イノフィス、マッスルスーツ「Every」のイチゴ農園での実証結果を公表

東京理科大学発のベンチャー企業で「マッスルスーツEvery」の開発・製造を手がける株式会社イノフィスは、スマート農業実証プロジェクト「新しい時代を切り開く直売型スマートイチゴ生産・経営モデル実証コンソーシアム」で実施した「マッスルスーツ導入による時間削減効果・労働費削減効果」の結果を公表をした。


「新しい時代を切り開く直売型スマートイチゴ生産・経営モデル実証コンソーシアム」は、中山間地域にある直売型イチゴ園の高収益化を目的に、データ駆動型農業の実現に必要な機器を導入して、生産から販売までの流れを一貫で管理するプロジェクトである。

出典:https://www.maff.go.jp/kanto/seisan/kankyo/smart/attach/pdf/project2020-2-1.pdf

圧縮空気を利用した人工筋肉型のアシストスーツ


「マッスルスーツEvery」は、圧縮空気を利用した人工筋肉型のアシストスーツ
電力を一切使用しないのが特長で、「中腰姿勢を保った状態で物を持ち上げる動作」に特化した補助機能を持つ。
スーツ本体の重量は3.8kgで最大25.5kgf(重量キログラム)の補助力が得られる。
「マッスルスーツEvery」 販売価格は13万6000円(税抜)

慣行栽培区との比較を実施


今回の実証実験では、32アールの圃場を対象に5台の「マッスルスーツEvery」を導入して慣行栽培区との比較を実施。その結果、腰への負担を感じた時に行う腰伸ばし動作の回数が大幅に減るなど、年間130時間の労働時間削減効果と年間13万円の労働費削減効果(10アール当たり)が確認できたという。

※10アール当たり21.8万円(1.6台分)の導入費用が必要だが同社の試算では2年で回収が可能とのこと。
定植作業や収穫作業など腰への負担を感じた時に行う腰伸ばし動作の様子。
「マッスルスーツEvery」を着用して行った収穫作業の様子
同社は、「マッスルスーツEvery」の提供を通じ、農業生産者の身体的負担を軽減することで、「イチゴ栽培の課題である定植作業や収穫作業の省力化に貢献したい」としている。


「新しい時代を切り開く直売型スマートイチゴ生産・経営モデル実証コンソーシアム」
https://www.maff.go.jp/kanto/seisan/kankyo/smart/project2020-2.html
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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