米穀店も稲作経営を始める時代【窪田新之助の農業コラム】

高齢を理由に農村で大勢が離農する時代に入った中、水田をどう維持していくかに真剣に悩むのは既存の農家だけではない。地方の米穀店の社長もまたその一人である。

模索すべきは地方の農業商社としての可能性


彼らは顧客が農業から離れる現実に直面し、量が確保できなくなるという経営的な危機感ということを要因とし、代わって農作業を請け負うことを決意。その先に、米を集荷して販売するだけにとどまらない、地方の農業商社としての新たな可能性を模索している。

そんな実態を知ったのは、少し前にとある米どころの米穀店に講演で呼ばれたとき。講演よりもむしろこちらが本番というにぎやかな懇親会で、その社長と耳打ちするように雑談していて興味を抱いたのは、7年前に地元の農事組合法人の代表に就いたという話だった。同法人は12haで米を生産し、社長は田植え機もコンバインも自ら運転する。地域で農家が相次いで離農する中、自ら作り、売ることを買って出ている。自ら耕作しないと、米が十分に確保できないのだ。

自ら生産することで、「農家」を知っていく

といっても、単に農業の生産をするだけでは利益はあがらない。そこで「農家」としての立場から、役立つ肥料を選び抜き、その販売も手がけている。そうして周囲の農家の信頼を勝ち取り、本業である集荷と販売の実績につなげている。自ら生産することは強みにもなる。社長はこう語った。

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  1. 蒼井ネコ
    農学系の兼業ライター。某大学農学部、某農業レストラン、某飲料会社商品企画を経て、現在は某マルシェアプリでwebマガジン編集として働きながら、猫様のお世話をしている。
  2. 大坪雅喜
    おおつぼまさのぶ。1973年長崎県佐世保市生まれ。FARM DOI 21代表(農業者)・アグリアーティスト。 早稲田大学第一文学部史学科考古学専修卒業。学生時代に考古学、水中写真、自然農という世界を覗き込む。2006年9月、義父が営む農業の後継者として福岡県大川の地で就農。農業に誇りを持ち、未来には普通となるような農業の仕組みやサービス(カタチ)を創造していくイノベーションを巻き起こしたいと考える。縁のある大切な人たち(家族)と過ごす物心ともに満たされた暮らしの実現こそが農業経営の最終的な目的。現在、佐賀大学大学院 農学研究科 特別の課程 農業版MOT 在籍中。
  3. 柴田真希
    管理栄養士。㈱エミッシュ代表取締役。Love Table Labo.代表。27年間悩み続けた便秘を3日で治した雑穀や米食の素晴らしさを広めるべく、雑穀のブランド「美穀小町」を立ち上げる。現在はお料理コーナーの番組出演をはじめ、各種出版・WEB媒体にレシピ・コラムを掲載する他、食品メー カーや飲食店のメニュー開発やプロデュースなどを手がける。『私は「炭水化物」を食べてキレイにやせました。』(世界文化社)、『はじめての酵素玄米』(キラジェンヌ)など著書多数。
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    おおしろ みゆう。フリーランス編集ライター、大城文筆事務所所長。一次産業ほか地域文化、アウトドアなどお天道様系分野を専門に編集・執筆している。自転車で鍛えた脚力を活かし、農家さんのお手伝いをしながらインタビュー取材を積極的に行う。玉掛け免許と床上式操作クレーン免許所持。
  5. 井中優治
    いちゅうゆうじ。株式会社収穫祭ベジプロモーター。福岡県農業大学校卒。オランダで1年農業研修。元広告代理店勤務を経て、新規就農6年目。令和元年5月7日に株式会社収穫祭を創業。主に農業現場の声や九州のイベント情報などを発信している。