麦わらのストローで脱プラ。農家らがプロジェクトを始動【窪田新之助のスマート農業コラム】
佐賀県伊万里市の株式会社フェルマ木須が農業経営で大事にしているのは「種から袋詰めまで」。
自ら生産した農産物の商品化にこだわる会社が有志の組織や企業と連携して今回始めたのは、麦わらを原料にしたストローの販売だ。国産麦の振興と脱プラスチック(以下、脱プラ)に向けて支援者を募集している。
一方で、「もち麦飴」や「きゅうりアイス」などの加工品もつくってきた。最近では真空状態で包装した米麦麹と煮大豆のほか、袋に入った塩と昆布を梱包した「もち麦味噌手作りキット」の販売も始めた。
そこに今回新たに加わったのが麦わらを素材にしたストローだ。
国内の農業法人や福祉作業所、学校、自治体、食品関連企業などが参画する「ふぞろいストロープロジェクト」の一環で、フェルマ木須をはじめ加盟する農業法人が収穫した大麦やライ麦を脱穀して、残ったわらだけで造っている。洗浄や乾燥、箱詰めは障害者が行う。製品はすべて食品安全分析センターによる残留農薬や細菌数などで安全の基準を満たしている。
周知のとおり日本の麦産業は外国産の麦に大きく依存してきた。しかし、最近になって食品加工会社と連携した国産麦の普及が広がってきている。プラスチックについては人間による無責任な投棄によって、海洋汚染や海洋生物の生態に深刻な事態をもたらしていることが報告されている。
一般社団法人広域連携事業推進機構は麦わらを原料にしたストローの普及目標として1000万本を掲げた。その実現のために、クラウドファンディングも立ち上げた。加盟する農業法人が生産した麦を使ったビールやタンブラーなども紹介されている。
株式会社フェルマ木須公式サイト | 佐賀県伊万里市で安心安全、高品質な農産物を育てています!
https://fermakisu.co.jp/
1本のストローから世界を変える!120年の時を経た「ストロー」をみんなに届けたい - CAMPFIRE (キャンプファイヤー)
https://camp-fire.jp/projects/444217/preview?token=d4fy7iuy&fbclid=IwAR3DBfjwApiOEDvcu672brjmB4fRwv2oadvCQSCxfqTYTVGrtAqAD-VcIWE
アサヒグループ、『ふぞろいのストロープロジェクト』に参画|アサヒグループホールディングス株式会社のプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000050.000058947.html
自ら生産した農産物の商品化にこだわる会社が有志の組織や企業と連携して今回始めたのは、麦わらを原料にしたストローの販売だ。国産麦の振興と脱プラスチック(以下、脱プラ)に向けて支援者を募集している。
食品安全の基準をクリア
代表の木須栄作さん(41)は秋田県立短期大学を卒業後、佐賀県の農業法人での1年間の研修を経て実家で就農した。法人化したのは2017年。作付け面積は稲が約40ha、もち麦が約50ha、豆とタカキビが合わせて約8haに及ぶ。一方で、「もち麦飴」や「きゅうりアイス」などの加工品もつくってきた。最近では真空状態で包装した米麦麹と煮大豆のほか、袋に入った塩と昆布を梱包した「もち麦味噌手作りキット」の販売も始めた。
そこに今回新たに加わったのが麦わらを素材にしたストローだ。
国内の農業法人や福祉作業所、学校、自治体、食品関連企業などが参画する「ふぞろいストロープロジェクト」の一環で、フェルマ木須をはじめ加盟する農業法人が収穫した大麦やライ麦を脱穀して、残ったわらだけで造っている。洗浄や乾燥、箱詰めは障害者が行う。製品はすべて食品安全分析センターによる残留農薬や細菌数などで安全の基準を満たしている。
国産麦の振興と脱プラに向けて
運営する一般社団法人広域連携事業推進機構によると、麦わらのストローは120年ほど前の日本に存在しており、発祥は岡山県とのことだ。しかし、いつしかプラスチック製のストローが主流になり、麦わらのストローは消えていった。それを復活させる意味は、国産麦の存在を知ってもらいたいということに加えて、世界的な脱プラの流れを受けてもあるとのこと。周知のとおり日本の麦産業は外国産の麦に大きく依存してきた。しかし、最近になって食品加工会社と連携した国産麦の普及が広がってきている。プラスチックについては人間による無責任な投棄によって、海洋汚染や海洋生物の生態に深刻な事態をもたらしていることが報告されている。
一般社団法人広域連携事業推進機構は麦わらを原料にしたストローの普及目標として1000万本を掲げた。その実現のために、クラウドファンディングも立ち上げた。加盟する農業法人が生産した麦を使ったビールやタンブラーなども紹介されている。
株式会社フェルマ木須公式サイト | 佐賀県伊万里市で安心安全、高品質な農産物を育てています!
