農家2年目! 目標所得を達成するためには【さわちんの「リアルタイム新規就農日記」第13回】

こんにちは。コケチンファーム代表のさわちんです!

前回は、新規就農1年目の所得と題して、チンゲンサイ農家1年生の収入と支出を大公開しました。

新規就農のモデルになる! という野望を掲げて就農したさわちんでしたが、この数字では、新規就農する人が減っちゃうんじゃないかな、という一抹の不安を抱えております……。

イラスト:ヤマハチ
ただ、さわちん自身は全くへこんでおらず、むしろ希望が湧いています。なぜなら、改善点がたっくさんあり、もっと所得は増やすことができる! と確信しているからです。

そうそう、以前の記事で今年度中にトラクターを購入するぞ! と意気込んでおりましたが、しっかり購入しました!


これまで歩行式の管理機を使用していましたが、トラクターを導入した結果、作業時間を大幅に短縮することができました。また、しっかり土が耕されるので、いつもよりふかふかな仕上がりになります。やっぱり大型機械の威力はすごい!

もちろん、たくさんお金が出ていきましたので(笑)、しっかり稼いで元を取らないと! という思いです。先行投資は大事ですからね(泣)。

さて、今回は、農家2年生の所得目標を設定したいと思います! といっても、ただただ夢の数字を公表するわけではありません。伸ばすところは伸ばし、抑えるポイントは抑える、1年間農業した際の“気付き”や“技”を駆使して、リアルな数字にしたいと考えています。

まずは、売上を伸ばすためにはどうすればよいのか、考えていきます!


チンゲンサイ周年栽培の実現

所得を伸ばすには、まず売上から。1年目の売上が伸びなかった大きな理由の一つは、長い夏休みをとったことが挙げられます。

これは、暑いからやーめた、という安直な考えではなく、さわちんのハウスが設置されている加茂谷地域は、台風などによる大雨が降り続くと、洪水が起きてしまって、ビニールハウス内が浸水してしまう危険性があるためです。

特に平成26年には、台風による洪水被害で近所の中学校が浸水するほどの被害を受けました。


youtubeに当時の様子がアップされてましたので、ご覧ください。

引用:台風10号 加茂谷中学校周辺冠水 - YouTube
こうなると、作物の出荷はおろか、ビニールハウス損壊の可能性もあります。台風がこの地域を通過するかどうか、神のみぞ知ることなので、まわりのチンゲンサイ農家さんも、博打はうてないとして、栽培をやめてしまうのです。

しかし、さわちんが新しく借りたビニールハウスは、加茂谷地域から離れたところで、台風による洪水の影響はほとんど心配する必要がない地域なんです。なので、無収入だった8月~10月にも栽培ができるので、その時期も売上をつくることができます!



その他の作物の栽培


コケチンファームでは、2022年度からチンゲンサイだけでなく、ユズの栽培を本格化しています。


また、テストで果菜類の栽培も開始しました。2021年度はチンゲンサイ一本だったのですが、直売所に出荷するうえでは、たくさんの武器を持っておくべきと痛感しました。

作物を増やすと、その分手間がかかるのですが、それ以上に売上を増やすきっかけになるので、頑張っていきたいと思います。

では次に、コストを減らすためにどうすればよいでしょうか。


適切な施肥、防除を行う


1年間チンゲンサイ栽培と向き合い、執筆現在、実に52回の作付けを完了することができました。新米農家ながら、だんだん栽培がパターン化できるようになってきました。

季節によって発生する害虫や病気に明るくなったので、適切な防除計画を実行できているように感じます。

初期に苦しめられたコイツも、今ではしっかりとやっつけられます。


むやみやたらに農薬を使用するのではなく、季節や実際の被害具合をもとにした防除計画を立てることで、農薬使用量を減らし、コスト削減につなげます。

また、肥料も毎回同じ量を圃場にまんべんなく施肥するのではなく、畝ごとの成長状況を加味しながら、肥料を多く撒くところ、少なく撒くところを判断することで、全体の使用量を抑えることができるように。

例えば、ハウスの端っこと真ん中では、明らかに成長の具合が違います。こういうときは、真ん中の肥料を少なめに、端っこの肥料を多めに調整することで、全体としてサイズが均一になるように(といっても100%そうなるわけではありませんが)、育てるという技もあります。


資材購入先の適切化


さわちんは現在、基本的には近所のJAですべての資材を買っています。ところが、農薬や肥料については、いろんな地場の会社で取り扱っていることがわかりました。

品物によっては、JAより安価で購入できる場合があったり、家まで配達してくれたりと、どこで一番安く買えるか、という資材購入先の最適化ができるようになりました。


さて、2年生の所得目標は!?


これらの売上UP&コストDownの施策を講じた結果、このような所得目標をたてます!

所得目標 : 250万円 (前年度比 156%)
収入 : 460万円 (前年度比 +25%) 内訳 : 売上・・・240万円、補助金・・・220万円
経費 : 210万円 (前年度比 ±0%) ※作物が増えても、経費は抑えて

決して無理な数字ではないと思います。燃えてきました。


さて次回、この連載も開始からおよそ2年、ついに最終回を迎えることになりました。最終回は、農家2年生になったさわちんが考える、「農家として生計を立てるための必須スキル」をお伝えしたいと思います。

以前にも記事にしたことはありますが、1年間を通して農業と向き合った結果、これから農業を始める方にぜひとも読んでほしい、そんな内容にしようと思っております。お楽しみに!

【農家コラム】さわちんの「リアルタイム新規就農日記」
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WRITER LIST

  1. 槇 紗加
    1998年生まれ。日本女子大卒。レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原に移住し修行を始める。在学中は、食べチョクなど数社でマーケティングや営業を経験。その経験を活かして、農園のHPを作ったりオンライン販売を強化したりしています。将来は、レモンサワー農園を開きたい。
  2. 田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  3. さわちん
    2児の父。あるきっかけにより農業のイメージを変えたいと考え、16年間のサラリーマン生活にピリオドを打つことを決意。2020年春、家族で田舎に移住し、新規就農を目指す。自身が「移住×就農のモデルケース」となるために、いろんな方面へ向けて奮闘中。
  4. 福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  5. 窪田新之助
    農業ジャーナリスト。福岡県生まれ。日本経済新聞社が主催する農業とテクノロジーをテーマにしたグローバルイベント「AG/SUM(アグサム)」プロジェクトアドバイザー、ロボットビジネスを支援するNPO法人Robizyアドバイザー。著書に『日本発「ロボットAI農業」の凄い未来』『GDP 4%の日本農業は自動車産業を超える』(いずれも講談社)など。