おうちで簡単にできる!栄養満点の発芽玄米の作り方をくわしく解説

生きる力を育てる自然派料理研究家・玄米マイスターの森田まどかです。

発芽玄米って?? とよく質問されることがあるのですが、特別なお米なのではなく、玄米が発芽している状態のことです。玄米が手元にあればおうちで簡単に発芽させることができます。

発芽玄米のメリットと栄養は?


浸水させて発芽させると、栄養価が高くなり、柔らかい状態になります。そして消化吸収しやすい状態になります。

また、私がお伝えしているマクロビオティックの観点から考えると、発芽するという状態は、玄米の持つ陽性のエネルギー(収縮力)を和らげることができます。

収縮力とは、体を温め、集中力を高めることのできる力。そんな力を持つ玄米は、例えば夏の暑い時に体を冷やしたい場合や、子どものように体温が高い場合、お肉など体を温める力をもつ食べ物をよく食べる方には少し嫌厭される食材でもあります。

発芽させるという過程を通ることで、少し陰性(拡散力)をもち、暑さが極まるときや、お子様、お肉が大好きな方にも食べやすい状態になります。

発芽に際して増える栄養素と減る栄養素があるため、玄米とは栄養価が少し異なりますが、玄米と同様に白米と比べて栄養価が高く、食物繊維やミネラルも豊富。特に発芽玄米には、ストレス軽減作用で知られるギャバ(GABA)が、白米の約10倍も含まれています。カルシウムも玄米よりも発芽玄米の方が豊富。
詳しくはこちらの記事もご参照ください。
・白米、発芽玄米、玄米、胚芽米、それぞれどんな栄養の違いがある?

発芽玄米の作り方、上手に発芽させるポイントは?


1.丁寧に洗った玄米をボウル(タッパーでも可)に入れて水か35度くらいのぬるま湯につける。
ぬるま湯の方が早く発芽します。夏場は水で十分ですが、冬だと時間がかかるのでぬるま湯がおすすめです。

2.夏なら1日~2日、冬なら2日~3日常温において浸水させる。
途中でお水がにごってにおいがしてくるので替えます。夏に心配なようなら、冷蔵庫にいれましょう。時間は多少かかります。

3.玄米が水を吸ってちょっと大きくなり、胚芽の部分が膨らんでちょこんと先がとんがる。
すべての玄米が同じようにならなくても、芽が出ていない玄米も発芽状態にはなっているので、ある程度とんがりがでていたらオッケーです。

玄米を発芽させるには、すこし時間がかかりますが、時々玄米の状態を確認しながらやってみてください。
すべての玄米の胚芽部分がとんがっていなくても大丈夫です。

発芽玄米のおいしい炊き方


圧力鍋を使う場合

1.浸水させた水をすて、新しい水を玄米の分量の1.2~1.5倍加える。

2.塩を1つまみ加えて蓋をして強火にかけ圧力をかける。

3.圧がかかったら弱火にして20分~25分。

4.濡れ布巾の上にあげて、5分程度蒸らす。

5.圧がさがったら蓋をあけ天地返しをしてでき上がり。

無圧の鍋を使う場合(土鍋や厚手のお鍋がおすすめです)

1.浸水させた水をすて、新しい水を玄米の1.5倍加える。

2.塩を1つまみ加えて蓋をして強火にかける。

3.吹きこぼれるくらい沸騰したら、弱火にして30分~40分炊く。

4.鍋敷きにおいて5分程度蒸らしたら、蓋を開けて天地返しをしてでき上がり。
土鍋の場合は濡れ布巾の上にあげると割れてしまうので注意。そのほかのお鍋の場合は濡れ布巾を下に敷いて、蒸らしてあげましょう。このひと手間でぐっとおいしくなりますし、焦げつかなくなります。

発芽玄米は、もちろん炊飯器でも白米のようにそのまま炊くことができます。
発芽させれば、食感もやわらかくなり、玄米食に慣れていない方でも食べやすいと思います。
また、玄米よりも栄養の吸収もよくなるといわれています。

玄米の豊富な栄養を食べやすく、しかも吸収しやすい状態で摂れる発芽玄米。
ぜひ、お試しください。

▼発芽玄米の炊飯器を使った炊き方はこちら
発芽玄米とは?おうちで発芽させる方法・炊飯器での炊き方を紹介【管理栄養士コラム】

<参考文献>
『THEマクロビオティック』久司道夫


■気になる農薬。安心な玄米を選ぼう!


栄養豊富で健康によい発芽玄米ですが、気になるのが農薬の問題です。

お米に残留農薬がある場合、農薬は油に溶けやすい性質があるため、7割〜8割は脂質が多いぬかや胚芽の部分にたまるとされています。ぬかや胚芽は精米すれば取り除かれる部分ですが、それらが残ったままの玄米で食べる時には少し気をつけたいところ。

玄米を購入する際は、「農薬残留検査」をしっかりした商品を選びたいものです。

全国各地のこだわりの農家さんとつくっている「スマート米」は、AI・ドローンなどを用いて農薬の使用量を抑えて育てたお米です。玄米でも安心してお召し上がりいただけます。

お求めはスマート米オンラインショップ SMART AGRI FOOD  からどうぞ。

【コラム】今日から始める玄米生活
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  1. よないつかさ
    1994年生まれ、神奈川県横浜市出身。恵泉女学園大学では主に有機栽培について学び、生活園芸士の資格を持つ。農協に窓口担当として5年勤め、夫の転勤を機に退職。アメリカで第一子を出産し、子育てをしながらフリーライターとして活動。一番好きな野菜はトマト(アイコ)。
  2. syonaitaro
    1994年生まれ、山形県出身、東京農業大学卒業。大学卒業後は関東で数年間修業。現在はUターン就農。通常の栽培よりも農薬を減らして栽培する特別栽培に取り組み、圃場の生産管理を行っている。農業の魅力を伝えるべく、兼業ライターとしても活動中。
  3. 槇 紗加
    1998年生まれ。日本女子大卒。レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原に移住し修行を始める。在学中は、食べチョクなど数社でマーケティングや営業を経験。その経験を活かして、農園のHPを作ったりオンライン販売を強化したりしています。将来は、レモンサワー農園を開きたい。
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    1991年広島県安芸太田町生まれ。広島県立農業技術大学校卒業後、県内外の農家にて研修を受ける。2014年に安芸太田町で就農し2018年から合同会社穴ファームOKIを経営。ほうれんそうを主軸にスイートコーン、白菜、キャベツを生産。記録を分析し効率の良い経営を模索中。食卓にわくわくを地域にウハウハを目指し明るい農園をつくりたい。
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    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。