いつものお米より“もっちり食感”の「低アミロース米」とは?

料理研究家でごはんソムリエの秋元です。この連載ではお米をおいしく食べるために“知っておくと役に立つお話”やレシピをお伝えします。

日本では近年、新しい特徴をもつお米を作る研究が国や自治体によって行われ、さまざまな用途に合うお米が誕生してきました。

その中でも一際存在感を放っているのが、「低アミロース米」。今やコンクールでも受賞の常連になっていますが、低アミロース米は「こしひかり」「あきたこまち」といった銘柄名ではないため、選んで購入するのは難しいかもしれません。

そこで、今月はこのお米について、他のお米との違いや特徴、代表的な銘柄、中食から加工品までさまざまな使われ方についてご紹介したいと思います。


低アミロース米と従来のお米(うるち米)の違いは?


わかりやすくお伝えするならば、「低アミロース米」とは従来のお米ともち米の間のような味わいのお米です。

お米の主成分であるでんぷんは、アミロースとアミロペクチンと呼ばれる2つの成分があります。日本で食べられている従来のお米は、アミロースが20%前後で残りがアミロペクチンですが、モチモチ代表のもち米にはアミロースがほとんど含まれず、ほぼアミロペクチンで構成されています。

このアミロペクチンがモチモチとした食感や甘みと関係しているため、アミロペクチンとアミロースの構成割合はお米の特徴と大きく関わっています。

「低アミロース米」のアミロース含量は6〜12%程。日本ではモチっとした食感のお米が好まれる傾向にあるため、低アミロース米の銘柄も年々増えてきているのです。

低アミロース米の良いところ


  • モチモチとしてソフトな食感
  • 口にして早い段階で甘味が感じられる
  • 冷めた時や、冷凍して解凍した時に硬くなりにくい

こういった特徴から、お弁当やおにぎりに向いている他、新米と入れ替わるこれからの季節には、古くなってしまったお米に2割ほど低アミロース米を混ぜて炊くと、古米を美味しくいただくことができます。

もち米で作るおこわを低アミロース米で作ると、もち米よりあっさりモチモチに炊き上がるので、こちらもおすすめですよ。


代表的な銘柄


市販されている代表的な銘柄をご紹介します。

・ミルキークイーン
・ミルキープリンセス
・ゆめぴりか
・おぼろづき
・淡雪こまち
・たきたて
・スノーパール
・ゆめごこち
・だて正夢
・ぴかまる
・金のいぶき

評価(コンクール受賞)や炊飯方法については過去の記事も参考にしてください。

いま人気のお米「低アミロース米」って知ってる? お米の最新トレンドを紹介
もちもちでやわらかいお米の代表選手「ミルキークイーン」とは【お米の銘柄紹介】

どんな風に使われてる?


お米としては、お米屋さんや外食用のブレンド米として広く利用されている他、炊飯後に冷めても硬くなりにくいため、冷凍おにぎり、低温で流通するチルドのごはんやお寿司など、中食用の加工米飯としても利用されています。

また、加熱するとふくらむ性質があるため、サクサクとした軽い食感のお煎餅にも使われています。低アミロース米から作られた米菓は、もち米から作られるおかきと通常のお米(うるち米)から作られる煎餅の間の食感ともいえます。

これだけ多くの商品に利用されている「低アミロース米」、すでにどこかで口にしているかもしれませんが、ぜひお米としても味わって欲しいと思います。


■もち米のような“もっちり感”を楽しめる! スマート米の「ミルキークイーン」


「ミルキークイーン」は、特定の地域だけでなく、全国的に広く作られています。比較的手に入れやすいからこそ、産地や栽培方法で選んでみてはいかがでしょうか。

●農薬を最小限に抑えたスマート米「新潟県産 新発田 ミルキークイーン」

全国各地のこだわりの農家さんと、スマート農業でお米づくりをしている「スマート米」は、先進のIT技術を利用し、農薬の使用量を最小限に抑えたお米。家族で食べるお米はあんしんで安全な商品を選びたいという方におすすめです。

ミルキークイーンの独特の“もっちり感”と凝縮された旨味をお楽しみください。

お求めはスマート米オンラインショップ SMART AGRI FOOD  からどうぞ。

【コラム】好みのお米を見つけよう!コメ銘柄事典
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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