ついに栽培を開始したチンゲンサイにさっそく“アイツ”が……【農家見習い・さわちんの「リアルタイム新規就農日記」第14回】

「SMART AGRI」をご覧のみなさん、こんにちは。さわちんと申します。

現在38歳で、妻と小学生の子ども2人の4人家族です。

前回は、さわちんが通う農業大学校にて体験した、ドローンによる防除のデモについてお伝えしました。ドローンが空を舞う姿は、一般的になってきたとはいえ、近未来を感じましたね。課題はありつつも、着実に浸透してきているスマート農業、取り残されないよう、しっかり追いかけていきたいと思います。

さて、今回はついに動き出したさわちんのチンゲンサイ栽培の現状について、お伝えしたいと思います!

……とその前に、さわちんが住んでいる加茂谷地域とお隣の勝浦町で盛んなミカンの収穫について、かんきつアカデミーでの実習の模様をお伝えしますね。


やっぱり重労働だよ! ミカンの収穫

みなさん、ミカン狩りに行ったことはありますか? 秋から冬の初め頃、たくさん実ったミカンを自分でもぎとって食べる。あま~いミカンならいくらでも食べられるかも! さわちんも徳島県に移住する前に、一度だけミカン狩りに行ったことがあります。たしか10個くらい食べて、さらにお土産にミカンを持って帰った記憶があります。

ミカンの収穫について少しだけ、そんな楽しいイメージをもっていましたが、やっぱり収穫作業、そんなラクなわけがなかったのです……。

2020年12月初め、かんきつアカデミーの農家実習にてミカンの収穫をみっちり体験させてもらいました。

実習先の農家さんでは、急斜面にそびえる2~3mくらいの木にびっしりミカンが実っていました。そのひとつひとつを収穫用ハサミで切っていき、そっと収穫かごの中へ。もちろん、2度切りも忘れずに。


急斜面なので、足腰は踏ん張ったまま。たまに手が滑ってミカンを落としてしまうと、あっという間にはるか下まで転がっていきます。次は自分か……ぞっとしながら慎重に、しかしスピードが大事な作業なので、どんどん進めていきます。

そして収穫かごがいっぱいになったら、集荷用コンテナに移していき、コンテナがいっぱいになったら運搬用のトラックの荷台に積んでいきます。

収穫かごが約10kg、コンテナが約20kg。何度も何度も持ち上げてはおろし、持ち上げては下ろしを繰り返していきます。

農家さん曰く、すごい早い人なら一日でコンテナ30杯くらい収穫するよとのこと。さわちんはどんなに頑張ってもせいぜい15杯くらいなので、なんと2倍以上の差があります! どんな分野にもプロフェッショナルは存在するんですね。

4日間みっちり収穫作業を行った結果、腰を痛めちゃいました。農業は第一に健康な体が大事。慢性化しないようにしっかりと治したいところです。


チンゲンサイのハウス栽培、始動!

さて、ここからは本題のさわちんのチンゲンサイ栽培について、お伝えします。

お借りしたビニールハウスの修繕があらかた終わり、2020年11月下旬にたくさんの人に協力をいただいて、無事にビニールを張ることができました。

それはつまり、ビニールハウスで野菜の栽培ができる状態になったということです!


そこから手押しタイプの耕運機を使い、一生懸命に土を耕します。耕した後は畝を作ったり、肥料を撒いたりと、修業したことを思い出しながら進めていきます。マルチをはって、師匠にいただいた苗約2000本を定植して……できた!!


ついに農家としての収益をあげる第一歩を踏み出すことができました。苦労したけど何とか形になったなぁ、感慨深いなぁ……としみじみ思っていたのも束の間、さっそく農業の難しさを思い知らされることになります。


水が足りない!!

植物を育てるうえで、「水やり」ってとても大事ですよね。植物は基本的に根っこから水を使って栄養を吸い上げます。そのため、水がなければ植物は大きくなれません。

苗を定植したものの、水やりは家庭菜園と同じくじょうろで水をあげれば大丈夫だろう、とのんきに考えていたので、ビニールハウス内の水やり用の配管を整えていませんでした。

それから毎日じょうろで水をあげるのですが、どうも苗に元気がないように見えます。

気になった私は、師匠にお願いしてビニールハウスに来てもらいました。ちらっと見た師匠がひとこと、「水、全く足りてないよ!」。

えっ!だって30分くらいかけて、毎日じょうろで水をやってるんですよと伝えたところ、「家庭菜園とは違うよ、もっとたっぷり水をかけないと、せっかく撒いた肥料を吸い上げることができないよ。」とのお答えが。

な~んてこった!! さっそく水やり用の配管を買ってきて、備え付けの蛇口に取り付けていきます。もちろん配管なんて初めてやるので、わからないことだらけ。びしょびしょになって震えながらなんとか仮配管を仕上げました。そして、た~っぷり水をやったところ……苗達が元気になりました! ギリギリセーフだったみたいです。


害虫発生!! こいつはなんなんだ!

なんとか水の件を解決した次の日、ビニールハウスに来てみると、昨日まできれいだった葉っぱがかじられた跡がちらほら見えます。害虫ってこんなに早く来るのか……。葉っぱの近くには、こんな虫が。


なんて虫、これ?

今までこんな虫を見たことがなかったので、急いでネットで調べてみると、どうやらハムシの一種のよう。すごい勢いで食べられているので、有効な農薬を師匠に教えてもらい背負い式の動噴を使って散布! やった、これでいなくなるぞ、と思っていたら次の日にまた発見。



師匠曰く、たぶん土の中に卵が埋まっていて、どんどん新しいのが出てくるから、また様子を見て別の農薬をつかわなきゃね、とのこと。

それから毎日ハウスにいきますが、少しずつ葉っぱが食べられているのがわかります。葉っぱを食べられてしまった苗はおそらく出荷できず、お金に換えることはできないでしょう。他の農薬なども組み合わせて、きっちり退治する必要があります。

さっそく農家としての試練をたたきつけられているさわちん。果たしてどれだけのチンゲンサイを出荷できるでしょうか。毎日がドキドキです。出荷先は地元スーパーの産直コーナーを考えていて、その売上なども発表しようと考えています。お楽しみに!

さて次回は、「農家になるために必要なコト」をお伝えしたいと考えています。これまでの約1年間、農家になるための勉強やいろんな体験をしてきました。その中から半人前の農家だからこそいえる、農家に必要なあれこれをお伝えできればと思います。
【農家コラム】農家見習い・さわちんの「リアルタイム新規就農日記」
SHARE

最新の記事をFacebook・メールで
簡単に読むことが出来ます。

RANKING

WRITER LIST

  1. 田牧一郎
    たまきいちろう。68歳。日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 山田正美
    大阪工業大学大学院修了。福井県職員として、農業試験場研究員、専門技術員、農業技術経営課長、農林水産部技幹を経て退職。現在、日本生産者GAP協会常務理事、日本農業サポート研究所主席コンサルタント。
  3. 福田浩一
    ふくだこういち。東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。現在は主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。http://www.ijas.co.jp/
  4. 中村圭佑
    なかむらけいすけ。明治大学農学部卒業後、日本農薬株式会社に約7年勤務。その後、大手経営コンサルティング会社を経て、FOOD BOX株式会社を2019年7月に起業。Facebook:https://www.facebook.com/foodboxjp/、Instagram:https://www.instagram.com/foodbox_jp/
  5. 百花繚乱
    趣味は料理、漫画、読書のミドルの男です。商社勤務で全国や海外を転々しているうちに、故郷に哀愁を覚え、約10年前に地元の農業関連会社にとらばーゆ。