念願の農地(ビニールハウス)をゲット!【さわちんの「リアルタイム新規就農日記」第5回】

「SMART AGRI」をご覧のみなさん、こんにちは。

さわちんと申します。現在37歳で、妻と小学生の子ども2人の4人家族です。

今回は、移住前からの懸念の一つであった「農地」について進展がありましたので、そちらをお伝えしようと思います。


町内会長さんとのお話


ある日、町内会長さんから、ちょっとうちにおいで~というお電話が。

自転車で、町内会長さんの大きなお家に向かったところ、さわちんの移住先の地域では毎年夏と秋に祭りを催しているようで、その説明をしてくれました。

今年はコロナの影響で開催できるか微妙なところだけど、どんなことをするのかは、こういった記録を後世に残すために、去年のお祭りをDVD化してるから、それを見てみてねと、町内会長さん。

帰って実際に見てみると、田舎のほんわかとしたお祭りが記録されており、微笑ましいなぁという思いと、若い人が少なく、だいぶ進んでいる高齢化の問題が見え隠れしており、少しでも力になれればという気持ちになりました。

町内会長さんとお家で雑談をしている中で、今は農地を探しているんですー、という話に。

移住した加茂谷地域では、昔からビニールハウスを利用したチンゲンサイの栽培が盛んに行われています。さわちんが移住就農を決めた材料の一つとして、県の職員の方に見せてもらった農業収支モデルも、チンゲンサイの栽培を元にしていました。

ビニールハウスを利用することで、季節を問わず何度も栽培ができるというメリットがあり、1年間に8作以上チンゲンサイを栽培している農家さんもいらっしゃいます。

例えばスイカやイチゴのように、1年に1回だけ収穫する作物は、台風などの災害で収穫前に被害を受けてしまった場合、その年の収益がゼロになってしまいます。

ところが、この地域で推奨しているチンゲンサイのような1年の間に何回も作ることができる野菜は、仮に1作分がダメになってしまっても、残りの作で取り返すことができるんです。

さらに、1年の間に何回も作ることで、短期間で技術の向上が望めます。

※もちろん、その分多忙を極めます……。

そういったメリットから、さわちんはビニールハウスでの農業、いわゆる施設園芸を始めるための農地を探していたのでした。

さわちん「中古のビニールハウスがついた農地を借りることができたらベストなんですけどねぇ」

会長さん「ふーん、なるほどねぇ。ここらも農地の空きが多くなってきたから、もしかしたらちょうど良い物件があるかも」

さわちん「他の方にも探してもらっているんですけど、もしよいお話があれば、ぜひ!」

会長さん「わかった、探しておくね」


出会いは突然に……


こういった話は、運と縁だと考えているので、気長に待っていようと思っていた1週間後のある日、町内会長さんからお電話がありました。

さわちん「もしもし、DVD見ましたよ。ほっこりした雰囲気でしたね」

会長さん「そうか、DVDの返却はいつでもいいからね。ところで、今時間ある? 」

さわちん「はい、大丈夫ですよ」

町内会長さんに指定された場所に自転車で行ってみると、そこはイチゴが作られているビニールハウスでした。

え、ま……まさかと思っていると、

会長さん「ここ、今回の作が終わったら使わなくなるんだって。少し古そうに見えるけど、どうかな? 」

え~、そんなすぐ見つかるんですか!! という驚きを隠せないまま、少しビニールハウスの周りを見渡してみました。

正直、かなり古いな~という印象で、だいぶパイプもさびているし、あちこちビニールに穴も開いているようでしたが、全体の骨組みがしっかりしているのは、素人目で見てもわかりました。基盤がしっかりしているのなら、修繕すれば十分に使えるのでは!?


