2020年の振り返りと2021年にやりたいこと【藤本一志の就農コラム 第16回】

こんにちは。岡山県真庭市の兼業農家、藤本一志です。


2020年ももうすぐ終わろうとしています(この記事は12月14日に書いています)。

いつもなら年末年始を家族や友人と楽しく過ごしていますが、今年は新型コロナウイルスの影響で特に予定もありません。静かな年越しとなりそうです。

しかし、2020年は私なりに変化の大きかった年。静かに、じっくりと振り返るにはかえってよいのかもしれません。

さて、今回の記事では2020年の振り返りと、2021年にチャレンジしたいことを、自分に言い聞かせるつもりで記したいと思います。


理想の生き方をスタートさせた2020年

2020年、年が明けるとともに、前に勤めていた会社に「辞めます」と宣言。

2月28日に退職し、1カ月のフリーター。このフリーターの期間に、ライターとしてのキャリアをスタートさせました。

そして、4月から岡山県真庭市に移住。農業・ライター・移住支援という3つの仕事に取り組む日々が始まりました。さらに、農地は岡山市、普段の仕事は真庭市という二拠点居住も同時にスタート。

変化の大きい春でした。

4月から働いている真庭市交流定住センターにて撮影。頭に被っているのは真庭市キャラクター「まにぞう」
5月からは本格的に米作りが始まります。

「1年を通してどんな作業があるか覚える」ということを念頭に、土日を中心に岡山市に行き、農業に取り組みました。

今までは田植えや出荷など、人数が必要な時だけ手伝うという形でしたが、今年はほぼすべての農作業を経験しました。

塩水選・耕耘・水管理・農薬散布・稲刈り。これらの作業を初めて経験し、さらにトラクターとコンバインの運転を祖父から教わりました。年を重ねるごとに農作業や機械の運転を覚えていましたが、特に今年は多くのことを習得しました。

肝心のお米の方は、梅雨の長雨・高温障害・害虫の発生によって収量・食味が少し例年より悪い結果でした。しかし、田んぼに関わった時間が多いためか、いつもより美味しく感じられました。

学生時代より理想としていた“二拠点暮らし×副業”という生き方をスタートさせた2020年。あっという間に感じてしまいますが、中身は非常に濃い1年でした。


農業に取り組む中で見えた課題とやりたいこと

初めて1年通して米作りに取り組んで、私なりに感じた課題については、ここにも記載させていただきました。

いくつかありますが、大きなものだと次の3つでしょう。

  • 水管理を遠隔でもできるようにして、作業に割く時間を減らす
  • 販売体制を整える
  • 積極的な情報発信

一方で、やりたいことはここで書かせていただいたものに加えて、他にもいくつかあります。


農薬や肥料のことはいずれ取り組みたいと思っています。

農薬を使用することへの抵抗はありませんが、食べてくれる人のこと、そして地球環境のことを考えると、少ない方が良いと考えています。

それに最近、農薬・化学肥料不使用、または減農薬栽培という言葉をよく耳にするようになりました。

冬になって農作業がなくなった代わりに、たくさんの情報に触れるように心がけています。その中で気になったのが、生産者はもちろん、6次化に取り組んでいる企業・団体も、農薬や化学肥料を使わずに育てられた作物を使っているところが多いということです。

農薬・化学肥料不使用、または減農薬栽培は、今後販路を開拓していくうえで間違いなく武器になるのだと思います。

しかし、すぐにできるわけではありません。

それに、祖父が現役のうちは、祖父のやり方を否定せずに、私にできることをやっていこうと思います。

3つ目に書いた「米の裏作に麦を栽培したい」については、ここで書くと長くなってしまうので、また今度とさせていただきます。

ざっと整理しましたが、農業に関する課題・やりたいことはこれくらいです。2021年は、この中の1つでいいから、確実にやり遂げたいと思います。

コンバインの運転は今年習得した技術の1つ。機械の運転は楽しい。

2021年は情報発信・販売体制の整備に力を入れる

では、2021年何をするか。

私は、情報発信と販売体制の整備に力を入れたいと思います。

余裕があれば他にも取り組もうと思いますが、まずは何か1つに絞ってやるほうが、気が散らずに集中できます。そして、精度も高くなると思います。

また、移住支援の仕事ではホームページやSNSを用いた情報発信を担当していることも理由の1つです。仕事の中で気づいたことは、「情報が世間に出ているか出ていないか」ということは、大きな差があるということ。

