離乳食にはなぜ「お米(おかゆ)」がいいの?食べないときはどうする?

こんにちは! 離乳食インストラクターの中田馨です。今回から3回にわたって、「お米と離乳食」をテーマにお話しします。

日本人の主食と言えば「お米」ですが、離乳食で最初に食べるものとしておすすめなのも「お米」で作ったおかゆです。パンや麺類などいろいろな主食がある中で、どうして離乳食にお米がおすすめなのか? お米の魅力に迫ります!

離乳食にはなぜお米がいいの?


日本人は古くからお米を食べて生活してきました。先祖が食べ続けてきたお米は、私たちの体に合っていると言われています。そのうえで、離乳食にお米(おかゆ)がおすすめな理由は5つあります。

  • 主食としてエネルギー源になる
お米にはいろいろな栄養素があります。主な成分は、炭水化物で77.1%。炭水化物は、脳や体のエネルギーになるので、日々目まぐるしく成長している赤ちゃんにとって必要な栄養素です。

他にも、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維も含まれています。

  • アレルギーを引き起こしにくい
お米はアレルギーがゼロというわけではないのですが、アレルギーを引き起こしにくい食材ですので、離乳食の最初の食材としてすすめられています。

  • 消化吸収が良い
お米は消化吸収が良いと言われています。また、ごはんはそしゃくするとはいえ、小麦などの粉から出来ているパンや麺と違い、ある程度粒のまま体の中に入ります。パンや麺に比べると、ゆっくり消化吸収されるので腹もちが良いのも特徴です。

  • 甘みがあって飲み込みやすい
お米には甘みがありますし、多めの水分で時間をかけて炊くとトロトロになり、離乳食を始めた赤ちゃんでも飲みこみやすいのが特徴です。

また、離乳食が進み、離乳食後期(9~11カ月)ごろになると、お米(おかゆ)のツブツブが大きくなります。お米の粒が大きくなると、赤ちゃんは奥の歯ぐきや奥歯で噛み始めます。お米は噛めば噛むほど甘みが出るので、さらに美味しさアップ。よく噛むことで、そしゃく力やあごも発達します。

  • 他の食材との相性が良い
大人の食事を思い出してみても感じることではないでしょうか? お米は、野菜、肉、魚、いろいろな食材との相性が良く、煮物中心の和食でも、ハンバーグなど洋食でも、酢豚など中華でも、本当にさまざまなメニューと合うので、離乳食メニューを決めるときに困りません。

離乳食にとってお米がなぜいいか? という話をしましたが、大人にとってもいいことだらけなのがわかりますね。

パンや麺類は良くないの?

パンや麺類も、食べられる時期になったら、もちろん離乳食に活用してOKです。ですが、中心の主食はお米にして、パンや麺類は「時々にして欲しい!」というのが私の思いです。

パンや麺類は人の手が加えられた加工品です。いくらシンプルに作ったとしても、食パンには塩、砂糖、バターなどが含まれ、うどんには塩が含まれます。うどんは湯がけば塩抜きできますが、パンはそうはいきません。と考えると、炊くだけでシンプルに素材のまま食べられるお米は、内臓機能が未発達な赤ちゃんにとって良い食材と言えます。

子どもがごはん(おかゆ)を食べてくれない時はどうすればいい?


「最近おかゆを食べてくれません」という相談をよく受けます。しかし、保育所での子どもたちの様子を見ていると、「ごはん(おかゆ)だけを食べる時期」「おかずだけを食べる時期」というのが、多かれ少なかれほとんどの子どもに訪れます。そのため、「発達の段階によくあることだから見守りましょう」と助言しています。

とはいえ、主食でエネルギー源になるごはん(おかゆ)を食べてくれないと、「この子、成長するかしら? 元気に活動できるかしら?」と心配になりますよね。「発達の段階によくあることだから見守りましょう」と言ったうえで、このような提案をします。

・おかゆを前段階に戻してみて
・何かと混ぜてみて
・おにぎりにしてみて
・せんべいにしてみて

実を言うと、これらを実践しても、うまくいく子もいれば、そうでない子もいます。「今、この瞬間に改善することはできないと思って、気長に取り組もう!」が基本ですよ。

今回は、離乳食にはなぜお米がいいのか、もし子どもがごはん(おかゆ)を食べてくれない時はどうすればいいのかについてお話ししました。次回は、ごはん(おかゆ)を食べてくれない時の具体的な実践例と、おかゆ嫌いを克服するためのレシピを紹介します!

■離乳食には安全なお米を。新米もいよいよ登場、安心・おいしい「スマート米」

全国各地のこだわりの農家さんと、スマート農業でお米づくりをしている「スマート米」は、先進のIT技術を利用し、農薬や肥料の使用量を最小限に抑えて育てたお米です。特別栽培米や残留農薬不検出のお米も。各地のおいしい銘柄をラインナップしています。白米と同じように手軽に炊ける無洗米玄米もあります。お求めはスマート米オンラインショップ SMART AGRI FOOD  からどうぞ。

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WRITER LIST

  1. よないつかさ
    1994年生まれ、神奈川県横浜市出身。恵泉女学園大学では主に有機栽培について学び、生活園芸士の資格を持つ。農協に窓口担当として5年勤め、夫の転勤を機に退職。アメリカで第一子を出産し、子育てをしながらフリーライターとして活動。一番好きな野菜はトマト(アイコ)。
  2. syonaitaro
    1994年生まれ、山形県出身、東京農業大学卒業。大学卒業後は関東で数年間修業。現在はUターン就農。通常の栽培よりも農薬を減らして栽培する特別栽培に取り組み、圃場の生産管理を行っている。農業の魅力を伝えるべく、兼業ライターとしても活動中。
  3. 槇 紗加
    1998年生まれ。日本女子大卒。レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原に移住し修行を始める。在学中は、食べチョクなど数社でマーケティングや営業を経験。その経験を活かして、農園のHPを作ったりオンライン販売を強化したりしています。将来は、レモンサワー農園を開きたい。
  4. 沖貴雄
    1991年広島県安芸太田町生まれ。広島県立農業技術大学校卒業後、県内外の農家にて研修を受ける。2014年に安芸太田町で就農し2018年から合同会社穴ファームOKIを経営。ほうれんそうを主軸にスイートコーン、白菜、キャベツを生産。記録を分析し効率の良い経営を模索中。食卓にわくわくを地域にウハウハを目指し明るい農園をつくりたい。
  5. 田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。