ドローンやAIを活用した米作りで栽培面積を拡大 山形県ではえぬきを育てる菅原さん【スマート米2023農家紹介】

全国各地のこだわりの農家さんと、スマート農業でお米作りをしている「スマート米」。先進のIT技術を利用し、農薬や肥料の使用量を最小限に抑えて育てたお米です。残留農薬不検出のお米も。各地のおいしい銘柄をラインナップしています。

今回は、山形県東根市(ひがしねし)の「はえぬき」の生産者で、2022年から新たに参画した菅原茂春さん(株式会社ティスコファーム)に、初めて取り組んだというスマート農業技術を活用した米作りについて聞きました。

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菅原茂春さん(株式会社ティスコファーム)

山形県産の「はえぬき」はどんなお米?


東北地方で愛されたササニシキの後継品種として、あきたこまちと庄内29号をかけ合わせて10年以上をかけ、1992年に誕生したのが「はえぬき」です。同時に開発された「どまんなか」とともに、そのほとんどが県内で作付けされ、山形県を代表する米となっています。

「山形県の方のほとんどははえぬきを食べていると思います。山を背にした東根市はきれいな川と水が豊富で、中でも山沿いの地域の米は特においしいと評価されています。食味ランキングでも15年連続(内陸の場合。山形県内全体では22年連続)で特Aを獲得した記録があるほどです」と菅原さん。

また、背が高くなりすぎず倒伏に強い、育てやすい品種としても知られています。そのため、平地から中山間地まで、山形県内のあらゆる場所で栽培されています。

米の味は品種だけでなく、土地の気候や水によっても変わると言われます。スマート米に新しい“地域の味”が追加されることは、消費者としても楽しみですね。


父から受け継いだ米作りのノウハウを覆すスマート米の栽培技術


先代の父から引き継いで、米やさくらんぼ、りんごなどの果樹を栽培している菅原さんは、近隣の離農農家からの委託圃場も引き受けながら、東根地域で20haを扱う大規模農家です。今回スマート米として作ったはえぬきでは、初めてスマート農業技術を用いた米づくりにチャレンジしました。

「私の米作りは、父から教わったやり方を続けてきたものです。近隣の農家にもドローンなどを使ったスマート農業に取り組んでいる人はほとんどいません。正直なところ、実際に取り組むまではドローンやAIなどを使ってどんなふうに米を作れるのかと、その効果には半信半疑でした」

そんな菅原さんが2022年に取り組んだのは、ドローン打込条播、AIによる圃場のセンシング、農薬散布といったドローンを主に活用した農業でした。

スマート米の栽培のためにオプティムから無償貸与されるドローンは、自動飛行&農薬散布などが可能ですが、スマートフォンでルートを指定するだけと非常に扱いやすいもの。最初の頃こそ使い方がわからずに戸惑ったそうですが、2022年に行った2度の農薬散布は問題なく実施できたそうです。

菅原さんは、「機械やドローンの知識がない生産者でも何度かの練習だけでしっかり散布できることこそ、スマート農業が本来目指すべき“誰もが簡単に実施できる農作業”ですよね」と、自身の経験も踏まえてスマート農業の効果を痛感したそうです。

また、施肥についてはAI画像解析によりあえて肥料を足す必要がないと判断でき、作業の省力化と資材コストの節約にもつながりました。最終的な収量も、夏の雨による生育不良でやや減少したものの、スマート農業技術があったからこそこれだけの減少で済んだと評価しています。

「以前は、農薬散布はJAに任せていたので、散布時期は1年前から決まっていて適期には作業できませんでした。ですが、今回はセンシングにより分析しながら、必要なタイミングで散布できたので、非常に効果も高かったですね」

2021年までは、総重量約25kgの動力噴霧機を背負って菅原さん自ら散布をしていたとのこと。それがドローンによって圃場を回る必要も、圃場自体に入る必要もなく、圧倒的に楽ができたと効果を実感しています。

「オプティムの方々はいつも親身になってくれて、ドローンも最初は設定などがわからなったのですが、密に連絡をとって対応してくださいました」

初めて気づいた、消費者が求める安心安全のかたち


菅原さんはこれまで、指定された農薬を指定回数だけ使用する「特別栽培米」として米づくりをしてきました。そのこと自体にはなんの落ち度もありません。

しかし、オプティムがスマート米で取り組んでいるのは、使った回数だけではなく、実際に消費者が口にする米にどれだけの農薬が含まれているのかを実測する「残留農薬検査」です。菅原さんにとっては初めての考え方でした。同時に、その米づくりの大切さにも気づいたと言います。

