「BASE」で通販サイトを立ち上げました! 【藤本一志の就農コラム 第19回】
こんにちは。岡山県真庭市の兼業農家、藤本一志です。
前回・前々回は麦について書きました。調べてみると採算がとれないことが分かり、初心に戻って自給分の栽培から始めようという結論になりました。
さて、今回は2021年の課題でもある「販売体制の整理」に関する内容をお届けします。
実は、先日「BASE」というECサイト作成サービスの勉強会が真庭市内であったので、行ってみました。その勉強会の様子や、実際に「BASE」でサイトを開設してみた感想を記します。
しかし、2020年の冬あたりから「来年は購入したい」というお声をポツポツいただくようになりました。新規のお客さん、既存客の追加注文、さらには飲食店さんまで。
この調子で注文をいただいていくと、今のままではいずれミスが出てしまうと感じました。
ふと、「これはネット販売を始めるいいチャンスなのでは?」と思いました。以前からネット販売には興味がありましたし、今は「BASE」や「食べチョク」、「ポケマル」などのネット販売サービスがいろいろとあります。
さらに、真庭市内でBASEの勉強会が開催されるという情報も耳にし、「これは絶好のチャンスだ!」と思い、さっそく行ってみることにしました。
勉強会は「ぽちっとみかもっと」という、緩い印象を受ける名前で、会の雰囲気も緩く、参加者もスタッフも、のんびりワイワイといった感じ。
「みかも」というのは、勉強会が開催された地域の名前です。旧出雲街道の宿場町として栄え、合併して真庭市になる前は「美甘村(みかもそん)」という村でした。「手まりを飾る」文化があり、旧街道沿いの民家の軒先には、今でも個性豊かな手まりが飾ってあります。
勉強会が開催されたのは「香杏館(こうきょうかん)」 と呼ばれる建物です。美甘地域の古民家を改装した、地域の方が気軽に立ち寄れるシェア空間となっており、イベントが開催されたり、1日カフェが開かれたりしています。
さて、肝心の勉強会はというと、「スタッフと一緒に『BASE』で自分のサイトを開設しよう」という内容で進みました。
参加者は15名ほどで、みなさん大なり小なり事業をされている方でした。販売する商品があったり、これから作ろうとしていたり。
会は、スタッフの丁寧な説明を受けながら、参加者同士で進捗を確認しあいながら進んでいきました。「BASE」の仕組み、サイトの立ち上げ方、デザインのカスタマイズなど、「BASE」に関して一通りの内容を学ぶことができました。
私の知り合いの事業者さんも利用しており、実際、私の家の家賃は「BASE」経由で支払っています。
そのため、私にとっては「家賃の支払いで使うくらいだから、気軽に使えるのかな」という印象。実際に、知れば知るほど気軽に使えるということがわかりました。
「BASE」は登録料・月額利用料・年会費が無料です。立ち上げや利用に関する費用は一切かかりません。
こちら(出店側)の利用料が発生するのは、商品が売れたときと売上を振り込むとき[MOU3] のみです。送料を含めた注文金額に対し、注文の発生ごとにBASEかんたん決済手数料(3.6%)・サービス利用料(3%)という手数料がかかります。
また、自分の口座への振込申請をしたときにも振込手数料として一律250円が必要となります。しかし、事務手数料は振込申請額によって異なります。申請額が2万円未満であれば500円、2万円以上であれば0円となります。
私としては、思っていたより低いなという印象でした。
これは驚いたのですが、自分のサイトに登録できる商品の数に制限はないようです。実際に使っている方のお話だと、最初にたくさん商品を登録しておくと後々ラクだということでした。
写真やテキストは必要ですが、すでに事業をされている方は、登録できる商品はすべて登録しておくといいでしょう。
個人的に一番嬉しかったのが、ページのカスタマイズにテンプレートが用意されていることです。
私はデザインセンスに自信がないので、「ページの見栄え」については不安でした。しかし、「BASE」にはテンプレートがたくさん備わっています。その中から自分好みのテンプレートや色を選んでサイトを作ってみました。また、好きなところにページ紹介などの文章を入れられることも便利だと感じました。
