8〜9月のネギ栽培は何を優先する? 作型別に見る収穫・土寄せ・追肥・防除の判断
8〜9月のネギ栽培は、作型によって確認すべきポイントが変わります。夏どりでは収穫中、あるいは収穫終盤の圃場が多く、品質を保てるうちにどの圃場から収穫するかが焦点です。秋どりでは葉鞘の肥大と土寄せ、冬どりでは根付きと初期生育、春どりでは苗づくりと定植予定圃場の準備メインになります。
農林水産省の高温対策資料では、高温・少雨による生育停滞や葉先枯れ、土寄せ作業の遅れ、害虫被害などが挙げられています。大雨後には腐敗や細菌性病害にも注意が必要とされており、8月の見回りでは気温だけでなく、土の乾き方や水の残り方まで見ておきたいところです。
この記事では、根深ネギを中心に、8〜9月の圃場で何を確認し、次の作業をどう判断するかを作型別に整理していきます。

ネギは夏どり、秋どり、冬どり、春どりで、8〜9月に重視する作業が異なりますが、どの作型でも最初に確認したいのは株全体の変化です。収穫が近い圃場では出荷品質の確認につながり、生育途中の圃場では、その後の肥大や株ぞろいを見通す手がかりになります。
葉の色や伸び方、株元の傷み、食害の出方などは、肥料切れだけでなく、高温、乾燥、過湿、根傷み、病害虫など複数の要因で生じます。そのため、ひとつの症状だけで判断せず、圃場の水分、排水、土寄せ後の姿、虫や病斑の出方を合わせて確認することが大切です。
特に8月は、高温期に発生しやすい害虫の食害や、急な雨の後の株元の傷みにも注意したい時期。病害虫だけを見るのではなく、夏どりでは出荷品質、秋どりでは肥大や土寄せ、冬どりでは株ぞろいをチェックしましょう。
見回りは、以下のように「見る場所」「確認すること」「管理判断につなげる視点」を整理しておくと、圃場ごとの差を把握しやすくなります。
ネギの見回りポイント
こうして見つけた変化を作型ごとに読み替えることで、次の作業を考えやすくなります。
ここからは夏〜春どりの作型ごとに、8〜9月に確認しておきたいポイントを細かく見ていきましょう。
夏どり作型では、見回りで「どこまで太らせるか」だけでなく、「どの圃場から先に収穫するか」を確認します。
夏の高温期は、葉先の枯れや食害、軟白部の傷みが進みやすく、畑に置く期間が長くなるほど、調製作業の手間や出荷できる割合に影響する場合があります。
農研機構の夏どり用品種の説明でも、根深ネギでは高温期の収量や品質低下が課題として示されています。収穫適期に近い圃場が複数ある場合は、太り具合だけで順番を決めず、傷みの進み方、食害の広がり、作業にかかる時間、急な雨や猛暑の影響を受けやすい場所を見比べます。
収穫、運搬、調製、出荷が重なる8月は、傷みが進んだ圃場を後回しにすると、作業量だけでなく出荷計画にも響きます。収穫後に立て直すというより、品質を落とさず出せるうちに掘る判断が大切です。

秋どり作型では、8〜9月に出荷に向けて葉鞘を太らせ、軟白部をつくる時期を迎えます。ただし、高温が続くなかで追肥や土寄せを急ぐと、株に負担がかかります。農林水産省の高温対策資料でも、高温・少雨による生育停滞や葉先枯れへの言及が見られます。高温・多雨の条件では、軟腐病や白絹病、生育停滞、欠株にも注意が必要です。
土寄せの高さと回数は、品質に関わります。株元が十分に太る前に深く土を寄せると、葉の付け根に土が入り、根や新葉の動きを妨げることがあります。軟白部を早く伸ばしたい場面でも、草勢や株ぞろいを見ながら、無理のない高さで段階的に進めたいところです。
追肥も、葉色だけで決めつけないようにします。乾燥が強い圃場では肥料の吸収が進みにくく、大雨後に過湿になった圃場では根傷みや病害が出やすい傾向があります。葉鞘を太らせる作業と、株を傷めないための見極めを両立させることが大切です。
