ネットショップ計画、始動します! 【さわちんの「リアルタイム新規就農日記」第7回】

「SMART AGRI」をご覧のみなさん、こんにちは。

コケチンファーム代表のさわちんです!

前回は、新米農家が考えるスマートセンサーの条件についてお伝えしました。さわちんの圃場にスマートセンサーを導入する計画が進んでおり、実際に導入するとしたら、どの製品を? という視点で改めて情報を整理。栽培するうえで必要な情報が取得できるかどうかはもちろんのこと、電源や通信環境、価格なども考慮に入れる必要があることを、再認識しました。

IT技術を駆使して集めたデータはきっと、自分の農業や収益を支えてくれると信じて、さらに評価をし続けていきたいと思います。

そういえば、コケチンファームのロゴが完成しましたので、初お披露目です!


先に移住就農していた先輩が、なんと元デザイナーということで、お願いして作ってもらいました。さわちん一家みんなが気に入ったので、舞い上がってこのロゴを印刷した名刺を作成したのですが、渡す相手がいないため、1枚も減っておりません(笑)。

さて今回は、コケチンファームのネットショップ計画について、お伝えしようと思います。


消費者と簡単につながることができる今、ネットショップを立ち上げて自分の作った野菜を販売できるようにするのは当然でしょ! と思うのですが、周りでネットショップを立ち上げている農家さんを聞いたことがありません。

なんで?? と思うのですが、周りの農家さんにインタビューをしてみるといろいろわかってきたことがあります。


難しいよね、ネットショップ・その1 ~ネットがよくわかりませーん! ~

皆さんに聞いてみると、ネットのことがよくわかりませーん! という意見がほとんどでした。確かに周りの農家さんで少しでもITリテラシーがある方は、い、いないかなぁ……。

自身でネットショップを作成しなくても、「食べチョク」や「ポケットマルシェ」などの有名なネットショップに出品すれば……とも思いましたが、そちらも今一つピンときていないご様子。


難しいよね、ネットショップ・その2 ~流れがなんか、大変そう! ~

次に、作業の流れが今までと違って煩雑になりそう! という意見も多くありました。

各農家さんは効率よく作業を進めるため、何年もかけてベストな作業の流れを編み出しています。そのため、作業をする上で理想的な高さの机や椅子を自作する人も!

新しいことを始めるには、体力と時間をかなり消費するので、今までの仕事の流れを壊しかねないとなると、慎重になるのもわかる気がします。


他に、「値付けがよくわからないから」という意見がありました。この値付けについては確かに難しいんです。さわちんも地元スーパーの産直コーナーへ出荷する時、自分で値付けをしますが、ある程度相場によって左右されるのも事実。

コケチンファームのチンゲンサイ価格基準は、「4人家族の副菜一品になる程度の量=120円(税抜)」と決めています。なぜかというと、さわちん一家の家計から考えて、それくらいであってほしいから……。

では、この価格は採算がとれる価格なの? という疑問については、次回検討してみようと思います。



コケチンファームネットショップ計画

さて、さわちんはネットショップを立ち上げる気満々なので、るんるんで計画を進めていきます。

まず、私が利用するネットショップ開業サービスは、ずばり「らくうるカート」です。


この「らくうるカート」はヤマト運輸が運営するサービスで、3種類ほど有料プランが用意されており、さわちんは「レギュラープラン」を採用する予定です。


無料で始められるネットショップ開業サービスは多々ありますが、最初から本気でやりたいということと、配送会社が運営しているサービスなら、配送との連携ばっちりでしょ! という勝手な思い込みで突っ走ります(笑)。

30日間無料お試しがあるとのことなので、さっそく登録し、よーしやるぞー! と管理画面をみたのですが……


も、ものすごいオプションの数。簡単な説明の動画をYouTubeで見ることができますが、全体を把握するにはかなりの時間と労力を消耗します。

そもそも、さわちんがネットショップを立ち上げるにあたって、ネットショップ開業サービス側に必要と考えていた要件は、次のことでした。

サイトの機能
  • トップページを作成できること
  • アイテムが販売できること
  • 買い物かごが利用できること
  • 生産者紹介ページを作成できること
  • コメントが利用できること
  • SNSとの連携ができること

内部システム
  • 決済方法が複数選択できること
  • 独自ドメインが取得できること
  • Google Analyticsと連携できること
  • SEO対策ができること
  • 配送連携ができること

ん~、このくらいの要件、どのネットショップ開業サービスでもできるみたいですね。勉強不足でした。

そして今回のお試し期間で、新たに以下のことを考えなくてはいけないことがわかりました。

受注管理について



  • 受注した際に、どのような流れで注文を管理していくか
  • 受注明細や納品書、請求書などのフォーマットはどうするか、その中で顧客とのやりとりはどうするか

商品管理について



  • 価格、数量、送料はどのように設定するか
  • キャンペーンやボリュームディスカウントなどをどうするか

顧客管理について



  • 管理する顧客の情報(取得項目)はどうするか
  • 顧客専用ページの準備、販促プロモーションにどうつなげるか

各項目において、考えなければいけないことの一部を挙げてみました。まいった、全然そこまで考えが行き届いていません……。お店を開業するということは、なかなか難しいですね。

ということで、コケチンファームのネットショップ計画は、現在進行中となり、未だ公開できる状態ではございません。この記事がリリースされたときに、アクセスしてもらえるかも! とか淡い期待を抱いていましたが、どうやら難しそうです。ネットショップが無事オープンしましたら、こちらで発表しますので、ぜひアクセス&お買い物をお願いします!

さて次回は、さらに新しくビニールハウス付きの農地を借りたさわちんの現状の整理と、今後の営農計画についてお伝えしようと思います。

今後の収益の見通しや、さわちんが決めたチンゲンサイ「120円」の妥当性なども評価していきます。お楽しみに!

【農家コラム】さわちんの「リアルタイム新規就農日記」
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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