「BASE」はSNSとの連携もできます。つながるのはFacebook、Twitter、Instagram、LINEの4種類。
私はこの中からInstagramと連動させることにしました。Instagramでは、農繁期になると農業の写真を中心にアップしているため、ここから少しでも、お米が作られている様子を感じてもらって、興味をもってもらえると嬉しいです。
基本的に私はPCで作業していますが、「BASE」はスマホでも操作することができます。スマホにBASEアプリをインストールしてみたところ、思った以上に手軽に使えました。デザインも簡単に変更できますし、商品の公開設定が簡単なのは便利です。商品登録や注文管理などの大掛かりな作業はPC、商品の公開設定などの手のかからない作業はスマホと、使い分けるのがいいかもしれません。
まずは私の作っている2品種、ヒノヒカリとアケボノを登録してみました。今は白米だけですが、玄米も登録しようと思います。
登録してみると、私がこれまで撮影してきた写真の中にサイトで使える画像が少ないことと、しっかりしたテキストを用意する必要があることに気がつきました。作業風景の写真はありますが、玄米や白米の写真はほとんどありません。今度きれいな写真を撮りたいと思います。
また、BASEは農家によってさまざまな使い方ができると感じました。大規模な専業農家さんは普通の通販サイトとして使い、SNSを駆使してたくさん集客する。私のような小規模農家は、使いたい時だけ公開して、自分のコミュニティだけに発信する。このように「小回りのきく」使い方ができるのが、BASEの特徴だと思いました。
まずはお米の収穫時期だけ公開にして、残りの期間は非公開で運用していこうと思います。
基本的に自分の手の届く範囲で運用しようと思うので、どんどん発信するというよりは、SNSやこのコラムの中で、小さく発信していきたいです。あとは、使っていく中で慣れていこうと思います。
さて、ネット通販サービスは他にもあります。農家向けとなると、「食べチョク」と「ポケマル」でしょうか。次回のコラムでは他のサービスも調べて、「BASE」と比較してみます。
そして、2021年はどれか1つのサービスを利用するのか、複数運用するのか、決めたいと思っています。
Instagram
https://www.instagram.com/kazushi_fujimoto/
シェア空間 香杏館
https://i-maniwa.com/area/micamo/
前回・前々回は麦について書きました。調べてみると採算がとれないことが分かり、初心に戻って自給分の栽培から始めようという結論になりました。
さて、今回は2021年の課題でもある「販売体制の整理」に関する内容をお届けします。
実は、先日「BASE」というECサイト作成サービスの勉強会が真庭市内であったので、行ってみました。その勉強会の様子や、実際に「BASE」でサイトを開設してみた感想を記します。
これまでの口頭受付・DMでは注文管理が大変に
2020年までの注文管理は、口頭受付とメールやLINEでのDM(ダイレクトメッセージ)でした。注文数が少なかったので注文管理で困ることはありませんでした。しかし、2020年の冬あたりから「来年は購入したい」というお声をポツポツいただくようになりました。新規のお客さん、既存客の追加注文、さらには飲食店さんまで。
この調子で注文をいただいていくと、今のままではいずれミスが出てしまうと感じました。
ふと、「これはネット販売を始めるいいチャンスなのでは?」と思いました。以前からネット販売には興味がありましたし、今は「BASE」や「食べチョク」、「ポケマル」などのネット販売サービスがいろいろとあります。
さらに、真庭市内でBASEの勉強会が開催されるという情報も耳にし、「これは絶好のチャンスだ!」と思い、さっそく行ってみることにしました。
「BASE」の勉強会「ぽちっとみかもっと」に参加してみた
勉強会は「ぽちっとみかもっと」という、緩い印象を受ける名前で、会の雰囲気も緩く、参加者もスタッフも、のんびりワイワイといった感じ。
「みかも」というのは、勉強会が開催された地域の名前です。旧出雲街道の宿場町として栄え、合併して真庭市になる前は「美甘村(みかもそん)」という村でした。「手まりを飾る」文化があり、旧街道沿いの民家の軒先には、今でも個性豊かな手まりが飾ってあります。