冬どり作型では、地域や定植日によって、生育の進み具合に差が出ます。定植後まもない圃場では、収穫時の太さや軟白部の長さではなく、株がそろって根付いているか、これから太るための土台ができているかを確認します。
8月の高温や乾燥は、定植後の若い株に負担をかけます。乾きやすい圃場では、根が十分に張る前に生育が止まり、株ぞろいが崩れることもあります。夕立や台風の後に水が残る場所では、過湿で根が傷み、その後の草勢が弱まることも少なくありません。
欠株や根付きの悪い株がまとまって見られる場所では、まず苗の状態、植え付け深さ、土の乾き方、排水性を確認します。定植後まもない段階であれば、補植や植え直しを検討する場合もありますが、時期が遅れるほど周囲の株との生育差が目立ってきます。実施するかどうかは、地域ごとの作業時期や、JA、普及指導機関の情報を確認したうえで判断するとよいでしょう。
8〜9月は収穫前の仕上がりを見る段階ではなく、秋以降の肥大に向けて株のそろいを整えるタイミングです。順調に根付いた場所と遅れた場所を写真やメモで残しておくと、秋からの作業配分を見通しやすくなります。
春どり作型では、地域によって、8月が育苗期、播種準備、あるいは定植予定圃場の準備を進める時期にあたります。目の前の株を収穫へ仕上げる段階ではなく、翌春の出荷へ向けた出発点をつくる月です。
育苗中の苗では、太さや葉数のそろいを見ながら、徒長、葉焼け、乾きすぎ、過湿による根の弱りがないかを確認します。苗床や育苗箱は乾きやすい一方で、水を与えすぎると根が傷むこともあります。苗の大きさだけでなく、根が健全に伸びているかも見ておきたいところです。
定植予定の圃場では、苗を植える前に排水、畝立て、残さ処理、前作の履歴を確認します。農林水産省の高温対策資料でも、大雨や多雨に伴う排水の徹底が複数の産地事例で挙げられています。定植後に水が残りやすい場所や、前作残さが多い場所は、早めに手を入れておきます。
苗はそろっているのに本圃の準備が遅れると、定植適期を逃しやすくなります。一方で、圃場が整っていても苗がそろわなければ、定植後のばらつきが出やすくなります。8〜9月の段階で、苗、圃場、人員、機械作業の予定を照らし合わせておくと安心です。

生育診断は、圃場を見て終わりではありません。見回りで気づいた草勢の弱り、葉鞘の太り具合、株元の傷み、病害虫のサインをもとに、追肥、かん水、排水、土寄せ、防除、収穫順のどれを優先するかを考えていきましょう。
葉色が薄い、新葉の伸びが鈍いといった変化があると、まず肥料切れを疑いたくなるものです。ただ、根傷みや過湿、乾燥、病害虫の影響で、肥料を十分に吸収できていない場合もあります。追肥をする前に、土の乾き方や水の残り方、根まわりの状態まで見ておきたいところです。
強く乾いている圃場では、肥料を入れる前に、まず水分を戻すことを優先します。一方、大雨後に土が湿ったまま締まっている圃場では、排水や通気を改善し、根が動きやすい状態に戻すことを考えます。この時期に多い台風や急な大雨の後は、たまった水にも注意が必要です。
埼玉県農林部の台風対策資料では、ネギについて、明渠や排水路の点検、台風通過後の速やかな排水、収穫期の圃場では軟腐病が広がる前の収穫・出荷が示されています。8〜9月の見回りでも、低い場所に水が残っていないか、株元に傷みが出ていないかを早めに見ておきたいところです。
葉鞘の太りが遅い場合でも、予定どおりに土寄せや追肥を進めてよいとは限りません。高温期は根に負担がかかりやすいため、株の姿と圃場の水分を見ながら、無理のないタイミングを選びます。
