「玄米」は低GI食品として優秀なんです【ダイエットにも効果的】

肥満防止や糖尿病の予防などに効果があるとされている「低GI食品」。
最近、ダイエットに取り組んだ方なら、耳にしたことがあるのではないでしょうか?

この低GI食品のなかでも、玄米がじつは優秀な低GIの主食であるというのは、あまり知られていません。
同じ米といっても、白米とはまったく違う玄米のGI値や栄養価について、ご紹介します。

GIとは血糖値の上昇度合いを表したもの


GI値によって高、中、低の3種類に分類される


GIとは、グリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、食後の血糖値の上昇スピードを食品ごとに表した数値です。1980年代に、食品によって血糖値の上がり方に違いがあることが発見されてから、健康維持に役立つ食品を見分ける指標として注目されるようになりました。

血糖値を急激に上げる食品はGI値が高く、ゆるやかに上げる食品はGI値が低くなります。私たちが普段口にしている食品は、このGI値によって大きく3つに分類され、GI値が70以上の食品は高GI食品、56~69の間の食品は中GI食品、55以下の食品は低GI食品とされています。

血糖値の上昇が脂肪の蓄積にも影響する


血糖値は、膵臓が分泌するインスリンというホルモンの働きによってコントロールされ、健康な人の体内では、いつも一定の幅に保たれています。

食事によって体内の血糖値が上がると、糖を組織内に取り込んで、エネルギーとして利用したり、蓄えたり、タンパク質の合成や細胞の増殖を促したりするために、多くのインスリンが分泌されます。インスリンは脂肪の合成を促進し、分解を抑制する働きもあるため、たくさん分泌されれば、組織に脂肪が蓄積されていくことになります。

高GI食品を摂取すると、一気に血糖値が上昇し、インスリンが大量に分泌されます。そのため、膵臓に負担がかかるとともに、過剰に分泌されたインスリンの働きによって、余ったエネルギー源が脂肪として蓄えられます。急激な血糖値上昇を引き起こす食生活を続けた場合、内臓脂肪型肥満の原因や、膵臓の疲労による糖尿病、高血圧、高脂血症など、いわゆる「メタボリックシンドローム」の危険性が高まります。

低GI食品は太りにくい体をつくる


これに対して低GI食品は、血糖値の上昇がゆるやかであるため、適度な量のインスリンが分泌され、糖がすみやかに吸収されます。GI値が低いものを食べるようにすると、太りにくい体質にすることができるといわれています。

低GIの食品を摂取することは、健康の維持に大変有益です。低GI食品を簡単に見分ける方法はありませんので、食品ごとのGI値がどのくらいなのか頭に入れる必要がありますが、一度覚えてしまえば毎日の食生活を大きく改善することができます。

低GIの主食(炭水化物)は玄米やそば

では、主食である炭水化物のGI値はどのようになっているでしょうか。炭水化物を血糖値が上がりやすい食べ物と考えている人は多いようですが、必ずしも正しくありません。炭水化物の中にも、GI値の高いものと低いものがあります。

主要なものでは、GI値が高い順に、白米・食パン>うどん>玄米・そば・パスタとなっています。同じお米であっても、白米のGI値は88で高GI食品、精白されていない玄米は55で低GI食品です。パンやパスタでも、精白されていない全粒粉を使った場合のGI値の方が低くなります。食パンのGI値が95であるのに対し、ライ麦パンは55です。

ただし、普段食べている白米や食パンのGI値が高いからといって、炭水化物の摂取量を大きく減らしてしまう方法はおすすめできません。食事の満足感が得にくくなり、たんぱく質や脂質を過剰に摂取するなどして、かえって栄養バランスを崩すことにもつながります。炭水化物を食べないのではなく、低GIの炭水化物を食事に取り入れるようにすれば、栄養バランスを保ちながら、健康維持やダイエットに取り組むことができます。

玄米はミネラルや食物繊維が豊富なオススメの低GI食品


食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富な玄米は、低GIの主食として特にオススメです。食物繊維を多く含むため、腹持ちがよく、白米より少ない量でも満腹感を得ることができます。

低GI食品は、1日の食事のどこかで摂取すれば、次の食事の血糖値にも影響を及ぼすことが報告されています。これは「セカンドミール効果」と呼ばれ、例えば朝食で低GI食品を食べると、昼食の血糖値も改善してくれるといわれています。

さらに、週に数回、3食のうち1食分を低GI食品中心の食事にしただけで、特に運動などをしなくても体脂肪率の減少が見られたという研究結果も出ています。このように、効果がある程度継続するのも低GI食品の魅力です。

毎食必ず、低GI食品を取らなくても効果が期待できる、と聞いて少しハードルがさがったのではないでしょうか。少しずつでも玄米を食事に取り入れて、バランスのよい食生活を送りましょう。


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【コラム】今日から始める玄米生活
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WRITER LIST

  1. よないつかさ
    1994年生まれ、神奈川県横浜市出身。恵泉女学園大学では主に有機栽培について学び、生活園芸士の資格を持つ。農協に窓口担当として5年勤め、夫の転勤を機に退職。アメリカで第一子を出産し、子育てをしながらフリーライターとして活動。一番好きな野菜はトマト(アイコ)。
  2. syonaitaro
    1994年生まれ、山形県出身、東京農業大学卒業。大学卒業後は関東で数年間修業。現在はUターン就農。通常の栽培よりも農薬を減らして栽培する特別栽培に取り組み、圃場の生産管理を行っている。農業の魅力を伝えるべく、兼業ライターとしても活動中。
  3. 槇 紗加
    1998年生まれ。日本女子大卒。レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原に移住し修行を始める。在学中は、食べチョクなど数社でマーケティングや営業を経験。その経験を活かして、農園のHPを作ったりオンライン販売を強化したりしています。将来は、レモンサワー農園を開きたい。
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    1991年広島県安芸太田町生まれ。広島県立農業技術大学校卒業後、県内外の農家にて研修を受ける。2014年に安芸太田町で就農し2018年から合同会社穴ファームOKIを経営。ほうれんそうを主軸にスイートコーン、白菜、キャベツを生産。記録を分析し効率の良い経営を模索中。食卓にわくわくを地域にウハウハを目指し明るい農園をつくりたい。
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    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。