勉強会が開催されたのは「香杏館(こうきょうかん)」 と呼ばれる建物です。美甘地域の古民家を改装した、地域の方が気軽に立ち寄れるシェア空間となっており、イベントが開催されたり、1日カフェが開かれたりしています。
さて、肝心の勉強会はというと、「スタッフと一緒に『BASE』で自分のサイトを開設しよう」という内容で進みました。
参加者は15名ほどで、みなさん大なり小なり事業をされている方でした。販売する商品があったり、これから作ろうとしていたり。
会は、スタッフの丁寧な説明を受けながら、参加者同士で進捗を確認しあいながら進んでいきました。「BASE」の仕組み、サイトの立ち上げ方、デザインのカスタマイズなど、「BASE」に関して一通りの内容を学ぶことができました。
「BASE」の特徴
「BASE」は3年連続でネットショップ開設No.1の実績を誇るネット販売サービスです。私の知り合いの事業者さんも利用しており、実際、私の家の家賃は「BASE」経由で支払っています。
そのため、私にとっては「家賃の支払いで使うくらいだから、気軽に使えるのかな」という印象。実際に、知れば知るほど気軽に使えるということがわかりました。
1. 登録料は無料で販売・振込手数料のみ
「BASE」は登録料・月額利用料・年会費が無料です。立ち上げや利用に関する費用は一切かかりません。
こちら(出店側)の利用料が発生するのは、商品が売れたときと売上を振り込むとき[MOU3] のみです。送料を含めた注文金額に対し、注文の発生ごとにBASEかんたん決済手数料(3.6%)・サービス利用料(3%)という手数料がかかります。
また、自分の口座への振込申請をしたときにも振込手数料として一律250円が必要となります。しかし、事務手数料は振込申請額によって異なります。申請額が2万円未満であれば500円、2万円以上であれば0円となります。
私としては、思っていたより低いなという印象でした。
2. 商品の登録数は制限なし
これは驚いたのですが、自分のサイトに登録できる商品の数に制限はないようです。実際に使っている方のお話だと、最初にたくさん商品を登録しておくと後々ラクだということでした。
写真やテキストは必要ですが、すでに事業をされている方は、登録できる商品はすべて登録しておくといいでしょう。
3. ページのカスタマイズにはテンプレートあり
個人的に一番嬉しかったのが、ページのカスタマイズにテンプレートが用意されていることです。
私はデザインセンスに自信がないので、「ページの見栄え」については不安でした。しかし、「BASE」にはテンプレートがたくさん備わっています。その中から自分好みのテンプレートや色を選んでサイトを作ってみました。また、好きなところにページ紹介などの文章を入れられることも便利だと感じました。
4. SNSとの連携機能
「BASE」はSNSとの連携もできます。つながるのはFacebook、Twitter、Instagram、LINEの4種類。
私はこの中からInstagramと連動させることにしました。Instagramでは、農繁期になると農業の写真を中心にアップしているため、ここから少しでも、お米が作られている様子を感じてもらって、興味をもってもらえると嬉しいです。
5. スマホでも作業できる
基本的に私はPCで作業していますが、「BASE」はスマホでも操作することができます。スマホにBASEアプリをインストールしてみたところ、思った以上に手軽に使えました。デザインも簡単に変更できますし、商品の公開設定が簡単なのは便利です。商品登録や注文管理などの大掛かりな作業はPC、商品の公開設定などの手のかからない作業はスマホと、使い分けるのがいいかもしれません。
「BASE」でネット販売ページを開設してみた
そして、実際に開設したページがこちらです。まずは私の作っている2品種、ヒノヒカリとアケボノを登録してみました。今は白米だけですが、玄米も登録しようと思います。
登録してみると、私がこれまで撮影してきた写真の中にサイトで使える画像が少ないことと、しっかりしたテキストを用意する必要があることに気がつきました。作業風景の写真はありますが、玄米や白米の写真はほとんどありません。今度きれいな写真を撮りたいと思います。