病害虫の初期サインを見つけた圃場では、発生場所と広がり方を早めにつかむことが肝要です。
まだ一部だからと後回しにすると、高温期には短期間で広がることもあります。防除に移る際は、対象病害虫、作型、収穫までの日数を見て、地域の防除情報と農薬登録内容に沿って対応しましょう。
収穫が近い夏どり圃場では、診断結果を収穫順に反映させたいところです。
葉先の傷み、食害の広がり、軟白部の緩み、株元の傷みが出始めた圃場は、数日の遅れで調製作業の手間が増えたり、出荷歩留まりが下がったりすることがあります。まだ収穫できるかどうかではなく、品質を落とさず出せるうちに掘れるかを基準に、作業順を見直しましょう。
8〜9月のネギ栽培では、暑さや病害虫への対応だけでなく、作型に合わせて次の作業を組み立てることが大切です。夏どりでは品質を落とさず収穫する順番、秋どりでは肥大と土寄せのタイミング、冬どりでは根付きや株ぞろい、春どりでは苗と圃場準備が主なチェックポイントです。
春どり、夏どり、秋どり、冬どりを並行して栽培している場合、すべての圃場を同じ基準で見ないことも重要です。収穫を急ぐ圃場、草勢の回復を見たい圃場、土寄せや追肥を慎重に行いたい圃場、苗や定植予定地を整える圃場など、圃場ごとに「いま何を確かめるための見回りなのか」を分けて考えましょう。
高温、乾燥、急な雨が重なる8〜9月は、短い期間で圃場の様子が変わることも珍しくありません。小さな変化を早めに拾い、作型に合った順番で作業を組み立てることが、品質低下や出荷の乱れを抑えるための判断材料になります。
参考資料
・農林水産省「ネギ栽培作業体系マニュアル」
・農林水産省「野菜栽培技術指針 葉茎菜類」
・農林水産省「野菜における夏季の高温対策 参考資料」
・農林水産省「農薬登録情報提供システム」
・農林水産省植物防疫所「病害虫情報 第121号|ネギハモグリバエ別系統について」
・農林水産省「総合防除(IPM)の推進について」
・農林水産省「総合防除実践マニュアル ネギ編」
・農研機構「高温期に安定生産が可能な根深ネギ『夏もえか』」
・京都府「ネギハモグリバエ防除マニュアル」
・京都府「病害虫防除に役立つ技術資料等」
・埼玉県「ネギの病害虫対策について」
・福島県「秋冬ネギの葉鞘径の肥大予測法」
・農林水産省 アグリサーチャー「秋冬ネギの葉鞘径の肥大予測法」
・埼玉県農林部「台風第6号に対する農作物等管理技術対策について」
農林水産省の高温対策資料では、高温・少雨による生育停滞や葉先枯れ、土寄せ作業の遅れ、害虫被害などが挙げられています。大雨後には腐敗や細菌性病害にも注意が必要とされており、8月の見回りでは気温だけでなく、土の乾き方や水の残り方まで見ておきたいところです。
この記事では、根深ネギを中心に、8〜9月の圃場で何を確認し、次の作業をどう判断するかを作型別に整理していきます。

作型別に見る前に確認したい、8〜9月のネギの変化
ネギは夏どり、秋どり、冬どり、春どりで、8〜9月に重視する作業が異なりますが、どの作型でも最初に確認したいのは株全体の変化です。収穫が近い圃場では出荷品質の確認につながり、生育途中の圃場では、その後の肥大や株ぞろいを見通す手がかりになります。
葉の色や伸び方、株元の傷み、食害の出方などは、肥料切れだけでなく、高温、乾燥、過湿、根傷み、病害虫など複数の要因で生じます。そのため、ひとつの症状だけで判断せず、圃場の水分、排水、土寄せ後の姿、虫や病斑の出方を合わせて確認することが大切です。
特に8月は、高温期に発生しやすい害虫の食害や、急な雨の後の株元の傷みにも注意したい時期。病害虫だけを見るのではなく、夏どりでは出荷品質、秋どりでは肥大や土寄せ、冬どりでは株ぞろいをチェックしましょう。
