移住&新規就農からの半年間を振り返ってみました【さわちんの「リアルタイム新規就農日記」第10回】

「SMART AGRI」をご覧のみなさん、こんにちは。

さわちんと申します。現在37歳で、妻と小学生の子ども2人の4人家族です。

前回は、移住して半年が経過したさわちん一家へのアンケート結果をお伝えしました。

「やっぱり引っ越してきてよかったね! 」といううれしい感想が飛び出してきたので、ひとまずほっとしております。一長一短の田舎暮らしではありますが、さわちん一家には向いていたのかなと思っているところです。

そのアンケートをとっている際に、ふと自分の思い描いていた計画についてはどうだろうか? という疑問がわいてきました。独立就農の実現に向けて、日々進んでいるつもりなのですが、ここらで振り返ってみるのも面白いかなと思いますので、どうぞお付き合いください。


就農に向けた準備・達成度はどれくらい?

まずは、「農地」・「技術」・「道具や資材、お金のこと」という項目で、それぞれ100点満点で自己採点をしてみました。

農地:50点 ~もう少し努力しましょう~


第5回にて、5aのビニールハウス付きの農地をお借りすることができたことをお伝えしました。

あれから修繕が進み、今はこんな感じになっています。


ここで11月中旬頃からチンゲンサイの栽培を始める予定です。何とか収穫までこぎつけて、少しでも収益になれば良いのですが、ほんとに最初の取り組みになるので、さてどうなることやら。

まずは栽培の流れをつかむことが大事ですので、赤字覚悟で取り組もうと思っています。

しかし、いまだに5aの農地しか見つかっていないという焦りがあります。移住前からの目標として、農業をスタートするとき、最低1反(10a)の面積を、3年以内に、2反(20a)の面積を確保しておきたいと考えていました。

ご近所のつながりだけではなく、市役所の農林課へ相談に行ったこともあります。そこで「農地中間管理機構」という、農地を貸したい人と借りたい人をマッチングするサービスがあることを知りました。「これは! 」と思ったのですが、担当の方のお話では、私が希望するビニールハウス付きの農地が出てくることはほぼ無いですね、とのこと。

とはいえ、少なくとも年間10件程度のマッチングは行っているそうで、探している土地の条件によっては、ピッタリの方もいそうです。

いろいろ動いてみたものの、目標の半分しか借りられていないので、50点という採点結果です。

残り半年で何とか見つかればよいのですが、運と縁の部分が大きいので、引き続きいろんな方の協力をいただきながら、探していきます。

農業技術:90点 ~よく頑張っているでしょう~


かんきつアカデミーに休まず毎日通っていることもあり、父と母と一緒にやっていく予定のユズについては、生理生体や栽培における技術などを順調に習得できています。

他にも防除作業用の動力噴霧器や草刈り機、トラクターなどの農業用機械の使い方も学べており、これも大きな財産になりそうです。

野菜作りについては、毎週日曜日に師匠のお家にお邪魔して、農作業の手伝いをしており、そこでたくさんのことを学んでいます。

ご紹介が遅れましたが、私の「師匠」は、第3回で登場した加茂谷元気なまちづくり会の会長その人です。

農業歴30年以上の大ベテランである師匠は、ハウス栽培をメインとしており、チンゲンサイをはじめとしたいろんな葉物野菜を手がけ、年間8桁の収益をあげることもあるそう!

たくさんの移住者のお世話をしながら、農業に取り組んでいて、今でも「農業は面白い! 」と豪語する師匠を、人間的にも技術的にも心から尊敬しています。

師匠のお家では、土づくりから、定植、防除、収穫等の畑で行う作業から、出荷に向けた野菜の調整作業や、実際の出荷といった、お金に変わっていく作業まで、さまざまなことを学んでいます。

あくまで一つの農家のやり方であり、自分でやる際に全く同じように……というわけにはいきませんが、とても勉強になります。

2021年4月からは独り立ちして農業を始めるつもりなので、残り半年、しっかり技術を習得していこうと思います。

道具や資材、お金のこと:90点 ~よく頑張っているでしょう~


農業を始めるためには、耕運機や草刈り機といった機械、育苗するためのトレイ、畝に敷くマルチといった、たくさんの道具や資材が必要です。さらにビニールハウスの修繕も伴えば、骨組みに使う鉄のパイプ、ビニールを固定する専用の資材、電動工具などなど……これらをすべて新しくそろえるとなると、すぐに100万円単位のお金が必要になってきます。

