大人と赤ちゃんの料理を一度に作れる「取り分け離乳食」がかんたん便利!

離乳食インストラクター協会代表理事、中田家庭保育所 施設長であり、黄金色のかつお昆布だしから作られる「和の離乳食」を推奨している中田馨さん。前回の記事では、離乳食のはじめの一歩、「お粥」について教えていただきました。

今回からは全3回にわたって、大人のごはんと赤ちゃんの離乳食を一度に作る「取り分け離乳食」を教えていただきます!「お粥」にあうレシピも紹介いただきますよ。

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赤ちゃんが生後5~6カ月ごろになるとスタートするのが「離乳食」。しかし、離乳食が進むにつれて思うのは、「メニューを考えるのが大変」「マンネリ化する」……。

大人の毎日のごはんにプラスして離乳食まで考えるのは、大変な時もあります。そして、多くの親がやってしまっているのが、「大人と赤ちゃんのごはんを別々に作っている」ということ。

私は2人の子どもを育ててきましたが、大人用の料理と離乳食をいっぺんに作る「取り分け離乳食」にすることで離乳食作りを乗り越えてきました。

「取り分け離乳食」とは、大人用の食事から同じ食材を取り分けたり、作っている途中で取り分けて作る離乳食のこと。

今回は、そんな「取り分け離乳食」について、基本的な作り方や気をつけること、メニュー決めのポイントなどを伝授します!


離乳食作りがラクに!「取り分け離乳食」の利点

  • 大人と同じ食材を使える
大人と赤ちゃんが同じ食材を使えるので食材の無駄がなく、食費が少なく済みます。

  • たくさんの食材と煮るので美味しく仕上がる
おでんやカレーなど、大鍋で作るごはんは、食材のうま味がたくさん合わさって美味しいものです。小鍋で少しだけ離乳食を作るよりも、ある程度量のある大人用の食材と一緒に煮込むことで美味しく仕上がります。

  • 大人と同じものを食べられて赤ちゃんもうれしい!
食材の大きさや味付けは違うものの、パパママと同じごはんを食べられることは赤ちゃんにとってうれしいことです。「にんじん、甘くておいしい!」と親子で楽しみながら食べることが、心にも身体にも栄養になります。

離乳食を取り分けるときの5つの約束

いいことずくめの「取り分け離乳食」ですが、作るときに気をつけたいこともあります。

1.味付け前に取り出す

大人用の料理を基本にして離乳食を作りますが、調味料での味付けは、赤ちゃん用に「風味をつける」程度のごくわずかにします。すでに味付けられたものを取り分ける場合は、離乳食後期(9~11カ月)以降にし、湯冷ましやだしで、4倍程度にうすめます。

2.赤ちゃんが食べられない食材は後入れする
大人用の料理の食材の中に、赤ちゃんがまだ食べられない食材がある場合は、離乳食用を取り分けた後に入れて調理します。

3.大人用の料理をいつもよりやわらかくなるまで加熱する
離乳食の基本は「クタクタにやわらかく煮る(ゆでる)」こと。大人用料理の鍋の中から赤ちゃんの離乳食用に取り分けする場合は、いつも以上にやわらかくなるまで加熱します。

4.包丁で切ったら再加熱する
「取り分け離乳食」では、大人用の鍋の中から食材を取り分けて、赤ちゃんが食べやすいように切ります。この時、包丁、まな板を使い、食材を素手でさわっています。菌を死滅させるために小鍋に煮汁と切った食材を入れ、再加熱するようにします。保育所の給食調理では、85度以上で90秒間加熱し続けることがお約束です。

5.作ったら大人が味見する
出来上がった離乳食は赤ちゃんに食べさせる前に大人が味見します。この時、やわらかく煮えているか、味が濃くないかを確認しましょう。昆布だしやかつお昆布だしは時間をかけて煮詰めると、昆布やかつおぶしが本来持っている塩分が煮詰まり、味が濃くなることがあります。

メニューを決めるときのポイント


取り分け離乳食を作るときは以下を意識してメニュー決めをしてみましょう。

1.大人用の料理を決める時、赤ちゃんが食べられる食材を選ぶ
いっぺんに作るには、大人も赤ちゃんも同じ食材で作れると手順がラクチンです。

2.油がひかえめなメニューを選ぶ
赤ちゃんにとって、炒め物、揚げ物はひかえたいメニューです。

3.汁物、煮物を選ぶと取り分けしやすい
煮込んで取り分け切るだけの汁ものと煮物は取り分けしやすいメニューです。

この3つは、どの時期にも共通するコツです。

加えて、赤ちゃんの月齢によって使う食材を考えてみます。例えば離乳食初期の場合、野菜は、繊維が少なく、なめらかになりやすいものを選びます。

<繊維が少なくなめらかになりやすい野菜一例>
にんじん、大根、かぶ、たまねぎ、かぼちゃ、トマト、ほうれん草の葉、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、じゃがいも、さつまいもなど

