新規就農1年で学んだ「いま農家になるために必要なこと」【農家見習い・さわちんの「リアルタイム新規就農日記」第15回】

「SMART AGRI」をご覧のみなさん、こんにちは。さわちんと申します。

現在38歳で、妻と小学生の子ども2人の4人家族です。

前回は、ミカンの収穫作業と、ついに始まったさわちんのチンゲンサイ栽培の模様をお伝えしました。どちらも皆さんがスーパーなどでよく目にする食べ物だと思います。その裏側には、たくさんの苦労があることを、身をもって実感する今日この頃。これからも食べ物を作る農家さんへのリスペクトを忘れない、そんな農家になりたいです。

さて、今回はゼロから約1年間「農業」に取り組んできたさわちん目線から見た「農家さんになるために必要なこと」をお伝えしたいと思います。

早いもので、私が就農を決意し、家族で徳島県阿南市に移住してからおよそ1年が経ちました。その間、かんきつアカデミーに通ったり、師匠をはじめとした地域の農家さんにたくさんお世話になったり、実際に自分で野菜を栽培したりと、いろんな準備を行ってきました。

そこで、今の半人前の私だからこそお伝えできる、「農家になるために必要なこと」をランキング形式にまとめてみました。参考になるような、ならないような……温かい気持ちで読んでいただければ幸いです(笑)。


第3位 何にでも興味を持って、わくわくすること

さて、さっそく「?」が聞こえてきそうですが(笑)。

どんなことでも「なるほど、面白い! 」と思って、もう一歩だけ詳細を調べようと思うことは、とっても大事なことだと感じました。

よく地域の農家さんから「わいら(「私たち」の方言)は百姓やけんな! 何でもできなきゃだめだぞ! 」という言葉を聞きます。最初は「農家」を言い換えただけの言葉と思っていましたが、実はとっても深い意味がありました。

「農家」は野菜や果物を作っているだけではありません。それだけでも十分に大変なのですが、ビニールハウスの建設や、ビニールハウス内の水道設備の敷設、農機具のメンテナンスなどなど、消費者からは見えないさまざまな仕事をしています。そして、そのどれもがハードワーク。

つまり、たくさんの仕事=姓をやってのけることが、百姓と言われる所以なんですね。

農家さんが取り組んでいるのを見て「うそぉ……そんなことやるの……」と思うこともありますが、興味をもって一歩だけ踏み込んでみると、仕組みや構造が実に面白い! ほんとによくできてるなぁと感心することが多いです。そしてその知識を利用すると、家のリフォームや、ちょっとした棚や物置などを作るときにも生かすことができます。

そんなふうに、大変なことでも、一歩だけ踏み込んでやっていくことで自分の新しい知識になっていく。これが面白いと思えることは結構大事なことなんじゃないかなと思います。

写真は私自身で作業した水道設備の敷設の様子。とっても大変ですが、面白いですよ!!

第2位 自分が納得できるまでやり続ける「根性」

農業には、暑さや寒さをもろに感じながら、単調な作業を繰り返す場面が多々あります。そのたびに、飽き飽きしてきたり、だんだん腰が痛くなったりとサラリーマン時代にはなかった苦労があります。

しかも、もし手を抜いてしまったら、その結果はすべて自分にかえってくるので、気を抜けません。

と、思っていたのですが、発想を変えて「自分自身にしか迷惑が掛からないならいいか! 」とポジティブにとらえるようになりました。

例えば、畝立て。まっすぐ畝を立てることができれば、見た目に美しいですし、野菜の管理がしやすくなります。でも、少々曲がってしまっても野菜を育てることは可能です。

大事なのは、自分が取り組んだ仕事に自分が納得できたかどうか。自分が納得できていれば、少々ダメなところがあっても、その点を理解して次に進むことができます。

完璧や精巧を求めていくとキリがありませんが、自分が納得できるまでやり続けるだけの根性があれば、まずは合格だと思います。でも周りの先輩方からはダメ出しがくるかもしれません。それを聞き流すふてぶてしさも必要かもしれませんね(笑)。

12月時点のチンゲンサイの様子。うまくまっすぐ植えられました!

第1位 誰とでも楽しく会話ができる「コミュニケーション能力」

最近はどんな業界でも、コミュニケーション能力が重要視されています。やっぱり、農業にも田舎暮らしにも、この能力が必須になってきますね。

私のようにゼロから農業を始めるのであれば、ご近所の農家さんの協力がなくては、何もできないといっても過言ではありません。

イラスト・ヤマハチ
私は人と話をすることが好きだったので、移住してから出会ったいろんな人にたくさんお世話になることができたのだと思っています。土地を紹介してもらったり、農機具を譲っていただいたり、栽培のコツを教えてもらったり。毎日の暮らしの中でも、野菜や果物をいただいたり、この前なんか立派なハマチを2匹もいただいて、さばくのに苦労しました。

今振り返ってみると、自分の力だけではほとんど何もできず、楽しい田舎暮らしを満喫することもできていなかったのでは、と思います。

これからもたくさんお世話になる気満々ですし(笑)、私がお手伝いできるようなことは、積極的にやっていきたいと考えています。

知らない人と話すのは苦手とか、めんどくさいなぁと思う方は、農家さんになるまでに修行することをオススメします。私の経験上ではありますが、そっちの方がスムーズに新規就農ができると思いますよ。お得です

いかがでしたか。少しでも、これから農家になりたいという方の参考になったらいいなと思います。

さて次回は、文章中でもふれた水道設備の敷設について、ぜひともお伝えしたいと思います。元々のねらいや、敷設が終わった後の省力化の具合など、参考にしていただけるとうれしいです。

【農家コラム】農家見習い・さわちんの「リアルタイム新規就農日記」
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WRITER LIST

  1. 田牧一郎
    たまきいちろう。68歳。日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 山田正美
    大阪工業大学大学院修了。福井県職員として、農業試験場研究員、専門技術員、農業技術経営課長、農林水産部技幹を経て退職。現在、日本生産者GAP協会常務理事、日本農業サポート研究所主席コンサルタント。
  3. 福田浩一
    ふくだこういち。東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。現在は主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。http://www.ijas.co.jp/
  4. 中村圭佑
    なかむらけいすけ。明治大学農学部卒業後、日本農薬株式会社に約7年勤務。その後、大手経営コンサルティング会社を経て、FOOD BOX株式会社を2019年7月に起業。Facebook:https://www.facebook.com/foodboxjp/、Instagram:https://www.instagram.com/foodbox_jp/
  5. 百花繚乱
    趣味は料理、漫画、読書のミドルの男です。商社勤務で全国や海外を転々しているうちに、故郷に哀愁を覚え、約10年前に地元の農業関連会社にとらばーゆ。