新米農家は記録が肝心! 「アグリノート」を使ってみた【さわちんの「リアルタイム新規就農日記」第5回】

「SMART AGRI」をご覧のみなさん、こんにちは。

コケチンファーム代表のさわちんです!

前回は、新米農家が考える、「ロス」についてお伝えしました。

自分で野菜を作ってみて初めてわかったのですが、種を撒いた数だけ出荷できるわけではないのです。害虫の被害にあったり、生育不良だったりと、「ロス」になってしまうものが必ず出てきます。ある作付けで廃棄率34%という数字をたたき出したさわちん。これらのロスを以下に減らすかが、今後の経営のカギになること間違いありません。

値引きして販売したり、他のお店とコラボしてみたりと、試行錯誤はこれからも続きます。新しいネタができたら、またお伝えしますね。

さて、今回はさわちんの農業的毎日を記録するアプリ「アグリノート」とその特徴をご紹介します。

なにしろ農業を営むにあたって、記録をつけることはとっても大事なことなんです!

イラスト:ヤマハチ
例えばチンゲンサイのように、1年間で複数回の作付けをする野菜の場合、効率よく圃場を利用するためには、「種を撒いてから収穫できるまでに何日かかったか」を把握することが非常に重要となります。季節によって変化する生育状況をしっかりとらえるために生育日数を記録し、適切なタイミングで種まきや定植などの作業をしなくてはいけません。

また、農薬を利用する場合は、収穫の何日前まで使用可能というルールや、1回の作付けで何回まで利用可能といったルールをしっかり守ること、また、守っていることを提示するためにも、記録をつける必要があります。

他にもたくさん記録することの意味がありますが、まずはアプリを紹介していきます!


「アグリノート」とは

アグリノートは、ウォーターセル株式会社が提供している「GAPにも使える営農支援ツール」のことで、PCやスマホでの利用が可能です。


まずは無料でお試しも可能で、さわちんもそちらをさわってみてから導入しました。しかし、無料版では記録を20個までしか登録できないため、1週間もしないうちに制限に達してしまうことに……。

有料版は記録数が無制限となりますが、年額税込6,600円です。少し迷いましたが、スマホ上で日々の記録を蓄積していけると考えると、とてもリーズナブル! と感じ、すぐに有料版へと移行しました。


アグリノートでできること

リーズナブルとはいえお金を払って利用するので、どんなことができるかはしっかり押さえておきたいところですよね。

作業記録


こちらは、メインの機能。これができなければ導入する意味がありません!その日に実施した作業や、予定されている作業が一目でわかります。

コケチンファームでは、5分以内で終わるような簡単な作業でも、すべて作業記録に登録するようにしています。


PCからであれば、過去の作業履歴も一目瞭然です。


自動記録機能


Android対応のスマートフォンのみの機能とはなりますが、自動記録機能を利用するとアプリが自動で作業記録を作成してくれます。

こちら詳しくお伝えすると、スマホのGPSをONにした後、自動記録をONにして作業をすることで、どういった作業をどの圃場で実施したか、これまでの実績からアプリ側が判断して作業記録を残してくれるというもの。作業が終わったら、自動記録をOFFにすることをお忘れなく。

作業実施後に、手動で作業記録を登録する手間が省けるだけでなく、より正確な作業時間を計測することができるのです。


こちら、初見では「素晴らしい!! 」と思いましたが、実はさわちんは使いこなせていません……。というのも自動記録をOFFにするのをいっつも忘れてしまうのです。また、スマホを家に忘れたまま作業をすることもしばしば……。

そこで、さわちんは圃場内に数カ所時計を設置していて、仕事をする前と終わった後必ず時計を見て時間を覚えておくようにしています。そして帰ってからアグリノートに手動で作業記録を登録。その日のうちにしっかり登録するくせをつけているので、作業時間や実施した作業内容を忘れてしまったことはありません。

農薬検索


アグリノートのアプリ内で、農薬の情報を検索することができます。独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC)のデータベースが元になっているので、安心して利用できます。

最新情報の反映までには、1~2週間程度かかるようですが、作目名や病害虫などから農薬を逆引きすることができるので、とても助かっています。

収穫記録


作業記録とは別に、収穫記録を登録することができます。1回の作付けあたりの収量を記録することができるため、収量が多かったときは、どのような作業をどのようなタイミングで行ったかを確認することが可能です。


とはいえ、まだまだ使いこなせていないので……


他にもいろんな機能を兼ね備えているアグリノート。しかし、さわちんはまだまだ使いこなせていないのが現状です。おそらくアグリノート上で実現することができると思うのですが、輪作計画については、スプレッドシートを利用して別で管理しています。


実績によって「完了日数」の数値を変えることで、自動で主な作業日の予測を立てることができるようになっています。


他にもアグリノートが便利な点

また、アグリノートはアカウント数に制限がないのもいいところ。コケチンファームではさわちんと妻とでアカウントを2つ作って、それぞれのスマホで利用しています。

そうすることで、作業ごとの時間の管理もしっかり行えていますし、作業漏れの防止にも役立てられています。


改善してほしいなぁというところ

概ね不満はないのですが、何点か改善してほしいなぁというところが。

まず、作業記録を入力する際に、入力メイン画面と入力サブ画面を行ったり来たりしなければならないので、若干わずらわしさを感じてしまいます。

また、それぞれの作業記録にメモ欄が用意されていて、さわちんは気づいたことはせっせと入力しているのですが、過去のメモを確認したいときに、探すのにとても時間がかかります。メモ欄の検索ができてほしいですね。

いかがでしたか。アグリノート、使ってみるととっても便利ですよ。アグリノートでも他のアプリでも、何なら紙と鉛筆でもいいので、新米農家の方は作業や営農状況を記録することは必ず実行してくださいね。

さて次回は、コケチンファームの圃場にスマートセンサーを導入する! ことになりそうなので、センサーでどういう情報を取得するのがいいか、そのためにはどういう機器を導入するのか、幾らかかるのか、いろいろ調べたいと思います。その結果をお伝えしますので、こうご期待!


アグリノート | GAPにも使える営農支援ツール 農業は記憶から記録へ
https://www.agri-note.jp/

【農家コラム】さわちんの「リアルタイム新規就農日記」
SHARE

最新の記事をFacebook・メールで
簡単に読むことが出来ます。

RANKING

WRITER LIST

  1. 槇 紗加
    1998年生まれ。日本女子大卒。レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原に移住し修行を始める。在学中は、食べチョクなど数社でマーケティングや営業を経験。その経験を活かして、農園のHPを作ったりオンライン販売を強化したりしています。将来は、レモンサワー農園を開きたい。
  2. 田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  3. さわちん
    2児の父。あるきっかけにより農業のイメージを変えたいと考え、16年間のサラリーマン生活にピリオドを打つことを決意。2020年春、家族で田舎に移住し、新規就農を目指す。自身が「移住×就農のモデルケース」となるために、いろんな方面へ向けて奮闘中。
  4. 福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  5. 窪田新之助
    農業ジャーナリスト。福岡県生まれ。日本経済新聞社が主催する農業とテクノロジーをテーマにしたグローバルイベント「AG/SUM(アグサム)」プロジェクトアドバイザー、ロボットビジネスを支援するNPO法人Robizyアドバイザー。著書に『日本発「ロボットAI農業」の凄い未来』『GDP 4%の日本農業は自動車産業を超える』(いずれも講談社)など。