見回りは、以下のように「見る場所」「確認すること」「管理判断につなげる視点」を整理しておくと、圃場ごとの差を把握しやすくなります。
ネギの見回りポイント
| 見る場所 | 確認すること | 管理判断につなげる視点 |
|---|---|---|
| 葉色 | 濃淡のムラ、全体の黄化、部分的な退色 | 肥料切れだけでなく、高温による生育停滞、根傷み、過湿・乾燥の影響も考える |
| 新葉 | 伸び方、勢い、色 | 生育が続いているか、猛暑や根傷みで伸びが鈍っていないかを確認する |
| 葉先・葉身 | 枯れ、焼け、折れ、風雨による傷み | 高温・乾燥の影響か、風雨や病害虫による傷みかを見極める |
| 葉鞘 | 太り具合、そろい、曲がり、軟白部の状態 | 収穫順、土寄せのタイミング、作型ごとの生育の進み具合を判断する |
| 株元 | ぐらつき、軟化、腐敗、土の締まり | 軟腐症状、排水不良、土寄せ後の傷みがないか確認する |
| 根まわり | 根張り、白根の有無、湿りすぎ・乾きすぎ | かん水、排水、追肥を進めるか、いったん見送るかの判断材料にする |
| 食害痕・虫の有無 | 白い筋状の痕、かすり状の傷、葉の白化、微小な虫体 | ネギハモグリバエ、ネギアザミウマなどの発生状況を確認する |
| 圃場全体 | 生育のばらつき、欠株、水が残る場所 | 収穫順、補植や植え直しの要否、排水対策、作業の優先順位を考える |
こうして見つけた変化を作型ごとに読み替えることで、次の作業を考えやすくなります。
ここからは夏〜春どりの作型ごとに、8〜9月に確認しておきたいポイントを細かく見ていきましょう。
夏どり|品質が落ちる前に収穫順を見極める
夏どり作型では、見回りで「どこまで太らせるか」だけでなく、「どの圃場から先に収穫するか」を確認します。
夏の高温期は、葉先の枯れや食害、軟白部の傷みが進みやすく、畑に置く期間が長くなるほど、調製作業の手間や出荷できる割合に影響する場合があります。
農研機構の夏どり用品種の説明でも、根深ネギでは高温期の収量や品質低下が課題として示されています。収穫適期に近い圃場が複数ある場合は、太り具合だけで順番を決めず、傷みの進み方、食害の広がり、作業にかかる時間、急な雨や猛暑の影響を受けやすい場所を見比べます。
収穫、運搬、調製、出荷が重なる8月は、傷みが進んだ圃場を後回しにすると、作業量だけでなく出荷計画にも響きます。収穫後に立て直すというより、品質を落とさず出せるうちに掘る判断が大切です。

秋どり|肥大と土寄せのタイミングを見極める
秋どり作型では、8〜9月に出荷に向けて葉鞘を太らせ、軟白部をつくる時期を迎えます。ただし、高温が続くなかで追肥や土寄せを急ぐと、株に負担がかかります。農林水産省の高温対策資料でも、高温・少雨による生育停滞や葉先枯れへの言及が見られます。高温・多雨の条件では、軟腐病や白絹病、生育停滞、欠株にも注意が必要です。
土寄せの高さと回数は、品質に関わります。株元が十分に太る前に深く土を寄せると、葉の付け根に土が入り、根や新葉の動きを妨げることがあります。軟白部を早く伸ばしたい場面でも、草勢や株ぞろいを見ながら、無理のない高さで段階的に進めたいところです。
追肥も、葉色だけで決めつけないようにします。乾燥が強い圃場では肥料の吸収が進みにくく、大雨後に過湿になった圃場では根傷みや病害が出やすい傾向があります。葉鞘を太らせる作業と、株を傷めないための見極めを両立させることが大切です。
冬どり|苗が根付いているかを確認する