私の場合は、近所の先輩農家さん、師匠、いろんな方から機械や農業資材のお古をいただくことができています。見た目や使用感はなかなかですが、十分に活躍してくれます。

ビニールハウス修繕の資材も、離農のため、ビニールハウスを解体していた方をご紹介いただき、たくさんいただくことができました。

おかげで想定していた金額の半分以下で始められそうです。

生活用の資金も、「就職氷河期世代の新規就農促進事業」の申請が無事にとおりまして、現在支給を受けています。

食費も第9回でお伝えしたように、季節の食べ物をたくさんいただけていて、相変わらず昨年の半分程度で落ち着いています。


私生活・趣味など、夢の田舎暮らしの実際のところは?

次は、移住生活について、「家族の満足度」「自分の時間」という項目で採点してみます。

家族の満足度:90点 ~幸せを満喫できているでしょう~


こちらは第9回でお伝えしたとおり、とても高得点になっています。ほんとに良かったです。ご近所さんがさわちん一家をとっても大事にしてくれること、コロナ禍でものびのびとした生活を送れていること、素敵な田舎暮らしを心と体で感じているところです。

しかし、妻は相変わらず「買い物が……」とぶつぶつ言いますので、10点減点しておきます(笑)。

自分の時間:30点 ~そろそろあきらめましょう~


こちらについては、正直点数が低いですね……。月~金はかんきつアカデミーに通い、土曜日は主にハウスの修繕、日曜は師匠のお家で野菜作りのお勉強と、毎日忙しくしています。空いた時間は、子どもたちと遊びたいので、基本予定はパンパン。

それでも今は楽しく過ごせていて、趣味と仕事が合わさってきていると感じます。美味しいごはんを家で食べられるだけで、人間は頑張れるものですね。

ただ、唯一といっていい趣味のビリヤードは、ここに移住してから一回も行けていません。近所にビリヤードができるお店がないというのも大きな理由ですが、3時間くらいまとめて時間が取れるタイミングはほぼありません。

移住前は、自分の趣味も継続できるかなぁという淡い期待もあったのですが、どうやら甘い考えだったようです。あと一人でラーメン屋に行くことも……できないですね。

これから子どもたちが大きくなっていくにつれ、相手にされなくなるでしょうから(笑)、今後うまく時間をとれるよう、努力していきたいと思います。


総合点数:80点 ~よくできています! ~


基本的には、移住前に思い描いていた理想に何とか沿えているようです。改めて振り返ってみると、やっぱりいろんな方に支えられて、今があるんだなあと感じます。

残り半年、独立就農した際のスタートダッシュがうまくいくよう頑張りたいと思います。

次回は、とっても大変なビニールハウスの修繕について、熱く語りたいと思います。もはや大工さんばりのさわちんの活躍を、お楽しみに!

【連載】農家見習い・さわちんの「リアルタイム新規就農日記」
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WRITER LIST

  1. 山田正美
    大阪工業大学大学院修了。福井県職員として、農業試験場研究員、専門技術員、農業技術経営課長、農林水産部技幹を経て退職。現在、日本生産者GAP協会常務理事、日本農業サポート研究所主席コンサルタント。
  2. 福田浩一
    ふくだこういち。東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。現在は主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。http://www.ijas.co.jp/
  3. 中村圭佑
    なかむらけいすけ。明治大学農学部卒業後、日本農薬株式会社に約7年勤務。その後、大手経営コンサルティング会社を経て、FOOD BOX株式会社を2019年7月に起業。Facebook:https://www.facebook.com/foodboxjp/、Instagram:https://www.instagram.com/foodbox_jp/
  4. 百花繚乱
    趣味は料理、漫画、読書のミドルの男です。商社勤務で全国や海外を転々しているうちに、故郷に哀愁を覚え、約10年前に地元の農業関連会社にとらばーゆ。
  5. さわちん
    2児の父。あるきっかけにより農業のイメージを変えたいと考え、16年間のサラリーマン生活にピリオドを打つことを決意。2020年春、家族で田舎に移住し、新規就農を目指す。自身が「移住×就農のモデルケース」となるために、いろんな方面へ向けて奮闘中。