いま注目の新品種のお米とは?お米好きなら一度は食べたい品種を紹介!!【ライター柏木の「お米沼にようこそ」第8回】

お米ライターの柏木智帆です。

仕事柄、年間400種類以上のお米を食べていますが、「どの品種が好きか」「どの品種がおいしいか」という質問にはいつも答えることができません。同じ品種であっても栽培環境によって味わいは異なるからです。

そこで、今回は「おいしい品種」「好きな品種」ではなく、「注目されている品種」「注目している新品種」をご紹介します。もちろん、その品種たちの中には個人的においしいと感じるお米や好みのお米もあります。ぜひお試しください!

宇都宮大学で生まれた「ゆうだい21」


ゆうだい21
近年のお米のコンクールで多数の賞を獲得して注目されているのは、栃木県の宇都宮大学で生まれた「ゆうだい21」。前田忠信・宇都宮大学名誉教授が20年かけて品種として育てあげ、2010年に品種登録されました。

それから15年後の2025年2月に宇都宮大学で開かれた「ゆうだい21サミット2024食味コンクール」では、1都1府30県から計215点の「ゆうだい21」が出品されるなど、多くの地域で栽培されていることがわかります。

しかしながら、あまり店頭で見かけることがなく、「食べたことがない」という人は多いのではないでしょうか。宇都宮市民でも「知らない」という人もいます。

「ゆうだい21」は、コシヒカリよりも粘りが強いのが特徴ですが、とは言え、低アミロース(半もち)品種のようなもち米っぽさがあるわけでもなく、低アミロース並みに水を減らして炊いてしまうと、お米の持ち味を出すことができないと感じます。

中でも最も特徴的だと感じるのは、「おねば」が厚いこと。おねばとは、炊飯時に米粒の表面から出てくるでんぷんの溶解物が濃縮して膜状にごはん粒を覆ったものです。このおねばによってごはんのツヤは生まれています。

そのため、「ゆうだい21」は、ごはん粒の表面がみずみずしく輝き、口の中でも濃厚なおねばを感じることができます(※栽培環境によって味わいは異なります)。個人的には、こうした特徴を踏まえた上で、粒感や弾力、旨味、なめらかさのある「ゆうだい21」が好みです。

ゆうだい21
ゆうだい21
ちなみに、生米は厚みが薄いのが特徴で、稲姿は背丈が長くすらりとした印象です。

おいしさを測る数値が出やすいコンクール向きのお米


「ゆうだい21」は生まれた当初はコンクールで話題になる品種ではありませんでしたが、コンクールノミネート経験のある生産者へ種子配布されるなど、腕のある生産者やコンクールに出品している生産者が作り始めたところ、コンクール受賞の常連品種になっていきました。

日本最大のお米コンクール「米・食味分析鑑定コンクール」では、2013年に1点の「ゆうだい21」が特別優秀賞(次点)を受賞したのを皮切りに、じわじわと受賞数が増加。2022年まではノミネートする品種の多くがコシヒカリでしたが、猛暑の影響で2023年からはコシヒカリが減り、「ゆうだい21」の増加に拍車がかかりました。

2024年には全部門を合計すると「ゆうだい21」はトップ賞となる最高金賞を25点、特別優秀賞を21点受賞しました。宇都宮大学によると、低温と日照不足には弱いものの高温には比較的強い品種だそうです。

コンクールの予選審査は機械でおいしさを測る方法が採用されている場合が多く、「ゆうだい21」はおねばの厚みを測る数値である「味度値(みどち)」が出やすいと言われています。

厚みのあるおねばのおかげで冷めてもしっとり感が続くということで、おむすびに向くという声もあります。たしかにもちもちおむすびが好きな人には合いそうですが、個人的にはおむすびは粒感・粒ほどけが命だと思っていますので、「ゆうだい21」は白飯で食べたいお米だなと感じます

また、炊飯による変動が出やすいと感じることが多いので、うまく炊けない場合は炊飯水量や炊飯道具などを変えたりして試してみることをおすすめします。

すっきりとバランス感のある「歓喜の風」


歓喜の風
「ゆうだい21」に比べると注目度もコンクール登場頻度も少ないですが、コンクールでちらほらと姿を見せるようになってきたのは、農研機構九州沖縄農業研究センターで生まれた「歓喜の風」。農家が待望の品種ができたことを歓喜する姿をイメージして名付けられたそうです。

多収(収穫量が多い)で良食味(おいしい)とのことで、たしかにたくさん取れておいしければ作り手も食べ手もハッピーですよね。

「歓喜の風」は、2021年に品種登録された比較的新しい品種で、母親はこの研究センターで生まれた「ふくいずみ」、父親は福井県農業試験場で生まれた「越南208号(後の「あきさかり」)」です。

「歓喜の風」の味わいは、もちろん栽培環境によって異なりますが、傾向としては、粘りすぎず、ほろりとした粒感が特徴だと感じます。

しっかりとした弾力と程よいおねばがあり、全体的にバランスが良く、食感はすっきりとした印象。お米によっては、旨味が強く、舌触りがなめらかで、うっとりとするおいしさでした。

また、しっとりしながらも粒離れがよいので、口の中でごはん粒がほどけていくような食べ心地のおむすびにも向いていると感じます。

ただし、これは多収を目指した多肥栽培(窒素肥料をたくさん使った栽培)ではなく、おいしさを目指して窒素肥料を抑えて栽培されたお米の感想です。

個人的には「歓喜の風」を含めた多収品種で良食味を目指して栽培されたお米は、粒感が好みだと感じることが多いのですが、おそらく業務用として中食・外食向けの用途が想定されているため、粒感がはっきりとして粒離れが良いからかなと思っています。

「歓喜の風」と同様に、「はえぬき」「実りつくし」「里山のつぶ」などの多収品種は、栽培方法によっては白飯にもたまごかけごはんにもおむすびにも合うなど万能感があると感じます。


同じ品種であっても生産者や栽培方法、栽培年によって味わいは違いますし、収穫後の工程や炊飯などによっても味わいは変わります。さまざまな生産者のお米を食べたり、炊飯道具や炊飯方法を変えたりしてみると、好みのお米との出会いのチャンスが増えるはず。

好みは人それぞれですから、「おいしいお米」に出会うためには、とにかく食べて食べて食べまくることをおすすめします!

柏木智帆
米・食味鑑定士/ごはんソムリエ/お米ライター
神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。

 

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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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