例えば、お店の営業日を例にとってみましょう。

雰囲気や料理がとても魅力的でも、営業日や営業時間がわからないお店があったらどうでしょうか?

行ってみたいと思う反面、もし閉まっていたらどうしようと、不安に感じると思います。その結果、無難に他のお店を選ぶでしょう。そして、そのお店には機会損失が生じます。

農業も一緒。

販売サイトを作って「私のお米、販売しています。こちらから購入できます。」と案内しておけば、1人でも多くの顔の見える人に届けることができます。さらに、普段から農作業の様子や取り組みなどを発信しておくことで、ファンの獲得にもつながります。

そして何よりも、私の考えや思いをもっと発信したい。

今の20代が何を考えて何に取り組んでいるのか。社会や農業をもっと良くするためにどうしているのか。地方でどんな生き方ができるのか。

耕地面積わずか3haという小さな農家ですが、それでも思いを持ってやっている。兼業農家という生き方もおもしろい。

こう感じてもらえたら幸いです。

だから、まずはSNSでこまめに発信していきたいと思います。

そして、販売体制の整備については、他の農家さんに勉強させていただこうと思います。米農家さんが理想ですが、まずは知り合いの野菜・果物農家さんに聞いてみようと思います。

丹精込めて作ったお米を、1人でも多くの方に届けられるように、進めていきたいです。


できることからコツコツと

私は今、学生時代に思い描いていた理想の人生を歩んでいます。

やりたい仕事ができている。住みたい場所に住めている。すてきな友人・仲間と共に過ごせている。

もちろん、壁にぶつかることもあります。でもそれは、その時の課題が形となって現れただけで、絶対に乗り越えられると信じています。

思えば、たった26年の人生ですが、その時できることにコツコツ取り組むことこそが、私の人生なんだと思います。おそらくこれからも。

他人と比べて頑張っているわけではなく、「自分なりに」頑張っている。

そうやって積み重ねてきたからこそ、自分の理想としている生き方のど真ん中に立っているのでしょう。

次に目指すのは、1つ1つの仕事をレベルアップさせていくこと。

2021年が終わる時に、今年はこの点が良くなった、この課題を乗り越えたと言えるように、できることからコツコツと取り組んでいこうと思います。

最後に2020年の実りを。日を浴びて輝くヒノヒカリ。
【農家コラム】地域づくり×農業ライター 藤本一志の就農コラム
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WRITER LIST

  1. 堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
  2. 大槻万須美
    管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。
  3. 田牧一郎
    たまきいちろう。68歳。日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  4. 田中克樹
    たなかかつき。32年間の農業出版社勤務を経て、2020年末、故郷の八ヶ岳南麓に帰郷。仲間と共に農業・福祉系NPOを立ち上げ、遊休農地・耕作放棄地を再生し、心身の癒しや健康づくりにつながる有機無農薬の体験型農園づくりに取り組む。NPOでは田んぼ除草にホバークラフトを活用したスマート技術を開発中。農と風土(フード)を愛する人たち向けのブックカフェ・居酒屋を開くのが夢。
  5. 山田正美
    大阪工業大学大学院修了。福井県職員として、農業試験場研究員、専門技術員、農業技術経営課長、農林水産部技幹を経て退職。現在、日本生産者GAP協会常務理事、日本農業サポート研究所主席コンサルタント。
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