとさせたいとき
粘り気が少なくアミロース含有率の高いお米(ササニシキ、ななつぼしなど)

  • お粥をもちもちにしたいとき
米の粘り気が高くアミロース含有率の低い銘柄(ゆめぴりか、ミルキークイーンなど)

  • お粥の甘みを強くしたいとき
甘みの強いお米(ひとめぼれ、はえぬき、コシヒカリなど)



お粥は水分量が多くなることで分量が増えるため、同重量のごはんに比べてカロリーを減らすことができるとともに、消化にもよく、ダイエットや胃腸が疲れているときにも大活躍します。

お米の使用量を減らすことができるので、お米の在庫があまりないときや、ごはんが足りないときにも便利ですね。

白米粥だけでなく、玄米粥やオートミール粥、番茶で炊く茶粥なども試してみてはいかがでしょうか。


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参照・日本食品標準成分表2020年版(八訂):文部科学省https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html・おかゆの作り方について知りたいです。:日立の家電品https://kadenfan.hitachi.co.jp/support/kitchen/q_a/help10.html・牛久市公式ホームページ「おかゆの作り方」(pdf)https://www.city.ushiku.lg.jp/data/doc/1592453942_doc_51_0.pdf

大槻万須美
管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、離乳食講座などの料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。


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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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