農水省と関係6府省、バイオマス産業都市の実現を目指したプロジェクトを募集

農林水産省は、木質や食品廃棄物、下水汚泥、家畜排せつ物等の資源を有効活用するバイオマス産業都市構想の実現を目指したプロジェクトの募集を2020年7月27日(月)より開始した。バイオマスを活用した地域づくりを目指す地方自治体および企業・団体が対象。募集期間は2020年9月18日(金)までとしている。

今回の募集は、同省が2012年9月に内閣府、総務省、文部科学省、経済産業省、国土交通省、環境省ら関係6府省と共同で取りまとめたバイオマス事業化戦略の一環によるもの。バイオマス産業都市の実現に向けたアイデアを広く募集することで地域の雇用創出や活性化につなげたい考えだ。


バイオマス事業化戦略は、バイオマス資源を活用した新事業の創出を支援する指針。この指針には、日本の農村部や都市部に豊富に存在するとされるバイオマス資源を有効活用した循環型社会の実現に向けた戦略が示されている。

バイオマス事業化戦略の基本方針
  1. 技術とバイオマスの選択と集中による事業化の重点的な推進
  2. 原料の生産から収集・運搬、製造・利用までのシステムを一貫して構築
  3. 地域産業の創出と自立・分散型エネルギー供給体制の強化
  4. 事業者等の参入を促す安定した政策の枠組みの提供

先導性・実現可能性・波及効果・実施体制等を基準に実施地域を選定


バイオマス産業都市構想は、再生可能エネルギーであるバイオマスを活用した地域づくりを目指す都市構想だ。

現在、全国90の市町村がバイオマス産業都市として認定されており、2019年の募集では北海道八雲町、岩手県軽米町、栃木県さくら市、長野県中野市、福岡県朝倉市、佐賀県玄海町、大分県竹田市の提案が採用された。

出典:農林水産省
審査方法は、バイオマスに関する技術や取り組みの先導性、実現可能性、地域への波及効果、実施体制等を評価基準に、有識者らで構成された選定委員会が審査・ヒアリング等を実施して同省および関係6府省に推薦する流れだという。

選定された地域は、同省らが組織するバイオマス産業都市関係府省連絡会議を通じて、各府省が推進する施策や制度、規制等の相談・助言等が受けられるそうだ。

応募方法については、バイオマス産業都市構想の提案書および参考資料を各地域の農政局等に郵便にて提出とのこと。

募集要項


2020年度バイオマス産業都市募集
募集期間:2020年7月27日(月)~2020年9月18日(金)
募集対象:バイオマス活用した地域づくりを目指す地方自治体および企業・団体
問い合せ先:各地域の農政局等

今後のスケジュール
選定委員会が審査・評価を行い選定推薦案を作成(2020年11月中)
推薦案を基に同省および関係6府省が共同で地域を選定(2020年11月中)


農林水産省2020年度バイオマス産業都市募集要領
https://www.maff.go.jp/j/press/shokusan/bio_s/attach/pdf/200727-1.pdf
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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