玄米を始めるなら「分づき米」がオススメ!おいしい炊き方も紹介

こんにちは、玄米マイスターの森田まどかです。

栄養豊富で健康にもいいとされる玄米ですが、白米と比べて食べにくいと感じている方も多いのではないでしょうか。
初めて玄米を食べるという方におすすめする際には、「玄米っておいしい」と感じてもらえるように特に気を付けるようにしています。

とはいっても今まで玄米を口にしたことのない方にとって、おいしいと感じてはいるものの、消化が追い付かなくて胃に重たさを感じたり、便秘になったりと、消化不良を感じる方もいらっしゃいます。

そんなときは「分づき米」から始めてみるのがおすすめです。

分づき米ってどんなもの?


玄米から糠や胚芽を取りのぞくことを精白といい、精米の際に糠や胚芽を残して精米する米を分づき米といいます。数字が大きくなるほど白米に近くなります。

分づき具合はそれぞれメリットがありますので、ご自身の体調や、体感に合わせてえらんでくださいね。

  • 3分づき・・・糠層は約30%除去され、胚芽が残る。
ほぼ玄米に近い状態ですが、玄米よりは柔らかいです。

  • 5分づき・・・糠層は約50%除去され、胚芽はほぼ残る。
栄養価的には玄米と白米のちょうど中間です。

  • 7分づき・・・糠層は約70%除去され、胚芽が一部残る。
お米に白さがあり、食感や味は白米とほとんど変わりません。

初めての方は、7分づきから始め、より栄養価の高くなる分づき具合にかえてみてください。ただ7分づきとはいえ、やや白米より硬さは感じられるので、よく噛むことを習慣づけていきましょう。

洗い方と浸水のポイント

・分づきがどの程度のお米でも、力をいれずにやさしく洗います。
お米に傷が付かないように洗うと、味がよくなり、炊き上がりがきらっとしたごはんに仕上がります。栄養の宝庫、胚芽や糠をあえて残している状態のため胚芽が取れないようにしましょう。ステンレスのザルの使用もひかえるとよいです。


・右回りである程度スピードをつけてお米が対流するように洗うと、お米にとって負担も少なく、手早くきれいに洗えます。


・雑味の原因になるので、1回目のお水は素早く捨てます。

・3回~4回くりかえします。
お米の表面のぬめりがなくなり、シャキッとした(キリっとした)感じになれば洗い上がりのサインです。
おうちにあるお米の状態により多少前後します。また、洗う量が多くなったらそれだけ回数も増やすと良いでしょう。

・浸水時間は、7分づきなら2時間程度、5分づきなら3時間程度、3分づきなら5時間程度。
精白するとお米は酸化しやすくなり日持ちがしません。また胚芽部分がとれやすくなったり、栄養素がこわれたり、さらには糠臭さもでて味も悪くなります。浸水中は冷蔵庫に保管しましょう。また雑菌の繁殖を防ぐために浸水時間は9時間以内にとどめましょう。

鍋や炊飯器での炊き方は?


■圧力鍋を使う場合

<水加減>
1~1.5倍
【参考】7分づき:1倍、5分づき:1~1.2倍程度、3分づき:1.2~1.5倍程度
※圧力鍋のメーカーやお米の種類、季節などによっても変わってくるので、お好みの水加減を見つけてみてください。

<炊き方>
1.お鍋にお米とお水をいれたら、塩をひとつまみ加え蓋をして強火にかけて圧力をかける。

2.圧がかかったら弱火にして15分~25分火にかける。
【参考】7分づき:15分、5分づき:15~20分程度、3分づき:20分~25分程度
※圧力鍋の違いや、お好み(もちっとしているかさらっとしているか)、季節によっても食べやすい硬さがあるので、硬さが気になるときは時間を長くし、もちっとした感じが苦手なら時間を短くしてみてください。

3.最後1分程度強火にして中の蒸気をとばす。

4.濡れ布巾の上において5分程度(圧力がぬけるまで)そのままの状態で蒸らす。

5.圧が下がったのを確認したら蓋を開けて天地返しをして完成。


■無圧のお鍋を使う場合(土鍋やルクルーゼなど)

<水加減>
1.2~1.5倍
【参考】7分づき:1.2倍、5分づき:1.2~1.4倍、3分づき:1.5倍程度
※鍋やお米の種類、季節などによっても変わってくるので、お好みの水加減を見つけてみてください。

<炊き方>
1.お鍋にお米と水を入れたら、塩をひとつまみ加えて蓋をして強火にかける。

2.沸騰して吹きこぼれそうになったら弱火にして20分~30分火にかける。
【参考】7分づき:20分程度、5分づき:25分程度、3分づき:30分程度
※鍋の違いや、お好み(もちっとしているかさらっとしているか)、季節によっても食べやすい硬さがあるので、硬さが気になるときは時間を長くし、もちっとした感じが苦手なら時間を短くしてみてください。

3.中の水分がなくなりお米の炊けたいい香りがしてきたら、最後1分程度強火にする。
このひと手間でお米が立ちます。

4.火からおろして濡れ布巾の上におき(土鍋の場合はわれるので鍋敷きにおく)10分程度蒸らす。

5.蓋をあけて天地返ししたら完成。



■炊飯器を使う場合

炊飯器でももちろん炊けます。3分づきの場合は玄米の設定で。5分づき、7分づきの場合は白米の設定で炊いてみましょう。
<炊けた後の保存方法>
分づき米は炊飯器で保温したままにしていると、糠のにおいが気になりだします。すぐにいただかない場合は、おひつに移すなど、保温状態にしないことがおいしくいただけるポイントです。

分づき米は家庭用の精米機で簡単に精米できます

浸水のところでもお伝えしたように、精白すると酸化しやすい状態になるので、その都度精米されるといつもおいしいお米がいただけます。
家庭用の精米機があれば、細かな設定ができるので、気分に合わせて何分にするか楽しめますよ。

大きさは炊飯器の一回り小さめなので場所にも困りませんし、1万円台からあるので、探してみてくださいね。私としては、できた糠を集めてぬか床をつくるのもおすすめです。


■気になる農薬。安心な玄米を選ぼう!


玄米を食べる時に気になるのが農薬の問題です。

お米に残留農薬がある場合、農薬は油に溶けやすい性質があるため、7割〜8割は脂質が多いぬかや胚芽の部分にたまるとされています。ぬかや胚芽は精米すれば取り除かれる部分ですが、それらが残ったままの玄米で食べる時には少し気をつけたいところ。それは分づき米でも一緒です。

玄米を選ぶ時には、農薬残留検査をしっかりした商品を選びたいものです。

全国各地のこだわりの農家さんと、スマート農業でお米づくりをしている「スマート米」は、AI・ドローンなどを用いて農薬の使用量を減らした、農家にも消費者にもやさしいお米。玄米でも安心してお召し上がりいただけます。

お求めはスマート米オンラインショップ SMART AGRI FOOD  からどうぞ。

【コラム】今日から始める玄米生活
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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