また、BASEは農家によってさまざまな使い方ができると感じました。大規模な専業農家さんは普通の通販サイトとして使い、SNSを駆使してたくさん集客する。私のような小規模農家は、使いたい時だけ公開して、自分のコミュニティだけに発信する。このように「小回りのきく」使い方ができるのが、BASEの特徴だと思いました。
まずはお米の収穫時期だけ公開にして、残りの期間は非公開で運用していこうと思います。
基本的に自分の手の届く範囲で運用しようと思うので、どんどん発信するというよりは、SNSやこのコラムの中で、小さく発信していきたいです。あとは、使っていく中で慣れていこうと思います。
次回は他の通販サイトと比較
とりあえず、ネット販売サイトを1つ開設できて一安心です。あとは値段や送料なども決めていこうと思います。さて、ネット通販サービスは他にもあります。農家向けとなると、「食べチョク」と「ポケマル」でしょうか。次回のコラムでは他のサービスも調べて、「BASE」と比較してみます。
そして、2021年はどれか1つのサービスを利用するのか、複数運用するのか、決めたいと思っています。
https://www.instagram.com/kazushi_fujimoto/
シェア空間 香杏館
https://i-maniwa.com/area/micamo/
【農家コラム】地域づくり×農業ライター 藤本一志の就農コラム
- 兼業農家就農から3年間で感じた、農業の難しさと楽しさ【藤本一志の就農コラム 第27回】
- 米の反収激減の突破口に……兼業農家が導入できそうな「環境モニタリングシステム」を調べてみた【藤本一志の就農コラム 第26回】
- 兼業農家でも使える水管理システムがないか、調べたり聞いたりしてみた【藤本一志の就農コラム 第25回】
- 最新の「側条施肥田植機」のいいところ・気になったところ【藤本一志の就農コラム 第24回】
- 最新の「側条施肥田植機」のコストパフォーマンスを考えてみた【藤本一志の就農コラム 第23回】
- 移住支援員が紹介する、地方移住を成功させるための3つのポイント【藤本一志の就農コラム 第22回】
- 農家にとって理想の通信販売サービスを考えてみた【藤本一志の就農コラム 第20回】
- 「BASE」で通販サイトを立ち上げました! 【藤本一志の就農コラム 第19回】
- 麦を作りたいから調べてみた・その2【藤本一志の就農コラム 第18回】
- 麦を作りたいから調べてみた・その1【藤本一志の就農コラム 第17回】
- 2020年の振り返りと2021年にやりたいこと【藤本一志の就農コラム 第16回】
- お米の販売を通して芽生えた「できることからやろう」という思い【藤本一志の就農コラム 第15回】
- 消費者、生産者、それぞれが感じる新米の“調味料”【藤本一志の就農コラム 第14回】
- 収穫の秋と新たな課題【藤本一志の就農コラム 第13回】
- 農薬の使用も、結局はバランスが大切【藤本一志の就農コラム 第12回】
- ドローン実演会への参加と新たな決意【藤本一志の就農コラム 第11回】
- 兼業農家にはどんなスマート農業機器が必要か【藤本一志の就農コラム 第10回】
- 防除作業を通して考えた農薬の是非~私が農薬を受け入れられるようになるまで~【藤本一志の就農コラム 第9回】
- 人とのつながりで開く就農への道 ~地域おこし協力隊として目指すブドウ農家~ 【藤本一志の就農コラム 第8回】
- とある20代の若者が就農に至るまで ~地域おこし協力隊として目指すブドウ農家~ 【藤本一志の就農コラム 第7回】
- 「遺伝的多様性」に学ぶ、日本の農業の多様性【藤本一志の就農コラム 第6回】
- 都会と田舎での「二拠点生活」の実態【地域づくり×農業ライター 藤本一志の就農コラム 第5回】
- 家族総出の苗床づくりで感じる農業の魅力【地域づくり×農業ライター 藤本一志の就農コラム 第4回】
- 農業が地域に果たす役割【地域づくり×農業ライター 藤本一志の就農コラム 第3回】
- 転職、移住に至った理由と目指す農業像【地域づくり×農業ライター 藤本一志の就農コラム 第2回】
- 26歳の新規就農農家が目指す農家像【地域づくり×農業ライター 藤本一志の就農コラム 第1回】
SHARE