さわちん「ぜひ、借りる前提でお話をしたいです」

会長さん「よしきた、じゃあ持ち主に会いに行こう。スケジュール調整しておくよ」

ということで、後日、持ち主さんのところへご挨拶に行くことになりました。

当日、おうかがいしてみると、持ち主さんはとっても気前のよい70歳のおじさんでした。

※「70歳のおじさん」と書いた理由は、どこの田舎もそうだと思いますが、
60歳・・・若者
70歳・・・まだ若い
80歳・・・お年寄り
90歳・・・まだまだ現役
です!!
特に農家さんばかりのこの地域は、年配の皆さん方が、びっくりするくらいはつらつとしてます!

イラスト:ヤマハチ
さわちんのこれまで、就農を目指して移住してきたことや、農地を探していることを簡単にお話しすると、「そうだったのか。頑張れよ。築40年と古いビニールハウスだけど、まだ現役だよ。使っていいよ! 」

と二つ返事で貸してくれることになりました。あれよあれよと決まっていくスピードにびっくりしつつ、ありがたくお借りすることにしました。

ただし、お借りするにあたっては、しっかりとした手続きが必要です。

これまでの移住者の方含め、農地をお借りする際は、毎年賃料を支払う旨の契約を貸主と借主で締結することになっています。

契約書の作成なんてやったことないぞ……と思いましたが、そこはNPO法人「加茂谷元気な町づくり会」の方が代わりに作成してくれるとのこと。

地域の皆さんがたくさん協力してくれるおかげで、どんどん就農の準備が実現していきます!

また、今回お借りする農地の広さは5a(アール。1a=100㎡)。農家の先輩方曰く、ビニールハウス栽培で生活するなら、2反(たん。1反=10a)は欲しいなぁとのことで、それにはまだ15a足りません。

まずは農業での粗収益400万円を目指しているのですが、農地が足りないということは、その分収益=生活費が少なくなってしまいますので……。

実際、先輩就農移住者の中には、Cafeを営業していたり、近所のスーパーへ夜のシフトでアルバイトに行ったりと、農業以外の稼ぎがある方もちらほら。

さわちんは、両親のユズ畑を一緒にやっていく予定なので、その収益と、前職の経験をいかした、クラウドソーシングでの収益で、不足分をカバーしようと考えています。

また、今回お借りしたビニールハウスの修繕作業にも取り掛からなければいけません。これがとても大変で、錆止め用ペンキ塗り、鉄骨の補修、ビニール張りなどなど……、農業大学校に通いながら隙間を見つけて実施する必要があるので、ざっと2~3カ月くらいかかってしまいそうです。

とはいえ、また就農に向けて一歩前進。ほっとするのも束の間、さわちんの農地探しはまだまだ続きます。

しかし、今年の夏は本当に暑いですね。

この暑い夏の間に、さわちんは農業大学校のカリキュラム「農家研修」に行ってました。

実際に農家さんで働いてみてわかった、夏の農業の大変さについて、次回はお伝えしようと思います。

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WRITER LIST

  1. 福田浩一
    ふくだこういち。東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。現在は主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。http://www.ijas.co.jp/
  2. 中村圭佑
    なかむらけいすけ。明治大学農学部卒業後、日本農薬株式会社に約7年勤務。その後、大手経営コンサルティング会社を経て、FOOD BOX株式会社を2019年7月に起業。Facebook:https://www.facebook.com/foodboxjp/、Instagram:https://www.instagram.com/foodbox_jp/
  3. 百花繚乱
    趣味は料理、漫画、読書のミドルの男です。商社勤務で全国や海外を転々しているうちに、故郷に哀愁を覚え、約10年前に地元の農業関連会社にとらばーゆ。
  4. さわちん
    2児の父。あるきっかけにより農業のイメージを変えたいと考え、16年間のサラリーマン生活にピリオドを打つことを決意。2020年春、家族で田舎に移住し、新規就農を目指す。自身が「移住×就農のモデルケース」となるために、いろんな方面へ向けて奮闘中。
  5. 藤本一志
    ふじもとかずし。大学・大学院の6年間を通して地域づくりと農業の活動に関わる。1年間のサラリーマン生活の後、学生時代から活動していた地域に移住し、2拠点居住を開始する。移住支援を通じた地域づくり活動に取り組む傍ら、兼業農家として稲作に取り組む。