冬どり作型では、地域や定植日によって、生育の進み具合に差が出ます。定植後まもない圃場では、収穫時の太さや軟白部の長さではなく、株がそろって根付いているか、これから太るための土台ができているかを確認します。
8月の高温や乾燥は、定植後の若い株に負担をかけます。乾きやすい圃場では、根が十分に張る前に生育が止まり、株ぞろいが崩れることもあります。夕立や台風の後に水が残る場所では、過湿で根が傷み、その後の草勢が弱まることも少なくありません。
欠株や根付きの悪い株がまとまって見られる場所では、まず苗の状態、植え付け深さ、土の乾き方、排水性を確認します。定植後まもない段階であれば、補植や植え直しを検討する場合もありますが、時期が遅れるほど周囲の株との生育差が目立ってきます。実施するかどうかは、地域ごとの作業時期や、JA、普及指導機関の情報を確認したうえで判断するとよいでしょう。
8〜9月は収穫前の仕上がりを見る段階ではなく、秋以降の肥大に向けて株のそろいを整えるタイミングです。順調に根付いた場所と遅れた場所を写真やメモで残しておくと、秋からの作業配分を見通しやすくなります。
春どり|苗と圃場準備を点検する
春どり作型では、地域によって、8月が育苗期、播種準備、あるいは定植予定圃場の準備を進める時期にあたります。目の前の株を収穫へ仕上げる段階ではなく、翌春の出荷へ向けた出発点をつくる月です。
育苗中の苗では、太さや葉数のそろいを見ながら、徒長、葉焼け、乾きすぎ、過湿による根の弱りがないかを確認します。苗床や育苗箱は乾きやすい一方で、水を与えすぎると根が傷むこともあります。苗の大きさだけでなく、根が健全に伸びているかも見ておきたいところです。
定植予定の圃場では、苗を植える前に排水、畝立て、残さ処理、前作の履歴を確認します。農林水産省の高温対策資料でも、大雨や多雨に伴う排水の徹底が複数の産地事例で挙げられています。定植後に水が残りやすい場所や、前作残さが多い場所は、早めに手を入れておきます。
苗はそろっているのに本圃の準備が遅れると、定植適期を逃しやすくなります。一方で、圃場が整っていても苗がそろわなければ、定植後のばらつきが出やすくなります。8〜9月の段階で、苗、圃場、人員、機械作業の予定を照らし合わせておくと安心です。

チェック結果を次の作業につなげる
生育診断は、圃場を見て終わりではありません。見回りで気づいた草勢の弱り、葉鞘の太り具合、株元の傷み、病害虫のサインをもとに、追肥、かん水、排水、土寄せ、防除、収穫順のどれを優先するかを考えていきましょう。
「追肥・水管理」の判断基準
葉色が薄い、新葉の伸びが鈍いといった変化があると、まず肥料切れを疑いたくなるものです。ただ、根傷みや過湿、乾燥、病害虫の影響で、肥料を十分に吸収できていない場合もあります。追肥をする前に、土の乾き方や水の残り方、根まわりの状態まで見ておきたいところです。
強く乾いている圃場では、肥料を入れる前に、まず水分を戻すことを優先します。一方、大雨後に土が湿ったまま締まっている圃場では、排水や通気を改善し、根が動きやすい状態に戻すことを考えます。この時期に多い台風や急な大雨の後は、たまった水にも注意が必要です。
埼玉県農林部の台風対策資料では、ネギについて、明渠や排水路の点検、台風通過後の速やかな排水、収穫期の圃場では軟腐病が広がる前の収穫・出荷が示されています。8〜9月の見回りでも、低い場所に水が残っていないか、株元に傷みが出ていないかを早めに見ておきたいところです。
葉鞘の太りが遅い場合でも、予定どおりに土寄せや追肥を進めてよいとは限りません。高温期は根に負担がかかりやすいため、株の姿と圃場の水分を見ながら、無理のないタイミングを選びます。
