デビューほやほや! 新米農家の一日の仕事【さわちんの「リアルタイム新規就農日記」第1回】

「SMART AGRI」をご覧のみなさん、こんにちは。コケチンファーム代表のさわちんと申します。

現在38歳で、妻と小学生の子ども2人の4人家族です。

前回は、2021年3月末で「かんきつアカデミー」を無事卒業したということで、アカデミーで学んだことを振り返ってみました。

長いようで短かった1年間、かんきつに対する知識と技術は、最低限身に付けたと自負しています。しかし、これからが本番。自分の圃場でそのスキルを生かしていかなくてはなりません。

不安だらけですが、家族が笑って暮らしていけるように、“稼げる農業”を実現したいです。

さて、今回からは晴れて独立した農家としてデビューを果たしたさわちんの1日の生活についてお伝えしたいと思います。

タイトルも「農家見習い」改め、「新米農家」です!

イラスト:ヤマハチ
その前に、屋号の「コケチンファーム」について、「ダサい! 」という声が家族からも友人からも聞こえてきましたので(笑)、その由来についてお伝えしようと思います。

前回の記事に、「コケチ(飼っている鶏の愛称)」と「チンゲンサイ」をあわせて名付けました! と書きましたが、実はもう少し深い理由があるのです。


Why “コケチンファーム”? ~大切な家族に、美味しくて安全な野菜を食べてほしい~

わが家では、みんなで可愛がっているコケチに、収穫したチンゲンサイのB品(傷や虫食いなどで、出荷ができないもの)を食べさせています。とても美味しそうに食べてくれて、そんなコケチが産んでくれた卵を、さわちん一家は美味しく頂いています。

そんな中で、ふと、コケチは自分で食べるものを選べないんだよなぁと思いました。

コケチは家族みたいな存在とはいえ、ペットですから、飼い主が与える餌を食べるのは当然。しかし、その食べた餌がやがて卵に変わって、さわちん一家が食べることになるのです。

自分の大切な家族が食べる卵だから、できるだけ安全で美味しい方がいい。だからコケチに食べさせるチンゲンサイも、安全で美味しいものにしたい。

つまり、ペットも含めた大切な家族には、美味しくて安全なチンゲンサイを食べてほしい、という熱意を込めて「コケチンファーム」と名付けたんです。

どうでしょう? わかりにくいですかね(笑)。

周りからは「ダサい! 」という評価をいつもいただきますが、誉め言葉として受け止めております。

どうやら、コケチンファームという名前で農業をしているのは、日本で私だけのようなので、せっかくつけたこの屋号を大切にしていきたいと思います。


新米農家の1日のスケジュール

さて、本題に戻りまして、これまでサラリーマンだったさわちんは、月~金までは職場に通い、土日はお休みという生活を長い間過ごしてきました。

独立して農業を始めてからは、これまでとは打って変わって、すべて自分で決めることができるようになりました。だからといって、休んでばかりいられるはずもなく、仕事は山のようにあります。どれを優先的に行うか、常に考えながら行動する必要があり、いっぱいいっぱいの毎日を過ごしています。

少し頭の中を整理しながら、ある1日のタイムスケジュールを書いてみますね。

4月XX日


4:30

起床。すっごい眠いが頑張って起きる。

4:30~5:30

洗顔、朝食など、出かける準備を行う。腰痛予防のためのストレッチを必ず行う。

5:30~7:30

圃場にて、チンゲンサイの収穫。手元が見えるぎりぎりの明るさになったらスタート。

チンゲンサイの収穫
7:30~8:00

圃場から家の作業場へチンゲンサイを運搬し、出荷前準備作業の準備にとりかかる。

トラックへの積み込み
8:00~10:30

出荷前準備作業。収穫したチンゲンサイに虫食いや汚れがないかをチェックし、袋詰め。

この作業から、子どもの登校を見送った妻が合流します。

明るい
10:30~11:30

出荷前準備作業が完了したチンゲンサイを軽トラに乗せ、出荷場へ。出荷場にて出荷作業を実施。

11:30~12:00

家に帰り、作業場の片付け。いつも綺麗にすることを心がけています。

12:00~13:00

お昼休憩。

13:00~18:00

圃場での各種管理作業。チンゲンサイの防除作業をしたり、種まき作業収穫が終わった圃場を再度耕したりと大忙し。あ、草刈りもしなくてはいけません。

18:00~21:00

夕食、お風呂、家族団らんの時間。

21:00~22:00

売り上げ管理、事務処理。

22:00~

自由時間だけど、寝ちゃう。

大体、こんなスケジュールになります。22時ごろになると眠くて眠くて、一瞬で寝てしまいます。

やっぱり農家は朝が早い! 特に、さわちんのようにビニールハウスを利用した農業の場合、早いうちに収穫を終えないと暑さで作物が傷んでしまいますし、そもそも自分自身の身体がもちません。太陽を浴びながら風を感じる仕事と聞くといい仕事だという思いも強くなりますが、現実はなかなか厳しいなぁと改めて思います(笑)。

さて次回は、正式に就農してからの売り上げについて、ど~んとお伝えします。

農家としてスタートしたさわちん一家は、果たして生活していけるのか!? こうご期待!
【農家コラム】さわちんの「リアルタイム新規就農日記」
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WRITER LIST

  1. 槇 紗加
    1998年生まれ。日本女子大卒。レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原に移住し修行を始める。在学中は、食べチョクなど数社でマーケティングや営業を経験。その経験を活かして、農園のHPを作ったりオンライン販売を強化したりしています。将来は、レモンサワー農園を開きたい。
  2. 田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  3. さわちん
    2児の父。あるきっかけにより農業のイメージを変えたいと考え、16年間のサラリーマン生活にピリオドを打つことを決意。2020年春、家族で田舎に移住し、新規就農を目指す。自身が「移住×就農のモデルケース」となるために、いろんな方面へ向けて奮闘中。
  4. 福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  5. 窪田新之助
    農業ジャーナリスト。福岡県生まれ。日本経済新聞社が主催する農業とテクノロジーをテーマにしたグローバルイベント「AG/SUM(アグサム)」プロジェクトアドバイザー、ロボットビジネスを支援するNPO法人Robizyアドバイザー。著書に『日本発「ロボットAI農業」の凄い未来』『GDP 4%の日本農業は自動車産業を超える』(いずれも講談社)など。