「今までは特栽(特別栽培米のこと)で何の疑問もなく作ってきて、それでいいと思っていたんです。でも、それは単に何も気にしていなかっただけだったことに、今回スマート米に取り組んで気付かされました」


「今までは楽をして作り、収量が上がって高く売れさえすればいいと思っていました。スマート米では消費者に直接、私が作ったはえぬきを届けることができます。だからこそ、これまで以上に安心安全な米を作らないといけません」

現に、菅原さんは「収量が上がって高く売れさえすればいい」と考えていました。残留農薬不検出という指標は、農薬の使い方次第で十分クリアできる数値です。むしろそれもできなければ、世界の食料危機が叫ばれている中、日本の食の安心と安全は守れないと、菅原さんは考えています。

日本の食料問題や農家の大規模化にもスマート農業を


もうひとつは、年々拡大していく圃場をいかに守っていくかという視点です。すでに菅原さんの圃場も、2022年の20haから2023年は25haに拡大することがほぼ決まっています。そして、まだまだ多くの生産者が委託生産を希望しているとも言います。

「オプティムの技術は、これから私どものような規模の法人でもっと求められていくと思います。1年間で蓄積されたデータやノウハウを使って、2023年はさらに取り扱い圃場を拡大し、地域を守っていきたいと考えています」

1年目でありながら、ドローンの操縦からデータの見方まで学んできた菅原さん。米作りの作業は1年に1回だけであり、圃場や病害虫のデータなどをリアルタイムに見ることもできません。

裏を返せば、1年目のデータは必ず今後の栽培に生かせるはず。菅原さんは2023年以降もスマート米としての栽培面積をさらに拡大していきたいと考えています。理由は「(スマート農業での米作りに)取り組むからこそ価値が生まれる」ため。今年の教訓を来年に生かし、より安心・安全で地域を守れる持続可能な農業へ取り組む準備を進めています。

※ ※ ※

食の安心・安全という問題は、生産者自身がしっかり学ぶことも重要ですが、確実に安心・安全な食品を栽培・供給することで、初めて解決につながります。

オプティムの技術を用いたスマート米という米には、安心・安全なものを消費者に届けたいという、生産者ひとりひとりの思いが込められているのです。

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スマート米 山形県産 はえぬき 1.8kg (節減対象農薬40%以下)


■毎日食べるお米だからこそ、より「あんしん」にこだわりませんか


毎日食べるお米は、子どもや家族みんなにあんしんな商品を選びたいですね。

全国各地のこだわりの農家さんと、スマート農業でお米づくりをしている「スマート米」は、AI・ドローンなどを利用し、農薬の使用量を最小限に抑えたお米です。

玄米の状態で第三者機関の検査により「残留農薬不検出」と証明されたお米をお選びいただくことができます。

各地の人気銘柄から、あまり見かけない貴重な銘柄までラインナップ。お求めはスマート米オンラインショップ SMART AGRI FOOD  からどうぞ。

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WRITER LIST

  1. 槇 紗加
    1998年生まれ。日本女子大卒。レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原に移住し修行を始める。在学中は、食べチョクなど数社でマーケティングや営業を経験。その経験を活かして、農園のHPを作ったりオンライン販売を強化したりしています。将来は、レモンサワー農園を開きたい。
  2. 沖貴雄
    1991年広島県安芸太田町生まれ。広島県立農業技術大学校卒業後、県内外の農家にて研修を受ける。2014年に安芸太田町で就農し2018年から合同会社穴ファームOKIを経営。ほうれんそうを主軸にスイートコーン、白菜、キャベツを生産。記録を分析し効率の良い経営を模索中。食卓にわくわくを地域にウハウハを目指し明るい農園をつくりたい。
  3. 田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  4. 福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  5. 窪田新之助
    農業ジャーナリスト。福岡県生まれ。日本経済新聞社が主催する農業とテクノロジーをテーマにしたグローバルイベント「AG/SUM(アグサム)」プロジェクトアドバイザー、ロボットビジネスを支援するNPO法人Robizyアドバイザー。著書に『日本発「ロボットAI農業」の凄い未来』『GDP 4%の日本農業は自動車産業を超える』(いずれも講談社)など。