浜松生まれの6次化ブランド「うなぎいも」大躍進の秘密

いきなりですが、浜松の「うなぎいも」をご存じですか?

「えっ、浜松なら、うなぎパイでしょ」
「赤塚不二夫の漫画に出てくるウナギイヌとは違うの?」

いえいえこれは、うなぎ+さつまいも=うなぎいも。

農業を軸に、もの、人、環境をどんどん循環させて、浜松を元気にしたい。そんな野望を抱いて誕生したさつまいものブランド名です。

そこには、6次産業化が軌道に乗るまでの苦労と、成功に至った理由が見られました。

オリジナルキャラクター「うなも」。頭はさつまいも、ボディはうなぎでできている


素人のまま農業参入

うなぎいもが誕生したのは、今から8年前。浜松市で造園業を手がける有限会社コスモグリーン庭好の伊藤拓馬さん(41歳)が、遊休農地を借りて農業へ参入したのが始まりでした。

「いつかうなぎいもテーマパークを!」と野望を語る、コスモグリーン庭好の伊藤拓馬さん

なぜ、造園会社がさつまいもを作り始めたのでしょう?

「それまで農業経験はなかったんですが、浜松を元気にしたいから、とにかく自分たちでやってみよう。他の仕事もあるので、いろいろ作ってみましたが、結果的にあまり手のかからないさつまいもが合っていたんです」

造園を得意とする伊藤さんは、2010年、農地法の改正により、一般法人のままに農業事業に参入。浜松市内の沿岸部に目立っていた、草だらけの耕作放棄地や遊休農地で栽培を始めました。最初は10a足らずでしたが、「耕作放棄地解消交付金」を利用して着々と栽培面積を増やし、現在は地元の農家も巻き込んで「うなぎいも協同組合」を設立。現在は15haまで規模拡大しています。

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WRITER LIST

  1. よないつかさ
    1994年生まれ、神奈川県横浜市出身。恵泉女学園大学では主に有機栽培について学び、生活園芸士の資格を持つ。農協に窓口担当として5年勤め、夫の転勤を機に退職。アメリカで第一子を出産し、シカゴ生活を綴るブログを運営。一番好きな野菜はトマト(アイコ)。
  2. syonaitaro
    1994年生まれ、山形県出身、東京農業大学卒業。大学卒業後は関東で数年間修業。現在はUターン就農。通常の栽培よりも農薬を減らして栽培する特別栽培に取り組み、圃場の生産管理を行っている。農業の魅力を伝えるべく、兼業ライターとしても活動中。
  3. 槇 紗加
    1998年生まれ。日本女子大卒。レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原に移住し修行を始める。在学中は、食べチョクなど数社でマーケティングや営業を経験。その経験を活かして、農園のHPを作ったりオンライン販売を強化したりしています。将来は、レモンサワー農園を開きたい。
  4. 沖貴雄
    1991年広島県安芸太田町生まれ。広島県立農業技術大学校卒業後、県内外の農家にて研修を受ける。2014年に安芸太田町で就農し2018年から合同会社穴ファームOKIを経営。ほうれんそうを主軸にスイートコーン、白菜、キャベツを生産。記録を分析し効率の良い経営を模索中。食卓にわくわくを地域にウハウハを目指し明るい農園をつくりたい。
  5. 田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。