「防除」の判断基準
病害虫の初期サインを見つけた圃場では、発生場所と広がり方を早めにつかむことが肝要です。
まだ一部だからと後回しにすると、高温期には短期間で広がることもあります。防除に移る際は、対象病害虫、作型、収穫までの日数を見て、地域の防除情報と農薬登録内容に沿って対応しましょう。
「収穫順」の判断基準
収穫が近い夏どり圃場では、診断結果を収穫順に反映させたいところです。
葉先の傷み、食害の広がり、軟白部の緩み、株元の傷みが出始めた圃場は、数日の遅れで調製作業の手間が増えたり、出荷歩留まりが下がったりすることがあります。まだ収穫できるかどうかではなく、品質を落とさず出せるうちに掘れるかを基準に、作業順を見直しましょう。
作型に合わせて、8〜9月の見回りを次の作業につなげよう
8〜9月のネギ栽培では、暑さや病害虫への対応だけでなく、作型に合わせて次の作業を組み立てることが大切です。夏どりでは品質を落とさず収穫する順番、秋どりでは肥大と土寄せのタイミング、冬どりでは根付きや株ぞろい、春どりでは苗と圃場準備が主なチェックポイントです。
春どり、夏どり、秋どり、冬どりを並行して栽培している場合、すべての圃場を同じ基準で見ないことも重要です。収穫を急ぐ圃場、草勢の回復を見たい圃場、土寄せや追肥を慎重に行いたい圃場、苗や定植予定地を整える圃場など、圃場ごとに「いま何を確かめるための見回りなのか」を分けて考えましょう。
高温、乾燥、急な雨が重なる8〜9月は、短い期間で圃場の様子が変わることも珍しくありません。小さな変化を早めに拾い、作型に合った順番で作業を組み立てることが、品質低下や出荷の乱れを抑えるための判断材料になります。
参考資料
・農林水産省「ネギ栽培作業体系マニュアル」
・農林水産省「野菜栽培技術指針 葉茎菜類」
・農林水産省「野菜における夏季の高温対策 参考資料」
・農林水産省「農薬登録情報提供システム」
・農林水産省植物防疫所「病害虫情報 第121号|ネギハモグリバエ別系統について」
・農林水産省「総合防除(IPM)の推進について」
・農林水産省「総合防除実践マニュアル ネギ編」
・農研機構「高温期に安定生産が可能な根深ネギ『夏もえか』」
・京都府「ネギハモグリバエ防除マニュアル」
・京都府「病害虫防除に役立つ技術資料等」
・埼玉県「ネギの病害虫対策について」
・福島県「秋冬ネギの葉鞘径の肥大予測法」
・農林水産省 アグリサーチャー「秋冬ネギの葉鞘径の肥大予測法」
・埼玉県農林部「台風第6号に対する農作物等管理技術対策について」
ネギ管理の適期を逃さないために、作業委託も選択肢に
夏のネギ栽培は、土寄せや防除、収穫準備が重なりやすい時期。
猛暑や急な雨で適期作業を逃さないために、
作業の一部を外部委託する方法もあります。
短時間で効率的に防除できる
ドローン散布の委託は14日前から依頼可能です
▶ 「アグリポン」でネギのドローン防除委託について確認してみる相談・問い合わせ(フォーム) 猛暑や急な雨で適期作業を逃さないために、
作業の一部を外部委託する方法もあります。
短時間で効率的に防除できる
ドローン散布の委託は14日前から依頼可能です
※対応エリア・料金・作業条件は、地域や圃場状況等により異なる場合があります。
【特集】野菜栽培のノウハウ集
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- 【令和8年版】 ネギ農業を取り巻く環境(前編)|周年出荷から新品種まで、知っておきたい栽培と経営のこと
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