植物工場システム「agri-cube ID」を利用した野菜の生産がスタート

建築事業を手がける大和ハウス工業株式会社と建材の開発・製造等を手がける三協立山株式会社は、共同で開発した植物工場システム「agri-cube ID(アグリキューブ・アイディー)」を鹿児島県鹿児島市にある株式会社Misumiの施設に導入した。

出典:https://www.st-grp.co.jp/news/2021news/st20211108.html
Misumiは、鹿児島県鹿児島市の総合商社。石油卸やガス卸などエネルギー事業を中心に、自動車販売や住宅販売等も手がける。

建設・栽培・運営をワンストップで提供


「agri-cube ID」は、植物工場の建設・栽培・運営サポートをワンストップで提供する植物工場システム。
植物工場を使用した野菜の栽培実証・事業を検討する企業・団体を対象に、将来の事業規模拡大に向けたトータルプランニングを提供している。

特長は以下の通り。

  1. 業務用フリルレタス(1株200g)を最短35日間で栽培できる。
  2. 農作物の成長に必要な風・光を均一に当てられる独自開発の送風システムとLED照明を採用。
  3. 農作物の収量アップ・回転率向上・ロス削減に向けた自社開発の養液管理システムを導入。
  4. 知識や技術の提供など実際の運営経験に基づいた運営サポート。
  5. 工場管理者を対象にした事前指導や現場教育、定期研修(3カ月・6カ月・1年・2年)を実施。

既存施設を利用してコストを大幅削減


今回、「agri-cube ID」が導入された施設は、Misumiがミネラルウォーター事業で使用していた工場をリノベーションしたもので、野菜の生産・販売をMisumiが、野菜の栽培サポートを三協立山が、野菜の販路サポートを大和ハウス工業が担当する。

三協立山と大和ハウス工業は、今後も両社が保有する経営資源を活用して「agri-cube ID」を使用した植物工場の新設・リノベーションを推進していく考えだ。

Misumi植物工場の概要


建設場所:鹿児島県姶良市蒲生町白男1406
延床面積:1282平方メートル
操業開始:2021年11月10日
投資金額:5.1億円
雇用人数:15名(予定)
栽培品目:葉菜類(グリーンリーフ・フリルレタスなど)
栽培規模:1日3200株(フリルレタス1株200g換算で640kg)
売上目標:1億8000万円(年間)


三協立山株式会社
https://www.st-grp.co.jp/
大和ハウス工業株式会社
https://www.daiwahouse.co.jp/
株式会社Misumi
https://kk-misumi.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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