また離乳食初期で食べられるようになるタンパク質も選びましょう。

<離乳食初期で食べられるタンパク質>
豆腐、白身魚、卵黄

これらの食材を組み合わせて大人用の料理を作ることができると、とてもラクに取り分けることができます。

「取り分け離乳食」のメニュー例

「みそ汁」「白身魚のホイル焼き」「肉じゃが」の定番料理を例に、手順を紹介します。

「豆腐とにんじんのみそ汁」の場合

材料を、豆腐、にんじん、キャベツとします。

1.昆布だしでにんじん、キャベツ、豆腐を煮る
2.味噌を入れる前に取り分け、裏ごしして煮汁でなめらかにする→離乳食初期用完成
3.1の鍋に味噌を入れて、大人用を味付ける→大人用完成

「白身魚のホイル焼き」の場合

材料を、白身魚、じゃがいも、ブロッコリーとします。

1.昆布だしでじゃがいもとブロッコリーを煮る
2.ホイルに白身魚と取り分けた1、1の煮汁、バター、味噌を入れて包み、オーブンで焼く→大人用完成
3.1の鍋に白身魚を加え、さらに煮こみ、裏ごしして煮汁でなめらかにする→離乳食初期用完成

赤ちゃんが食べられない食材が入っている場合は以下のように取り分けます。

「肉じゃが」の場合

材料を、牛肉、にんじん、じゃがいも、たまねぎとします。離乳食初期は、牛肉がまだ食べられません。

1.昆布だしでにんじん、じゃがいも、たまねぎを煮る
2.1を取り分け、裏ごしして煮汁でなめらかにする→離乳食初期用完成
3.1に牛肉を入れ、しょう油、みりん、砂糖を入れて大人用に味付ける→大人用完成


鍋に食材を入れて煮込んで、赤ちゃん分を鍋から引いて赤ちゃんの食べやすい大きさに切る。鍋には、大人用の調味料を足す。そう、「取り分け離乳食」は、足し算と引き算なのです。

離乳食教室に来てくださったママさんは「こんなに簡単に美味しく作れるんだ!」と感動してくださいます。ぜひ「取り分け離乳食」にチャレンジしてみてください!

次回からは、ごはん(お粥)に合う取り分け離乳食のレシピをご紹介していきます。


「取り分け離乳食」についてもっと知りたい方はこちらをチェック!


中田馨さんの著書『いっぺんに作る赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)が全国書店で発売中です。
大人のごはんと同じ材料でいっぺんに作ることで、離乳食づくりがもっとラクになります。昆布だしと素材のシンプルな味の和の離乳食は、赤ちゃんも大人も病みつきになります。
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WRITER LIST

  1. かくやさゆり
    サンマルツァーノトマトに出会い家庭菜園を始めた半農半ライター。農業、食、アウトドアを中心にライターとして活動中。主に固定種の野菜を育てています。
  2. 川島礼二郎
    川島礼二郎(かわしまれいじろう)。1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  3. 蒼井ネコ
    農学系の兼業ライター。某大学農学部、某農業レストラン、某飲料会社商品企画を経て、現在は某マルシェアプリでwebマガジン編集として働きながら、猫様のお世話をしている。
  4. 杉山直生
    すぎやまなおき。1988年生まれ。愛知県で有機農業を本業として営む。「伝えられる農家」を目指して執筆業を勉強中。目標は、ひとりでも多くの人に「畑にあそびに行く」という選択肢を持ってもらうこと。「とるたべる」という屋号で、日々畑と奮闘中。
  5. 柴田真希
    管理栄養士。㈱エミッシュ代表取締役。Love Table Labo.代表。27年間悩み続けた便秘を3日で治した雑穀や米食の素晴らしさを広めるべく、雑穀のブランド「美穀小町」を立ち上げる。現在はお料理コーナーの番組出演をはじめ、各種出版・WEB媒体にレシピ・コラムを掲載する他、食品メー カーや飲食店のメニュー開発やプロデュースなどを手がける。『私は「炭水化物」を食べてキレイにやせました。』(世界文化社)、『はじめての酵素玄米』(キラジェンヌ)など著書多数。