https://fermakisu.co.jp/
1本のストローから世界を変える!120年の時を経た「ストロー」をみんなに届けたい - CAMPFIRE (キャンプファイヤー)
https://camp-fire.jp/projects/444217/preview?token=d4fy7iuy&fbclid=IwAR3DBfjwApiOEDvcu672brjmB4fRwv2oadvCQSCxfqTYTVGrtAqAD-VcIWE
アサヒグループ、『ふぞろいのストロープロジェクト』に参画|アサヒグループホールディングス株式会社のプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000050.000058947.html
【コラム】窪田新之助のスマート農業コラム
- 現状の輸出統計に意味はあるのか【窪田新之助のスマート農業コラム】
- 秋田県がスマート農業で実現する、コメから小菊への転換と生産規模拡大(後編)
- 秋田県がスマート農業で実現する、コメから小菊への転換と生産規模拡大(前編)
- 経済事業の立て直しに迫られるJA【窪田新之助のスマート農業コラム】
- 種子法廃止のから騒ぎ【窪田新之助のスマート農業コラム】
- 「科学者の心」を持って自ら考えてほしい 〜遺伝子組み換え技術の議論【窪田新之助のスマート農業コラム】
- データ栽培管理により反収増を実現したゆめファームの今年の成果【窪田新之助のスマート農業コラム】
- 日本の食料基地・北海道が直面する物流問題の憂うつ【窪田新之助のスマート農業コラム】
- 従業員の定着を図る「作業分解」という考え方【窪田新之助のスマート農業コラム】
- パレットを返却しない青果物流通の常識を変えよう【窪田新之助のスマート農業コラム】
- 青果物流の改善にパレットとフレコンの普及を【窪田新之助のスマート農業コラム】
- 麦わらのストローで脱プラ。農家らがプロジェクトを始動【窪田新之助のスマート農業コラム】
- 資本主義の変容とこれからの農業 【窪田新之助のスマート農業コラム】
- キュウリの反収アップに連なる「土は根を生やす培地」という考え
- 年収1000万円を捨てた脱サラ農家の夢
- 集落営農法人は「3階建て方式」の時代へ
- バリューチェーン構築のためのデータ利用を【窪田新之助のスマート農業コラム】
- 収量を高める根の力 【窪田新之助のスマート農業コラム】
- 10aの収入試算が18万円となった「みのりのちから」
- 「あまおう」増産の鍵はどこにある!? 【窪田新之助のスマート農業コラム】
- キュウリ農家によるAI自動選別機の最新版【窪田新之助のスマート農業コラム】
- 1万5000俵のコメを評価する「頭脳」【窪田新之助のスマート農業コラム】
- 農業ベンチャーによる生産管理と物流制御を可能にしたシステムとは?〜農業総合研究所【中編】
- 国内最大の事業協同組合が求めた小麦「みのりのちから」の魅力と可能性
- トラクターと作業機のデータ連携により、相関関係が見える農業の実現へ
- 小麦の品質評価基準はなぜ変わるのか
- あらためて問う、鳥獣害対策
- 東京で生産量日本一の農産物? 新宿で広がる「内藤とうがらし」
- 「減反政策は終わった」という暴論
- 農作物の体調を“リアルタイム”で診断する新技術とは?
- 農業に転用したい自動運転技術「LiDAR」とは?【窪田新之助の農業コラム】
- 米穀店も稲作経営を始める時代【窪田新之助の農業コラム】
- 醸造用ブドウの品質向上にスマート農業を活かす「信州ワインバレー構想」〜長野県高山村の例
- 「Kintone」による地域運営 ──島根県益田市【窪田新之助のスマート農業コラム】
- 農家目線で開発された開水路用の自動給水機の現地実証 〜横田農場の例
- センサーの向こうにある野菜の本質とは何か──NKアグリの例<後編>
- ニンジンの機能性はいつ高まるのか? ──NKアグリの例<前編>
- 農家の負担を減らす最新農業用ロボット【窪田新之助のスマート農業コラム】
- スマート農業の先にあるもの【窪田新之助のスマート農業コラム】
- いまなぜスマート農業なのか【窪田新之助のスマート農業コラム】
SHARE